高卒から電気工事士へ転職|電気工作物の区分で変わる求人と資格
※本記事には広告(プロモーション)を含みます。編集部が転職サービスを勧める基準は編集方針ですべて公開しています。
高卒から電気工事士へ転職するとき、要る免状と求人の出方を分けているのは、扱う電気工作物の区分です。電気工作物とは、発電・変電・送電・配電や電気の使用のために置く機械・器具・電線路などをまとめた言葉です(電気事業法2条1項18号)。同法38条が、これを一般用電気工作物と自家用電気工作物などに分けています。
有効求人倍率(求職者1人あたりの求人の数)で見ると、施工の側の電気工事士は3.84倍、設備を管理する側のビル施設管理は1.03倍でした(令和7年度・厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」)。住宅の分電盤を開ける工事と工場の受電設備を触る工事は、同じ電気工事でも区分が違い、応募できる求人と要る免状が同時に変わります。免状の取り方や試験の話と、在学中の高校生の就職活動は扱いません。
移る先は、一般用と自家用のどちらの電気工作物を扱う現場かで決まります
免状の種類より先に、応募する現場がどちらの区分を扱うかを決めると、要る免状はそこから決まります。電気事業法38条と電気工事士法2条・3条、同法施行規則1条の2を突き合わせると、区分は次の3つに整理できます。
| 区分 | 具体的にどこの設備か | 作業に要る資格 | 根拠の条文 |
|---|---|---|---|
| 一般用電気工作物等 | 一般住宅、小規模な店舗・事務所など、低圧で受電している建物の屋内配線 | 第二種電気工事士(第一種でも可) | 電気工事士法2条1項・3条2項 |
| 自家用電気工作物(電気工事士法上) | ビル・工場・大型店舗など、高圧で受電して最大電力500kW未満の需要設備 | 第一種電気工事士。600ボルト以下の部分は認定電気工事従事者、特殊な工事は特種電気工事資格者 | 同法2条2項・3条1項・3項・4項 |
| 電気工事士法の外側 | 発電所・蓄電所・変電所、最大電力500kW以上の需要設備、送電線路、保安通信設備 | 電気工事士法による資格の制限はかからない | 同法2条2項+同法施行規則1条の2 |
出典:e-Gov法令検索「電気事業法」「電気工事士法」「電気工事士法施行規則」(2026年9月28日に編集部が法令APIで確認)。区分と資格の対応づけは編集部の整理です。
需要設備は、電気を使う場所の構内に置く電気工作物のまとまりを指します(電気工事士法2条2項)。3つ目の欄に書いたのは、電気工事士法の資格の制限が届かない範囲です。保安の決まりまで外れるわけではなく、そこは電気事業法の側が受け持っています。

区分の出どころは電気事業法38条です|一般用・事業用・小規模事業用・自家用
4つの言葉は並列ではなく、入れ子になっています。
| 電気事業法38条 | 何を指すか |
|---|---|
| 1項 | 一般用電気工作物。構内に置き、低圧受電電線路以外の電線路で構外の電気工作物とつながっていない、電気を使うための設備など(一般住宅や小さな店舗) |
| 2項 | 事業用電気工作物。一般用以外の全部 |
| 3項 | 小規模事業用電気工作物。事業用のうち、構内に置く小規模発電設備で、出力が省令の基準以上のもの(構外との接続などの条件つき) |
| 4項 | 自家用電気工作物。5つの電気事業(一般送配電・送電・配電・特定送配電と、省令の要件に当たる発電)の用に供するものと、一般用を除いた残り |
出典:e-Gov法令検索「電気事業法」38条1項〜4項(2026年9月28日に編集部が法令APIで確認)。
2項の逐語は次のとおりです。
この法律において「事業用電気工作物」とは、一般用電気工作物以外の電気工作物をいう。
(引用:電気事業法〈昭和39年法律第170号〉38条2項)
「事業用」は、会社が使っているかどうかではなく、一般用でないものを指すだけの言葉です。3項の出力の基準は経済産業省令に委ねられているため、本記事では出力の数値に踏み込みません。
電気工事士法がいう「自家用電気工作物」は、電気事業法のそれより狭いです
