中卒・高卒の転職

「中卒フリーター」からの就職|アルバイト経験を職務経歴にする書き方

中卒フリーターが学歴欄と職務経歴を書き分ける様子を示すイメージ図
コロキャリア編集部

「中卒フリーター」という言葉で検索した方に、先に言っておきたいことがあります。この記事は、その言葉を否定的な意味では使いません。学歴と、いまの働き方の組み合わせを指す言葉として、中身を数字で分解します。

先に結論です。中卒フリーターが最初にやることは、学歴欄をどう書くかを決めることと、アルバイトの経験を職歴として書き出すことの2つです。前職が正社員以外だった転職者のうち、転職先で正社員になっているのは52.6%です(厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」表11)。非正規から正社員という移動は、例外的な成功例ではなく、転職者の半数を超える標準的な移動です。

この記事では、中学新卒・高校中退のどちらの場合にも共通する学歴欄の書き方から、アルバイト経験を職務経歴に翻訳する手順、求人票の見方までを扱います。求人の一覧は載せません。

「高校を中退した」時点で、学歴は中学校卒業になります

結論から書きます。高校に何年間在籍していたかにかかわらず、卒業していなければ、最終学歴は中学校卒業として扱われるのが実務上の一般的な取り扱いです。1年生で辞めても、卒業式の直前に辞めても、学歴欄の扱いは同じです。

文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によれば、高等学校の中途退学者は年間44,571人(令和6年度間・中途退学率1.4%)にのぼります。事由の最多は「進路変更」18,505人(41.5%)で、通信制・定時制・高卒認定への移行を含むため、この人数がそのまま中卒のまま働き始めるわけではありません。残りの58.5%(44,571人から進路変更18,505人を除いた26,066人。編集部算出)は、進路変更以外の理由(学業不振・不登校・経済的な事情など)で中退しており、その時点で次の進路が決まっていない状態のまま中卒になった人が含まれると編集部は考えます(この事由区分にさらに踏み込んだ内訳〈学業不振が何人か等〉までは編集部として確認できていません)。

学歴欄には、次の形で書きます。

状況 学歴欄の書き方
中学校を卒業してそのまま就職した 「◯◯市立◯◯中学校 卒業」
高校に入学後、卒業せずに退学した 「◯◯高等学校 入学」の次の行に「◯◯高等学校 中途退学」

「中退」「高校中退」だけを書かず、「中途退学」と書きます。入社手続きで卒業証明書の提出を求められた場合は、高校の在籍証明書ではなく、中学校の卒業証明書を提出することになるのが一般的な扱いです。在籍していた中学校に発行を申請してください。

高校を何年生で中退しても学歴欄の書き方は同じであることを示す模式図

なお、当サイトは学歴詐称・経歴詐称を一切扱いません。中退の事実を隠すために卒業と偽って書くことは経歴詐称にあたり、発覚したときに失うものが大きすぎます。

アルバイトの経験は、中卒の職務経歴としてそのまま使えます

学歴欄に書けることは少なくても、職歴欄に書けることは、アルバイトの経験の中にすでにあります。学歴と職歴は別の欄で、中途採用で重点的に読まれるのは職歴欄のほうだと編集部は判断しています。

書き出すのは、次の4項目です。

  • 期間(2024年4月〜2026年9月・週5日・1日7時間など)
  • 勤務先の業種と役割(例:飲食店ホールスタッフ、コンビニ販売スタッフ)
  • 任された範囲(発注、シフト作成、新人教育、レジ締めなど)
  • 数字(担当した人数・件数・金額)

この4項目を埋める具体的な書き方は、正社員かどうかを4つの欄で見分ける手順にまとめた高卒フリーター向けの手順と同じ考え方です。中卒・高校中退の場合も、翻訳の型は変わりません。

同じアルバイトの経験でも、職歴欄の書き方しだいで、書類から読み取れることは変わります。「接客をしていました」の1行と、「ピーク時間帯15席の接客を1人で担当し、新人3名の教育を任された」の1行を比べてみてください。後者には、任された範囲と人数が入っています。

非正規のまま働き続けると、待遇差は大企業のほうが大きくなります

「大企業なら非正規でも安心」という考え方は、賃金格差の実際の数字とは逆を向いています。

厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査の概況」によれば、正社員・正職員を100としたときの雇用形態間の賃金格差(男女計)は67.4です。企業規模別に見ると、格差が最も大きいのは大企業の60.7で、産業別では卸売業,小売業の61.3が最大です(同概況の解説文より、逐語)。つまり、正社員との差がいちばん開いているのは、中小企業ではなく大企業なのです。

理由は単純です。大企業ほど正社員の賃金は年功や役職に応じて上がっていきますが、非正規雇用の賃金は勤続年数で上がる設計になっていないため、差が開きやすくなります。「知名度のある会社にアルバイトとして入れば安心」という発想は、この数字の前では成り立ちません。

