中卒・高卒の転職

高卒ニートの就職|離職理由の1位は「人間関係」でした

就職活動を再開しようとする高卒の若者のイメージ図
コロキャリア編集部

「ニート」という言葉で検索した方に、まず定義から書きます。編集部が確認した範囲では、「ニート」という言葉に法令上の定義は見当たりません。近い言葉として、総務省統計局「労働力調査」の「若年無業者」(15〜34歳の非労働力人口のうち、家事も通学もしていない者)があります。

「意欲がない」「能力が足りない」と思われがちですが、統計は違う形を示しています。高校卒業後に初めて勤務した会社をやめた理由で最も多かったのは、「人間関係がよくなかった」(28.0%)でした(厚生労働省「令和5年若年者雇用実態調査の概況」表17)。この記事では、ニートという言葉の整理と、離職の実態、利用できる公的な支援制度をまとめます。

訂正履歴

  • 2026年10月5日|見出し「結論:『ニート』は法令用語としては見当たらず、対象年齢のある統計用語が近くにあります」:見出しの「結論:『ニート』は法令用語ではなく、対象年齢のある統計用語が近くにあります」を「結論:『ニート』は法令用語としては見当たらず、対象年齢のある統計用語が近くにあります」に修正しました。理由:編集部が確認した範囲で見当たらなかったことを、法令用語ではない、と断定していました。リード文と本文では「編集部が確認した範囲では」と範囲を限って書いており、見出しでその限定が落ちていました。

結論:「ニート」は法令用語としては見当たらず、対象年齢のある統計用語が近くにあります

「ニート」という言葉自体に、法令上の定義は、編集部が確認した範囲では見当たりません。ただし近い概念として、総務省統計局「労働力調査」が使う「若年無業者」という統計用語があります。15歳から34歳までの非労働力人口のうち、家事も通学もしていない人を指します。

編集部が確認した範囲では、学歴別・年齢別のニートの人数・割合を示す確定的な一次統計には到達できませんでした。「高卒はニートが多い」という言い方を見かけますが、この記事ではその前提を検証できないため、割合や人数の比較は扱いません。代わりに、実際に一度就職した人が、その後どうなっているかを統計で確認します。「意欲がない」という言葉だけで片付けず、実際に何が起きているかを数字で見ていきます。

若年無業者(非労働力人口のうち通学・家事のいずれも行っていない15〜34歳)の定義を示す図

一度就職した人の約半数は、初めての会社を離れています

高校卒業後に初めて勤務した会社で、いまも働いているかどうかを尋ねた結果があります。

初めて勤務した会社の状況 高校卒業者
勤務している 48.1%
勤務していない 49.7%
不明 2.2%

出典:厚生労働省「令和5年若年者雇用実態調査の概況」表16(個人調査・最終学歴=高校)。

高卒で初めて勤務した会社を離れた人は、およそ半数です。「自分だけが続かなかった」と考える必要はありません。統計上は、続けている人とほぼ同じだけの人数が、一度は会社を離れています。新規高卒就職者の3年以内離職率が産業によって大きく違うことは、産業ごとの離職率のばらつきを扱ったピラー記事にまとめています。

この数字が示しているのは、離職そのものが「例外」ではないという実態です。次の見出しでは、離れた理由の内訳を見ます。理由が分かれば、次の職場を選ぶときに確認すべき点も具体的になります。

離職理由の1位は「人間関係」で、本人の能力の問題ではありません

初めて勤務した会社をやめた理由(複数回答・3つまで)を見ると、次のようになります。

離職理由 高校卒業者
人間関係がよくなかった 28.0%
労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった 24.8%
賃金の条件がよくなかった 22.9%
仕事が自分に合わない 21.6%
会社に将来性がない 10.7%
健康上の理由 10.8%

出典:厚生労働省「令和5年若年者雇用実態調査の概況」表17(個人調査・最終学歴=高校、複数回答)。

最も多かったのは「人間関係がよくなかった」(28.0%)です。「仕事が自分に合わない」(21.6%)は上位4項目の中で最も低く、本人の適性そのものより、職場環境が理由になっている割合のほうが高い、というのが統計の形です。

編集部の見方を書きます。離職の理由を「自分に問題があったから」と一括りにしない、が大切だと考えています。人間関係や労働条件は、会社ごとに大きく異なります。前の会社で起きたことが、次の会社でも同じように起きるとは限りません。