電気工事士法2条2項は、電気事業法38条4項の自家用電気工作物から、いくつかのものを除いています。除かれるのは、小規模事業用電気工作物と、発電所・変電所・最大電力500kW以上の需要設備その他の経済産業省令で定めるものです。省令の側は同法施行規則1条の2で、発電所・蓄電所・変電所・最大電力500kW以上の需要設備・送電線路・保安通信設備の6つです。
この除き方で、区分の線は2か所動きます。本記事で扱う条文の中で、編集部が最も実務に効くと考えるのがここです。
- 下側:小規模事業用電気工作物は、電気工事士法では「一般用電気工作物等」に入ります(同法2条1項)。構内に置く小規模な発電設備の工事が第二種電気工事士の範囲に入りうるのは、このためです。出力などの条件で外れることがあるので、設備ごとに確かめてください
- 上側:施行規則1条の2の6つは、電気工事士法の自家用からも外れ、同法による資格の制限がかからない領域になります
上側を「大きい設備なら誰でも触れる」と読まないでください。外れるのは電気工事士法の資格の制限だけです。上側の設備を置く者には、保安規程の届出(電気事業法42条1項)と、主任技術者の選任(同法43条1項)が原則として義務づけられています。大きい側の保安は、個人の免状ではなく設置者の側で組まれています。
加えて、会社の社内基準や発注者の要件で資格を求められることはあります。「法律で要らない」と「現場で求められない」は別の話です(条文は2026年9月28日に編集部が法令APIで確認)。
作業できる人は、電気工事士法3条が4つの項で決めています
3条は、項ごとに扱える工作物と作業の範囲を分けています。1項は「第一種電気工事士免状の交付を受けている者…でなければ、自家用電気工作物に係る電気工事…の作業…に従事してはならない」という形で、自家用の側を定めています。
| 項 | 誰が | どの工作物の | どの工事に従事できるか |
|---|---|---|---|
| 3条1項 | 第一種電気工事士 | 自家用電気工作物(電気工事士法上) | 特殊電気工事を除く電気工事 |
| 3条2項 | 第一種電気工事士または第二種電気工事士 | 一般用電気工作物等 | 電気工事 |
| 3条3項 | 特種電気工事資格者 | 自家用電気工作物 | 特殊電気工事(省令で定める特殊なもの) |
| 3条4項 | 認定電気工事従事者 | 自家用電気工作物 | 簡易電気工事(省令で定める簡易なもの)。1項にかかわらず従事できる |
出典:e-Gov法令検索「電気工事士法」3条1項〜4項(2026年9月28日に編集部が法令APIで確認)。1項〜3項は、保安上支障がないと認められる省令の作業を除いています。表への整理は編集部によるものです。
「特殊」と「簡易」の中身は、どちらも省令が決めています。
- 特殊電気工事=2つだけ。同法施行規則2条の2第1項が挙げるのは、ネオン工事(ネオン変圧器・ネオン管やその分電盤・主開閉器などの電気工事)と、非常用予備発電装置工事(原動機・発電機・配電盤などの電気工事)です
- 簡易電気工事=電圧600ボルト以下。同法施行規則2条の3は「電圧六百ボルト以下で使用する自家用電気工作物に係る電気工事(電線路に係るものを除く。)」と定めています
ビルや工場の受電設備を扱う求人で「認定電気工事従事者」が条件に挙がるのは、この600ボルトの線があるからです。高圧の受電部には第一種が要りますが、600ボルト以下の側は認定電気工事従事者でも作業に従事できます。第一種を持たないまま入れる枠が、自家用の側にも用意されているということです。

電気工事士法3条の「でなければ、…従事してはならない」という書き方は、ほかの職業の法律にも出てきます。電気工事士と同じ型の規定を持つ職業の並びでは、その書き方をほかの職業と比べています。
資格が無くても従事できる作業は、省令に12個ずつ列挙されています
