中卒・高卒の転職

高卒・未経験からのIT転職|産業と職業で分かれる4つの経路

産業を動かすか職業を動かすかで進む道が分かれることを示すイメージ図
コロキャリア編集部

※本記事には広告(プロモーション)を含みます。編集部が転職サービスを勧める基準は編集方針ですべて公開しています。

IT業界に移ることと、ITの職種に就くことは、別の動きです。この記事は2つを分けたうえで、いまの仕事からIT系の職種へ移る経路を4本に分けて比べます。国の統計も、産業の側は「情報通信業」、職業の側は「情報処理・通信技術者」という別の区分で数えられています。

数字を2つ置きます。職業の側の有効求人倍率は1.39倍(令和8年3月・常用〈パートを含む〉)、産業の側の所定内給与は月40万6,000円(2025年6月分・一般労働者の男女計)です。母集団が違うため、足したり引いたりはしません。

この記事では、在学中の高校生の就職活動、高卒認定や進学、公務員試験は扱いません。読者として想定しているのは、すでに働いている、または働いていた中卒・高卒の方です。

結論:「IT業界へ移る」と「ITの職種に就く」は別の動きで、経路は4本に分かれます

動かすものが産業なのか職業なのか、その両方なのかで、見る統計も、入口の広さも変わります。ここが混ざったまま求人を眺めると、比べているつもりで別々のものを並べることになります。

経路 動かすもの いまの仕事からの移り方 確かめる統計
A 社内でIT寄りの職務に移る どちらも動かさない いまの会社で業務システムの運用・情報システムの担当に手を挙げる 公的統計に該当する区分は見当たりません
B 職種を固定して情報通信業へ移る 産業だけ 営業・事務・サポートなどの職種のまま、通信や情報サービスの会社へ移る 産業別の賃金・離職率・労働時間
C 業界を固定して職種をITへ移す 職業だけ いまの業界の会社で、社内SE・運用・ヘルプデスクへ移る 職業別の有効求人倍率
D 産業も職業も動かす 両方 未経験可のIT求人に応募し、IT系の会社にIT系の職種で入る 職業別の有効求人倍率と、入った先の契約の形

編集部の立場を先に置きます。動かす変数が2つになる経路Dは、入口の数だけを見れば最も広い一方で、入ったあとに何が合わなかったのかを切り分けられなくなります。仕事の中身・業界の働き方・会社の3つが同時に変わるためです。

経路Dを否定しているのではなく、順番の話です。BかCで届く範囲を先に確かめてください。

当サイトは、値札(当サイトでは市場価値をこう呼んでいます)を上げるために学歴を取り直すことを勧めていません。経路より前に決める何を最重要視するかという軸の立て方は、親記事にまとめてあります。

産業と職業のどちらを動かすかで4つに分かれる経路の模式図

産業の情報通信業と、職業の情報処理・通信技術者は、別の統計で数えられています

2つは重なってはいますが、同じものではありません。情報通信業は日本標準産業分類の大分類Gで、通信業・放送業・情報サービス業・インターネット附随サービス業・映像音声文字情報制作業の5つを含みます。そこには通信ショップの販売職も、放送局の事務職も入ります。

一方、情報処理・通信技術者は職業の分類です。この職業の人は、製造業の生産管理システムの部署にも、金融業の情報システム部門にもいます。産業がITだから職種もITとは限らず、職種がITだから産業もITとは限りません。経路Bなら産業の統計、経路Cなら職業の統計、経路Dなら両方を見ることになります。

ハローワークの統計が使う「情報処理・通信技術者」は、平成21年12月改定の日本標準職業分類にもとづく1つの中分類です。ソフトウェア開発の職種と、それ以外(運用・ヘルプデスク・ネットワーク・プロジェクト管理など)を分けた集計にはなっていません。この数字を「プログラマーの求人倍率」と読み替えないでください。