この設問は複数回答(3つまで)のため、1人が複数の理由を挙げている可能性があります。「人間関係」と「労働条件」を両方選んだ人もいれば、どちらか一方だけを選んだ人もいます。理由が1つに絞れないことは、離職を経験した人にとって珍しいことではありません。

次の応募先を選ぶときに、編集部が確認を勧めているのは、残業時間・有給の取得しやすさ・相談窓口の有無です。これらは面接で直接聞いても差し支えのない項目です。人間関係の相性は入社前には測りきれませんが、労働時間や休日の条件は、求人票や面接で数字として確認できます。

編集部が勧める軸の測り方は、感覚ではなく数字です。「雰囲気がよさそう」という印象だけで選ぶと、次の職場でも同じ理由でつまずく可能性があります。求人票に書かれた数字(残業時間・有給取得率・離職率)を確認する習慣を、最初の一歩として持っておくことを編集部は勧めます。

無料で使える公的な支援窓口があります

就職活動そのものが止まっている場合に使える公的な窓口があります。地域若者サポートステーション(通称サポステ)です。厚生労働省が設置・運営し、15歳から49歳までの、働くことに悩みを抱える人を対象にしています。全国に179か所あり(2026年9月時点)、利用は原則無料です(一部のプログラムで教材費等の実費がかかる場合があります)。

サポステでは、コミュニケーション講座や就活セミナーなど、就労に向けた相談から職場定着までを支援しています。「何から始めればいいか分からない」段階でも利用できる窓口である点が、求人サイトやハローワークの一般窓口とは違います。

利用を始める手順はシンプルです。最寄りのサポステの拠点情報を確認し、電話または来所で相談の予約を取ります。予約の際に、職歴や資格を聞かれることはありません。まず相談から始まる窓口だという点は、応募書類を先に整えなければならない求人サイトとは違います。

最初の相談では、いまの状況と今後の希望を話すことが中心になります。その場で応募書類の完成や求人の紹介を求められることはありません。焦って結論を出す必要はなく、複数回通いながら自分のペースをつかんでいく利用の仕方も一般的です。

地域若者サポートステーションの対象年齢・拠点数・費用を示す図解

サポステと転職エージェント・ハローワークは、役割が違います

就職活動を再開するときに使える窓口は、サポステだけではありません。編集部が整理した違いは次のとおりです。

窓口 費用 主な対象 向いている段階
地域若者サポートステーション 原則無料(一部プログラムで実費負担あり) 15〜49歳の、働くことに悩みを抱える人 生活のリズムを整える段階・何から始めるか決まっていない段階
ハローワーク 無料(職業安定法8条1項) 制限なし 求人を探し始める段階
転職エージェント(有料職業紹介) 求職者は原則無料(報酬は紹介先企業が負担) 制限なし(職種・年齢で得意分野が分かれる) 応募・選考を本格的に進める段階

3つは競合するものではなく、段階に応じて使い分けるものです。生活のリズムがまだ整っていない段階でエージェントに登録しても、面談で提示できる情報が少なく、提案の精度が上がりません。サポステで足元を整えてから、ハローワーク・エージェントへ進む順番を編集部は勧めます。

迷ったら、費用がかからないサポステかハローワークから動き始めるのが編集部の基本的な勧めです。転職エージェントは、応募先の候補がある程度絞れてから利用しても遅くありません。

副ペルソナに近い状況(高卒で入った職場を数年で離れ、数か月の空白がある場合)を例にすると、動き方はこうなります。まずサポステで生活のリズムと今後の希望を整理し、次にハローワークで求人の探し方を確認し、応募先の目星がついた段階で転職エージェントに相談する、という順番です。すべてを同時に始める必要はありません。

離職を経験した人の書類を、編集部が採用側としてどう見てきたか

ここは統計ではなく、経験として書きます。編集部の運営メンバーは、事業会社の採用担当として中途採用の書類選考に関わってきました。

その範囲での実感です。職歴の空白そのものより、空白の理由を一言で説明できるかどうかで、選考の進み方が変わりました。空白の理由が体調・家庭の事情・次の一歩を考えていた期間など、事実として短く言えれば、それ以上深く追及されない場面のほうが多くありました。