電気工事士法3条1項と2項の括弧書きが除いている「保安上支障がないと認められる作業」は、同法施行規則2条が号で列挙していて、数えられます。自家用の側(同規則2条1項1号)は、イからヲまでの12個です。電線相互を接続する作業、がいしに電線を取り付ける作業、電線管を曲げる作業、金属製のボックスを取り付ける作業などが並びます。一般用の側(同規則2条2項1号)は、イが1項1号の「イからヌまで及びヲ」の11個を引き、ロが接地線の作業を1個置いて、実質12個です(号の数は2026年9月28日に編集部が数えました)。
1号の並びで見た両者の差は、接地線の作業から外す機器の1点だけです。自家用の側(ル)は最大電力500kW未満の需要設備にある600ボルト以下の電気機器を、一般用の側(ロ)は600ボルト以下で使う電気機器を外しています。さらに2条1項2号と2項2号は、電気工事士が従事するこれらの作業を補助する作業も除かれる作業に含めています。
未経験で電気工事の会社に入った人が最初から現場で手を動かせる根拠は、ここにあります。免状が無くても従事できる作業と有資格者の補助が、省令の側で確保されています。条文の作りは、「入ってから免状を取る」という順番も許しています。
なお、次の6つは同法施行令1条が挙げる「軽微な工事」で、そもそも電気工事士法の「電気工事」に当たりません(同法2条3項ただし書)。
- 600ボルト以下の接続器・開閉器にコードやキャブタイヤケーブルを接続する工事
- 600ボルト以下の電気機器・蓄電池の端子に電線をねじ止めする工事
- 600ボルト以下の電力量計・電流制限器・ヒューズの取り付け、取り外し
- 小型変圧器(二次電圧36ボルト以下)の二次側の配線工事
- 電線を支持する柱・腕木などの設置、変更
- 地中電線用の暗渠・管の設置、変更
免状を持たないまま応募する場合でも、選考で読まれるのは資格欄だけではありません。資格より先に職務経歴を4項目で書き出す手順を済ませておくと、応募書類の中身が揃います。
職業で並べると、有効求人倍率は送電線工事12.42倍・電気工事士3.84倍・ビル施設管理1.03倍です
job tagが職業ごとに載せている値を区分の順に並べると、求人の集まりにくさに大きな差が出ます。
| job tagの職業 | 主に扱う側 | 有効求人倍率 | 求人賃金(月額) | 就業者数 |
|---|---|---|---|---|
| 送電線工事 | 電気工事士法の外側(送電線路) | 12.42倍 | 28.8万円 | 47,430人 |
| 電気工事士 | 一般用電気工作物等・自家用電気工作物 | 3.84倍 | 28.4万円 | 379,510人 |
| ビル施設管理 | 自家用電気工作物の側の維持・管理 | 1.03倍 | 25万円 | 157,500人 |
出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)の3職業の詳細ページ(2026年9月28日に編集部が原典を開いて確認)。有効求人倍率と求人賃金は令和7年度のハローワーク求人統計データ(全国)、就業者数は令和2年国勢調査にもとづく値です。「主に扱う側」の列は編集部の整理です。
列ごとに出どころが違うため、列をまたいだ計算はしません。同じ列の中で比べると、送電線工事の倍率は電気工事士の約3.2倍、電気工事士はビル施設管理の約3.7倍です。求人賃金の列では、送電線工事と電気工事士の差は0.4万円です(いずれも編集部算出)。
倍率が示すのは求職者1人あたりの求人の数までで、採用の見込みまでは表しません。倍率が高いのは人が集まりにくいということで、そのまま働きやすさを意味しません。送電線工事の就業者数は、電気工事士の約8分の1です(編集部算出)。

年収の数字は、読み方に注意が要ります。job tagの平均年収は電気工事士と送電線工事がともに628.1万円で、平均年齢41.6歳・月間労働時間163時間まで一致していました(令和7年賃金構造基本統計調査。ビル施設管理は452.3万円・47.3歳・163時間)。
当社の参照資料には、2職業が賃金構造基本統計調査の職業区分「電気工事従事者」を共有しているとみられる、という記録があります(2026年8月6日の記録)。ただし、直接の確認は取れていません。628.1万円は送電線や外線の電工まで含んだ平均とみて、屋内配線の相場としては使わないでください。