前職が非正規だった人の52.6%は、転職先で正社員になっています

冒頭で示した数字をもう一度使います。非正規から正社員という移動は、例外的な成功例ではなく、転職者の半数を超える標準的な移動です。

直前の勤め先の就業形態 現在の勤め先が正社員
正社員 82.7%
正社員以外 52.6%

出典:厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」表11(全国の5人以上の常用労働者を雇用する事業所・個人調査5,530人〈回答率55.9%〉、令和2年10月1日現在)。

前職が正社員だった人の82.7%と比べると30.1ポイント低くなりますが(編集部算出)、「非正規から正社員は無理」という前提のほうが、この数字とは合っていません。

留保も書きます。この調査の個人調査の対象は、調査時点で事業所に雇用されている転職者です。つまり転職に成功して在職している人だけが母集団で、転職活動をして就職に至らなかった人は含みません。

52.6%を「非正規から正社員になれる確率」と読ませることはできず、読めるのは「転職できた人の中での行き先の内訳」です。数値の時点も令和2年10月1日現在で、直近の傾向とは異なる可能性があります。

前職の就業形態別に見た、転職先が正社員になった割合(正社員以外は52.6%)

求人票の学歴欄が「不問」でも、確認すべき欄は変わりません

学歴欄の記載の有無にかかわらず、確認すべき法定の欄は同じ4つです。求人を出す側が募集時に明示しなければならない事項は、法律で決まっています。根拠は職業安定法5条の3第1項(見出し「労働条件等の明示」)で、明示事項の中身は同条4項の委任を受けた同法施行規則4条の2第3項です。その一覧は、施行規則の条文を箇条書きにした記事にあります。

このうち、「正社員」の実態を見分けるために先に見るのは、労働契約の期間・試みの使用期間・賃金の額・始業終業の時刻や休日の4つです。この4欄の詳しい判定手順は、上で紹介した記事に譲ります。

アルバイト先で正社員登用の話が出ている場合は、パートタイム・有期雇用労働法13条(通常の労働者への転換)や、労働契約法18条1項の無期転換の制度も関係します。無期転換は正社員になることとは別物です。制度の詳細と、無期転換を待つより求人に応募したほうがよいと編集部が考える理由は、アルバイト先の正社員登用と無期転換の違いにまとめました。

中途採用そのものの規模については、企業が1年間に受け入れる入職者のうち転職入職者が65.8%を占めるという採用側の統計があります。詳しくは中途採用のうち転職入職者が65.8%を占めるという採用側の統計で解説しています。

アルバイトも続けていない、職歴に空白がある場合は、まず空白の理由を一文で説明できる形にすることが先です。空白期間の説明の仕方と、無料で使える公的な窓口は、「ニート」と呼ばれる状態から中卒で動くときの整理にまとめています。

中退直後・アルバイト継続中・退職後の空白期間で、次にやることは変わります

同じ「中卒フリーター」でも、中退直後か、いまのアルバイトを続けているか、辞めて期間が空いているかで、次にやることが変わります。

高校を中退した直後の人

まずは学歴欄の書き方(上記)を確定させてください。中退直後は、アルバイトの経験がまだ薄い時期です。短期間のアルバイトでも、任された範囲を具体的に書き出しておけば、後で職務経歴書を作るときの下書きになります。

アルバイトを続けている人

いまのアルバイトは続けたまま進めてください。収入が続いていれば、条件の悪い1社に焦って決めずに済みます。まずは勤務先の名称・期間・任された範囲をメモに書き出すところから始めてください。

アルバイト先を辞めてから期間が空いている人

空白の長さより、その期間を一文で説明できるかが問われます。療養・家族の事情・資格の勉強など、事実をそのまま短く言えれば足ります。職歴に長い空白がある場合の整理の手順は、別記事で詳しく扱っています。

転職サービスは、中卒でも同じ基準で選べます

当サイトは転職サービスの紹介で収益を得ています。その前提を踏まえたうえで、勧める基準と、登録しなくていい人を書いておきます。

転職エージェント(有料職業紹介)の報酬は、紹介先の企業が支払う成功報酬です。求職者は原則として無料で使えます。書類添削・面接対策・求人情報は読者にとって先払いで提供されるものなので、遠慮なく受け取って構いません。一方で、どの会社に行くか、いつ動くかの判断だけは自分で持ってください。

用語の区別も押さえておきます。転職エージェントは有料職業紹介、求人サイト・スカウトサイトは募集情報等提供で、法律上の位置づけが違います。事業者が国の許可・届出を受けているかは、厚生労働省の人材サービス総合サイトで誰でも確認できます。当サイトは、許可・届出を確認できない事業者を勧めません。