もう1つ付け加えます。離職の理由を尋ねたとき、前の会社への不満だけを話す人より、次に何を重視したいかまで話せる人のほうが、印象は良く残りました。「人間関係が理由でやめた」で終わらせず、「次は相談できる体制がある職場を選びたい」まで言えると、話の締まりが変わります。

編集部が見てきた範囲では、離職理由を1文で言い切れる人ほど、その後の職務経歴の書き方も具体的になる傾向がありました。理由を整理する作業と、経歴を整理する作業は、同じ根っこでつながっている、というのが編集部の実感です。

これは一事業会社での経験であり、業界・企業規模・職種によって事情は異なります。統計として一般化はできません。それでも、空白の理由を隠す必要はない、というのが編集部の立場です。作り話は不要ですし、後で辻褄が合わなくなります。

生活を立て直すことを優先するか、早く収入を得ることを優先するかで、動き方は変わります

止まっている期間から動き出すとき、軸は大きく2つに分かれます。まず生活のリズムを整えたい人は、サポステなど無料の窓口で相談しながら、応募のペースを急がないことを編集部は勧めます。生活が整っていない状態で選考を受けても、力を出しきれません。

すぐに応募を始めたい人は、いまの体調・生活リズムに大きな問題がないなら、ハローワークや転職エージェントに相談しながら、並行して応募を進めて構いません。

どちらの軸でも、空白の理由を一文で説明できる状態にしておくことだけは共通して必要です。この準備ができていれば、相談先が変わっても、話す内容を作り直す必要はありません。

目安として、生活のリズムが1か月以上崩れたままの場合は、応募を急がず、まずサポステや医療機関への相談を優先することを編集部は勧めます。逆に、生活リズムに大きな乱れがなく、単に応募のきっかけをつかめていないだけの場合は、ハローワークや転職エージェントへの相談から始めても問題ありません。

空白から動き出すときに、まずやること3つ

編集部が勧める順番は次のとおりです。

  1. 空白の理由を、一文で説明できるようにする——事実をそのまま短く言えれば足ります
  2. 生活のリズムを整える——面接や書類作成に取り組める状態を先につくる
  3. 相談先を1つ決めて、実際に動く——サポステ、ハローワーク、転職エージェントのいずれでも構いません。1人で抱え込まないことが優先です
  4. 相談先を選ぶときは、費用と対象年齢を確認する——サポステ・ハローワーク・転職エージェントの違いは、上の表で整理しています

前の会社での経験も、期間が短くても職歴です。短い期間の経験を職歴として書く具体的な書き方は、期間・役割・任された範囲を書き出す手順を扱った記事で確認できます。卒業してから就業経験が浅い場合は、卒業から1年間の実態を統計で確かめた記事もあわせて確認してください。

高卒ニートに近い状況の記事が、コロキャリアにはほかにもあります

「就職活動が止まっている高卒」という主語の中にも、もっと近い状況の記事があります。資格を持たない人、中卒の人です。

これらはコロキャリアの中で状況別の記事として公開しています。該当しそうな場合は、そちらもあわせて確認してください。

資格を持たないことも気にしている場合は、職業意識やコミュニケーション能力が上位に並ぶ調査を確認してください。資格の有無より順位が高い項目があります。

中卒の場合は、本記事で扱った統計が高校卒業者のものであるため、そのまま当てはまりません。辞めた経験を、自分だけの事情ではなく数字で説明する手がかりも、中卒の統計から別にまとめています。

転職サービスは、職歴の空白を理由に断りません

先にお金の流れを書いておきます。当サイトは転職サービスの紹介で収益を得ています。勧める基準と、いま利用しなくていい場合を続けて書きます。

転職エージェント(有料職業紹介)の報酬は、紹介先の企業が支払う成功報酬です。求職者は原則として無料で使えます。書類添削・面接対策・求人情報は先払いで提供されるものなので、遠慮なく受け取ってください。どの会社に応募するか、いつ動くかの判断だけは自分で持つ、という原則は職歴の空白があっても変わりません。

サポステのように費用のかからない公的窓口と、転職エージェント・スカウトサービスは、役割が異なります。生活のリズムを整える段階ではサポステ、実際に応募を進める段階では転職サービス、という使い分けを編集部は勧めます。2024年の入職者の65.8%が転職による入職者だったという数字は、入職者の区分の定義と調査の出典で確認できます。空白期間があっても、中途採用の対象から外れるわけではありません。