応募先の会社には、登録と通知という2本の手続きがあります
応募先の会社の側にも、同じ区分の線が入っています。電気工事業の業務の適正化に関する法律(昭和45年法律第96号。以下「電気工事業法」)が、手続きを2本に分けています。
| 会社が扱う工事 | 必要な手続き | 根拠 |
|---|---|---|
| 一般用電気工事を含む | 登録(経済産業大臣または都道府県知事) | 同法3条1項 |
| 自家用電気工事のみ | 事業開始の10日前までの通知 | 同法17条の2第1項 |
出典:e-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律」(2026年9月28日に編集部が法令APIで確認)。表への整理は編集部によるものです。
この分かれ方は、読者の経験の値付けにかかわります。同法19条1項は、登録電気工事業者に、一般用電気工事の業務を行う営業所ごとに主任電気工事士を置くよう義務づけています。置けるのは、第一種電気工事士か、第二種の免状の交付を受けた後、電気工事に関し3年以上の実務の経験を持つ第二種電気工事士です(同法6条1項1号〜4号の、罰金以上の刑や登録の取消しなどに関わる事由に当たらないことも条件)。
効いているのは免状の枚数ではなく、免状を取ったあとの年数です。第二種で3年の実務を積んだ人は、営業所ごとに置かなければならない役割の年数の要件を満たします。
同法21条は、会社の側から見た禁止を置いています。1項は第一種電気工事士でない者を自家用電気工事(特殊電気工事などを除く)の作業に、2項は第一種・第二種でない者を一般用電気工事の作業に従事させてはならないと定めています。4項は、認定電気工事従事者を簡易電気工事の作業に従事させることを認めています。求人票の応募資格に免状の名前が具体的に並ぶのは、この禁止が会社の側にかかっているためです。

主任電気工事士の3年は、第二種の免状を受けた後から数える年数でした。資格によってこの起点は変わり、税理士の通算2年と危険物取扱者甲種の2年を比べた表にその違いがまとめてあります。
感電の危険がある作業には、区分とは別に特別教育が付きます
免状とは別に、電圧で区切られた教育の枠があります。労働安全衛生法59条3項は、危険または有害な業務のうち厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるとき、特別の教育を行うよう事業者に義務づけています。その省令が労働安全衛生規則36条で、感電の危険を伴う業務を挙げているのが同条4号です。
同号は電圧を3つに定義しています。高圧は直流750ボルト・交流600ボルトを超え7,000ボルト以下、特別高圧は7,000ボルト超、低圧は直流750ボルト以下・交流600ボルト以下です。対象の業務には、高圧・特別高圧の充電電路やその支持物の敷設・点検・修理・操作の業務などが入ります(いずれも2026年9月28日に編集部が法令APIで確認)。
時間数は、安全衛生特別教育規程(昭和47年労働省告示第92号)5条・6条にあります。高圧・特別高圧は学科11時間と実技15時間以上、低圧は学科7時間と実技7時間以上です(学科は科目ごとの時間を編集部が合計。操作の業務だけを行う人の実技は1時間以上。2026年9月28日に編集部が告示本文を開いて確認)。
本記事で引いた条文に、免状があればこの教育が外れるという定めはありません。十分な知識と技能があると認められる科目は、事業者が省略できます(労働安全衛生規則37条)。求人票に研修の期間が書かれている場合、この時間が含まれていることもあります。
資格の名前より先に、何を扱ってきたかを職務経歴で読んでいました
当サイトの運営メンバーが中途採用の書類選考を担当していたころ、判断に迷ったのは資格欄が空の書類ではありませんでした。資格の名前は並んでいるのに、職務経歴に何を扱ってきたかが書かれていない書類です。
逆に、扱った対象と範囲まで書かれた書類は、資格が少なくても読み進められました。運営メンバー1人が1社で経験したことで、電気工事の会社の選考はそこに含まれていません。