いま登録しなくていいケース

  • アルバイト先で正社員登用の話が具体的に進んでいる人——先にその結果を見てください
  • 学歴欄・職歴欄の書き方がまだ固まっていない人——上のステップが先です。決めずに面談に行くと、話す材料が足りません
  • 在学中で、これから高校に戻るか進路を考えている人——在学中の生徒の就職活動は学校とハローワークを通す仕組みが原則です

急かす表現は使いません。動くタイミングを決めるのは、紹介する当サイトではなく読者自身です。

ここから先は、軸によって判断が分かれます。収入を最優先するなら、いまのアルバイトを続けながら、正社員の求人に応募することを勧めます。待遇差は、動かないより動くほうが縮まりやすいからです。

一方で、早く「正社員」という身分を得ること自体を最優先する人には、雇用形態にこだわらず無期転換の制度も選択肢に入れることを勧めます。ただし無期転換は賃金や仕事の範囲を変えないため、値札そのものを動かしたい場合は求人への応募を先に検討してください。

よくある質問

Q:中卒のフリーターの割合はどれくらいですか?

中学卒業後、ただちにアルバイトなどの非正規で働き始める人は、全体の中でごく少数です。編集部が確認した範囲では、文部科学省の学校基本調査で中学卒業者の大多数が高等学校等に進学していることが示されています。

「中卒フリーター」と呼ばれる人には、中学卒業後すぐにフリーターになった人と、高校に進学した後で中途退学してフリーターになった人がいます。実像の中心は後者だと編集部は考えます(高校の中途退学者は年間44,571人)。学歴別・フリーター限定の公的な割合を示す統計は、編集部が確認した範囲では見当たりません。

Q:中卒フリーターが取得すべき資格はありますか?

特定の資格を先に勧めることはしません。資格そのものが値札(市場価値)を動かすかどうかは、応募したい求人の要件と照らし合わせて初めて判断できるからです。資格を探す前に、まずはアルバイト経験を職務経歴として書き出してください。次に、応募したい求人の応募資格欄を10件ほど並べ、共通して求められている条件を確かめてください。

Q:高校中退フリーターの割合はどれくらいですか?

学歴別・雇用形態別の統計として「高校中退フリーターの割合」を示す公的な数字は、編集部が確認した範囲では見当たりません。近い数字としては、高等学校の中途退学者が年間44,571人(令和6年度間・中途退学率1.4%)という実数があります。このうち進路変更(18,505人・41.5%)を除いた人の一部が、フリーターとして働き始めていると考えられますが、その先の追跡調査は編集部として確認できていません。

Q:「フリーターのまま」と言われる状態から、実際に何が変わりますか?

変わるのは、学歴でも年齢でもなく、応募先を絞り込む前に自分から動いたかどうかです。前職が正社員以外だった転職者のうち52.6%が転職先で正社員になっている、という実績があります(厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」表11)。動かないまま時間が経つこと自体が不利になるわけではありませんが、学歴欄・職歴欄の書き方を先に整えておくと、動くと決めたときにすぐ応募できます。

まとめ

  • 高校を何年生で辞めても、卒業していなければ最終学歴は中学校卒業として扱われるのが一般的です。学歴欄には「◯◯高等学校 中途退学」と正式に書きます
  • アルバイトの経験は職歴です。期間・役割・任された範囲・数字の4項目に書き直すところから始めます
  • 雇用形態間の賃金格差は、大企業のほうが大きい(格差指数60.7)。「大企業なら非正規でも安心」は数字と合いません
  • 前職が非正規だった転職者のうち52.6%は転職先で正社員になっています。非正規から正社員は標準的な移動です
  • 求人票で確認する法定の欄は、学歴欄の記載にかかわらず契約期間・試用期間・賃金・休日の4つです。いまのアルバイト先と比べる項目も同じで構いません

最初にやることは決まっています。アルバイト先(または在学していた学校)の名称・期間・任された範囲を、まず書き出してください。応募はそのあとで間に合います。

※本記事は一般的な情報提供であり、個別の労働条件・制度の適用については、勤務先の就業規則や、都道府県労働局・ハローワークなどの公的窓口へご確認ください。


訂正履歴

  • 2026年10月2日|見出し「求人票の学歴欄が『不問』でも、確認すべき欄は変わりません」:「全9項目は」を「明示する事項は」に修正しました。理由:職業安定法施行規則4条の2第3項が定める、募集時に明示すべき事項の数を誤って記載していました。同項の号は第1号から第9号までですが、第2号に枝番号が2つ(2号の2・2号の3)あるため、事項として数えると11になります(2026年9月24日に編集部がe-Gov法令APIで原文を確認)。明示すべき事項に学歴が入っていない点は変わりません。

参考・出典

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