事業者が国の許可・届出を受けているかは、厚生労働省の人材サービス総合サイトで確認できます。当サイトは、許可・届出を確認できない事業者を扱いません。

編集部が勧める基本構成は、スカウトサービス・大手の転職エージェント・業界や職種に特化したエージェントの3つの併用です。職歴に空白がある場合は、まず大手のエージェント1社に相談し、空白の理由をどう伝えるかを一緒に整理してもらうことを編集部は勧めます。

まだ動かなくていい人もいます

  • 生活のリズムがまだ整っていない人。まずはそちらを優先してください。就職活動は、そのあとで間に合います
  • サポステなど公的な支援窓口を、まだ試していない人。無料で相談できる窓口を先に使っても遅くありません
  • 空白の理由を、まだ一文で説明できない人。無理に応募を急がず、整理する時間を取ってください

よくある質問

Q:高卒でニートでも就職はできますか?

できます。初めて勤務した会社をやめた人の割合はおよそ半数(49.7%)にのぼり、離職そのものは珍しいことではありません(厚生労働省「令和5年若年者雇用実態調査の概況」表16)。空白の理由を一文で説明できるように整理し、サポステなどの公的窓口から相談を始めることを編集部は勧めます。

Q:高卒ニートは何歳までですか?

編集部が確認した範囲では、「ニート」という言葉自体に年齢の上限を定めた法令は見当たりません。近い統計用語である「若年無業者」(総務省統計局「労働力調査」)は15〜34歳を対象としています。公的な支援窓口であるサポステは、15歳から49歳までを対象にしており、34歳を超えても相談できます。

まとめ

  • 「ニート」に法令上の定義は、編集部が確認した範囲では見当たりません。近い統計用語「若年無業者」は、15〜34歳の非労働力人口のうち、家事も通学もしていない人を指します
  • 高卒で初めて勤務した会社を離れた人はおよそ半数(49.7%)で、続けている人(48.1%)とほぼ同じ規模です(令和5年若年者雇用実態調査・表16)
  • 離職理由の1位は「人間関係がよくなかった」(28.0%)で、「仕事が自分に合わない」(21.6%)より高い割合です(同・表17)。本人の能力・意欲だけの問題ではありません
  • 地域若者サポートステーション(サポステ)は、15〜49歳を対象にした無料の公的窓口です。全国179か所にあります
  • 生活のリズムを整える段階ではサポステ、求人を探し始める段階ではハローワーク、応募・選考を本格化する段階では転職エージェントというように、公的窓口とサービスは段階に応じて使い分けられます
  • 編集部が採用側で見てきた範囲では、職歴の空白より、空白の理由を説明できるかどうかで選考の進み方が変わりました

空白の理由を説明することと、次の一歩を決めることは、別々に進めて構いません。まず生活のリズムを整え、サポステなどの公的窓口から相談を始めてください。応募は、そのあとで間に合います。

離職や空白があること自体は、統計で見れば珍しいことではありません。次の一歩は、1つずつで構いません。

※本記事は一般的な情報提供であり、個別の労働条件・制度の適用については、勤務先の就業規則や、都道府県労働局・ハローワークなどの公的窓口へご確認ください。


訂正履歴

  • 2026年10月2日|見出し「まとめ」:「『ニート』に法令上の定義はありません。」を「『ニート』に法令上の定義は、編集部が確認した範囲では見当たりません。」に修正しました。理由:編集部が確認した範囲で見当たらなかったことを、法令上の定義は無い、と断定していました。リード文と本文では「編集部が確認した範囲では」と範囲を限って書いており、まとめでその限定が落ちていました。
  • 2026年10月5日|見出し「結論:『ニート』は法令用語としては見当たらず、対象年齢のある統計用語が近くにあります」:見出しの「結論:『ニート』は法令用語ではなく、対象年齢のある統計用語が近くにあります」を「結論:『ニート』は法令用語としては見当たらず、対象年齢のある統計用語が近くにあります」に修正しました。理由:編集部が確認した範囲で見当たらなかったことを、法令用語ではない、と断定していました。リード文と本文では「編集部が確認した範囲では」と範囲を限って書いており、見出しでその限定が落ちていました。

参考・出典

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