電気工事なら、扱った対象とは区分のことだと編集部は考えます。受電の電圧、扱った盤の種類、関わった工程の範囲を職務経歴に1行足すだけで、読み手に渡る情報は変わります。
住宅を扱う求人と受変電設備を扱う求人は、作業内容の欄の語で見分けます
2つの求人では、作業内容の欄に出てくる語も、応募資格の欄に並ぶ免状も違います。一般用電気工作物等の側(住宅・小規模な店舗の屋内配線)を選ぶ場合は、次の3つを確かめます。
- 作業内容の欄に、住宅・店舗・戸建といった語があるか
- 会社が登録電気工事業者か(一般用を扱うなら登録が要ります。電気工事業法3条1項)
- 免状を取る前にどの作業を任される想定か。免状なしで従事できるのは、電気工事士法施行規則2条の作業とその補助、同法施行令1条の軽微な工事です
自家用電気工作物の側(ビル・工場・大型店舗の受変電設備)を選ぶ場合は、次の3つです。
- 求人票に「高圧」「受変電」「キュービクル」といった語があるか
- 応募資格が第一種電気工事士か認定電気工事従事者か。600ボルト以下の部分(電線路を除く)だけなら後者で足ります(電気工事士法施行規則2条の3)
- 施工に入るのか、設備の管理に入るのか。管理の側は有効求人倍率1.03倍で、求人の集まり方が違います
免状より先に区分を決める順番を、編集部は勧めます。要る免状は区分から逆算して決まり、免状が無い段階でも従事できる作業が省令に確保されているからです。
いまの職種のまま業種だけを選び直す道も残っています。その場合は、自分の作業がどの職業区分に数えられているかを確かめる手順から始めると、比べる相手が決まります。ほかの職種と迷っている段階なら、電気工事に絞り込む前に、候補の広さを確かめる記事を先に読んでください。
入社したあとに担当する区分が変わる余地は、求人票の「業務内容の変更の範囲」の欄から読めることがあります。欄の読み方は配属の幅を「変更の範囲」の欄で読む手順にまとめてあります。
受電の電圧と設備の規模は、転職サービスの担当者を通すと先に分かることがあります
この記事で扱う転職サービスは、申し込みの成果に応じて当サイトに報酬を払う側でもあります。エージェント(職業安定法上の有料職業紹介事業者)が受け取る手数料は、人を雇い入れる企業が負担します。応募する側の費用は、原則としてかかりません。
受電の電圧や設備の規模は求人票からは読み取れないことがあり、募集する側に聞いて初めて分かる場合もあります。区分の見当がつかない求人ほど、担当者を通して確かめる価値があります。
事業者ごとの手数料に関する事項と離職者の数は、厚生労働省の人材サービス総合サイトで引けます。有料職業紹介事業者がインターネットで提供するよう、職業安定法32条の16第3項と同法施行規則24条の8第3項(1号〜5号。手数料は4号)が定めているためです。許可・届出の番号も、同じサイトで確かめられます。
申し込む前に、区分の判定を済ませたい人
次に当てはまる場合は、転職サービスへの申し込みより先に、この記事の区分の表と求人票を突き合わせてください。
- 応募したい求人の作業内容の欄を、まだ区分で読み分けていない人
- 社内に電気設備の保守を担う部署があり、そこへ移る道が開いている人
- いまの職場で任される作業の範囲が広がっている途中の人
よくある質問
Q:電気工事士2種は転職に有利ですか?
有利に働くのは、一般用電気工作物等を扱う現場に応募する場合です。第二種の免状があれば電気工事士法3条2項の作業に従事でき、交付後に実務を3年積むと、主任電気工事士の年数の要件も満たします(電気工事業法19条1項)。自家用電気工作物の電気工事の作業は3条1項の範囲で、免状なしで従事できる省令の作業を除き、第二種だけでは従事できません。
Q:第一種電気工事士は転職に有利ですか?
自家用電気工作物を扱う会社では、第二種より応募できる求人が広がります。自家用の電気工事の作業は、簡易電気工事などを除いて、電気工事士法3条1項が第一種に限っています。ただし発電所・変電所や最大電力500kW以上の需要設備などには同法の資格の制限がかからず(同法2条2項+同法施行規則1条の2)、等級を上げるほど範囲が広がり続けるわけではありません。
Q:第二種電気工事士を活かせる転職先は?
一般住宅や小規模な店舗・事務所の屋内配線を扱う仕事です。一般用電気工作物等に当たるかは、求人票の作業内容の欄で判定できます。自家用の側でも、600ボルト以下の簡易電気工事(電線路を除く)なら認定電気工事従事者の認定で従事できます(電気工事士法3条4項+同法施行規則2条の3)。
Q:電気工事士に転職するには何歳からですか?
本記事で引いた電気工事士法・電気工事業法の条文に、年齢の条件はありません。求人ごとの年齢の条件は、応募資格の欄に書かれます。参考までに、job tagが載せる電気工事士の平均年齢は41.6歳です(令和7年賃金構造基本統計調査)。
Q:電気工事士は何歳まで転職できますか?
上限を定めた規定も、本記事で引いた条文にはありません。数字で言えるのは平均年齢で、電気工事士と送電線工事が41.6歳、ビル施設管理が47.3歳です(令和7年賃金構造基本統計調査)。施工の側と設備の管理の側の差は5.7歳です(編集部算出)。平均であって、採用の上限を示す数字ではありません。
まとめ
- 電気工事の求人は、扱う電気工作物の区分で3つに分かれます。第二種電気工事士の範囲、第一種電気工事士・認定電気工事従事者の範囲、電気工事士法の資格の制限の外です
- 電気工事士法の「自家用電気工作物」は電気事業法のそれより狭く、発電所・変電所・最大電力500kW以上の需要設備などが外れています(電気工事士法2条2項)。外れた設備の保安は、電気事業法42条・43条の側にあります
- 免状が無くても従事できる作業が省令に列挙され、補助作業も含まれます(電気工事士法施行規則2条)
- 有効求人倍率は送電線工事12.42倍・電気工事士3.84倍・ビル施設管理1.03倍(令和7年度・job tag)。平均年収628.1万円は送電線工事と同じ値で、屋内配線だけの相場ではありません
- 会社も、一般用を扱うなら登録、自家用だけなら通知と、手続きが分かれます(電気工事業法3条1項・17条の2第1項)
扱える範囲を早く広げたいなら、一般用電気工作物等の側から入るほうを編集部は勧めます。免状と作業の範囲が一致していて、第二種の交付後3年の実務がそのまま主任電気工事士の年数の要件になります。
労働時間で選ぶなら、区分を変えても平均の差は出ません。job tagの月間労働時間は3職業とも163時間で、確かめる先は応募先の勤務時間と休日の欄です。
区分を見分ける手がかりは、求人票の作業内容の欄にあります。「住宅」「店舗」の語か、「高圧」「受変電」の語か。拾った1語で、この記事のどちらの側の確かめ方を使うかを選べます。電気工事の経験が無いまま応募するなら、立ち位置ごとに、応募の前に揃えるものの一覧も合わせて開いてください。
※本記事は法令と統計にもとづく一般的な情報で、条文と数値は2026年9月28日に編集部が原典を開いて確認したものです。法令の改正で条番号や適用範囲が変わることがあります。個別の工事がどの区分に当たるか、どの資格が要るかは、応募先の会社や所管の産業保安監督部などへご確認ください。労働条件の個別の判断は、都道府県労働局・労働基準監督署・ハローワークが窓口です。
参考・出典
- コロキャリア編集部の独自集計(2026年9月28日に原典で照合し直し):①電気工事士法2条・3条、同法施行規則1条の2・2条・2条の2・2条の3、同法施行令1条、電気事業法38条を突き合わせて「区分ごとに作業できる人」を1枚の表に組み直した整理 ②同法施行規則2条の「保安上支障がないと認められる作業」の号の数え上げ(自家用側=1項1号イからヲまでの12個/一般用側=2項1号イ・ロで実質12個)
- e-Gov法令検索「電気事業法」(昭和39年法律第170号。電気工作物の定義=2条1項18号/一般用電気工作物=38条1項/事業用電気工作物=38条2項/小規模事業用電気工作物=38条3項/自家用電気工作物=38条4項/保安規程=42条1項/主任技術者の選任=43条1項。法令ID 339AC0000000170。2026年9月28日に法令APIで確認): https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170
- e-Gov法令検索「電気工事士法」(昭和35年法律第139号。一般用電気工作物等の定義=2条1項/自家用電気工作物の定義=2条2項/電気工事の定義と軽微な工事への委任=2条3項/電気工事士等=3条1項〜4項。法令ID 335AC0000000139。2026年9月28日に法令APIで確認): https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000139
- e-Gov法令検索「電気工事士法施行規則」(昭和35年通商産業省令第97号。自家用電気工作物から除かれる電気工作物=1条の2/保安上支障がないと認められる作業=2条1項・2項/特殊電気工事=2条の2/簡易電気工事=2条の3。法令ID 335M50000400097。2026年9月28日に法令APIで確認): https://laws.e-gov.go.jp/law/335M50000400097
- e-Gov法令検索「電気工事士法施行令」(昭和35年政令第260号。軽微な工事=1条1号〜6号。法令ID 335CO0000000260。2026年9月28日に法令APIで確認): https://laws.e-gov.go.jp/law/335CO0000000260
- e-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律」(昭和45年法律第96号。登録=3条1項/登録の拒否=6条1項1号〜4号/自家用電気工事のみに係る電気工事業の開始の通知等=17条の2第1項/主任電気工事士の設置=19条1項/電気工事士等でない者を電気工事の作業に従事させることの禁止=21条1項〜4項。法令ID 345AC1000000096。2026年9月28日に法令APIで確認): https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC1000000096
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法」(昭和47年法律第57号。安全衛生教育=59条3項〈特別教育の委任元〉。法令ID 347AC0000000057): https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000057 /同規則(昭和47年労働省令第32号。特別教育を必要とする業務=36条4号/特別教育の科目の省略=37条。法令ID 347M50002000032。いずれも2026年9月28日に法令APIで確認): https://laws.e-gov.go.jp/law/347M50002000032
- 厚生労働省「安全衛生特別教育規程」(昭和47年9月30日労働省告示第92号。高圧又は特別高圧の充電電路等に係る特別教育=5条〈学科5科目・計11時間は編集部の合計/実技15時間以上、充電電路の操作の業務のみを行う者は1時間以上〉/低圧の充電電路等に係る特別教育=6条〈学科5科目・計7時間は編集部の合計/実技7時間以上、開閉器の操作の業務のみを行う者は1時間以上〉。2026年9月28日に編集部が告示本文を開いて確認): https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=74085000&dataType=0&pageNo=1
- 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「電気工事士」(職業分類094-05。有効求人倍率3.84倍・求人賃金28.4万円〈令和7年度・全国・ハローワーク求人統計データ〉/平均年収628.1万円・平均年齢41.6歳・月間労働時間163時間〈令和7年賃金構造基本統計調査〉/就業者数379,510人〈令和2年国勢調査〉。2026年9月28日確認): https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/46
- 同「送電線工事」(職業分類094-01。有効求人倍率12.42倍・求人賃金28.8万円/平均年収628.1万円・平均年齢41.6歳・月間労働時間163時間/就業者数47,430人。年度・調査名は上に同じ。2026年9月28日確認): https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/50
- 同「ビル施設管理」(職業分類089-01。有効求人倍率1.03倍・求人賃金25万円/平均年収452.3万円・平均年齢47.3歳・月間労働時間163時間/就業者数157,500人。年度・調査名は上に同じ。2026年9月28日確認): https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/95
- 厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査 業種別主な職種早見表」(職業コード「1671 電気工事従事者」に送電線電工・外線電工が含まれるという記載。2026年8月6日に編集部が原典PDFで確認した記録を転記。job tagの2職業がこのコードを共有していることは未直接確認): https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/detail/dl/20200608-detail-13.pdf
- e-Gov法令検索「職業安定法」(有料職業紹介事業者の情報提供=32条の16第3項): https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141 /同施行規則(インターネットによる情報提供の項目=24条の8第3項1号〜5号。4号=手数料に関する事項。いずれも2026年9月28日に法令APIで確認): https://laws.e-gov.go.jp/law/322M40002000012
- 厚生労働省「人材サービス総合サイト」(有料職業紹介・募集情報等提供事業者の許可・届出と、情報提供の掲載先): https://jinzai.hellowork.mhlw.go.jp/