職種を固定して業界だけ動かす場合の材料|所定内給与40万6,000円と離職率10.2%

情報通信業は、賃金が16産業の中で高いほうにあり、離職率は産業計より低く出ている産業です。経路Bを検討するなら、賃金・離職率・労働時間の3つを見てください。

項目 情報通信業 調査産業計・16産業計
所定内給与(一般労働者・男女計・2025年6月分) 40万6,000円 34万600円
平均年齢 40.2歳 44.4歳
平均勤続年数 12.3年 12.7年
入職率(2024年) 11.2% 14.8%
離職率(2024年) 10.2% 14.2%
パートタイム労働者比率(2025年) 4.90% 31.31%

出典:所定内給与・平均年齢・平均勤続年数は厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査の概況」第5-1表、入職率・離職率は同「令和6年雇用動向調査結果の概況」表4-2、パートタイム労働者比率は同「毎月勤労統計調査 2025年分結果確報」第3表。いずれも2026年7月26日に編集部が確認した内容として記録されているものを使用しています。

この所定内給与は、全学歴・全年齢の一般労働者の平均であって、高卒に限定した数字ではありません。

離職率の差についても、そのまま読まないでください。情報通信業はパートタイム労働者比率が4.90%と産業計の31.31%より極端に低く、平均年齢も4.2歳若い産業です。非正規が少なく定年退職も少ない産業は、離職率が低く出やすくなります。

入職率11.2%は「入りやすさ」の数字ではありません

入職率は、その年に入職した人が年初の常用労働者数に占める割合です。分母は求職者ではなく、すでに働いている人の数です。応募が何件あって何件採用されたかは、この統計からは分かりません。転職入職率7.4%も同じで、1年間に転職して入ってきた人が年初の常用労働者に占める割合です。

同じ総実労働時間160.5時間でも、所定内144.0時間・所定外16.5時間と中身が違います

情報通信業と調査産業計の総実労働時間は、一般労働者で160.5時間と完全に同じです。ところが内訳が違います。

項目(一般労働者・2025年) 情報通信業 調査産業計
総実労働時間 160.5時間 160.5時間
所定内労働時間 144.0時間 147.3時間
所定外労働時間 16.5時間 13.2時間
出勤日数 18.8日 19.2日

出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025年分結果確報」第2表(2026年7月26日に編集部が確認した内容として記録されているものを使用)。なお内訳の合計(144.0+16.5、147.3+13.2)がいずれも総実労働時間160.5時間に一致することを編集部で検算しました。

読み取れるのは、出勤する日数は少ないのに、1日あたりの時間は長いという形です。裁量労働制やフレックスタイム制と結びつけたくなりますが、制度の導入率を編集部は確認していないため、事実の提示にとどめます。製造の二交替勤務から移るのであれば、総時間ではなく出勤日数と所定外時間のほうを比べてください。

職種のほうを動かす場合の材料|有効求人倍率1.39倍と、就職件数461件

職業側の数字は、水準では求職者に有利な側にありながら、方向は下を向いています。3つの時点で並べます。

情報処理・通信技術者(常用・パートを含む) 令和6年3月 令和7年3月 令和8年3月
有効求人倍率 1.59倍(算出値) 1.61倍 1.39倍
新規求人倍率 — 3.64倍 2.66倍
有効求人数 — 55,423人 50,307人
有効求職者数 — 34,410人 36,127人

出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年3月分及び令和7年度分)」参考統計表7-1(2026年4月28日公表)。令和7年3月分の実数は同「令和7年3月分及び令和6年度分」参考統計表。いずれも2026年7月26日に編集部が確認した内容として記録されているものを使用しています。令和6年3月の1.59倍は、令和7年3月の公表値1.61倍と対前年同月差から逆算した算出値で、公表値ではありません。

編集部で検算しました。50,307÷36,127=1.3925、55,423÷34,410=1.6107で、いずれも公表値と一致します。

倍率が下がった理由は、求人が減ったことだけではありません。令和8年3月は前年同月比で有効求人が9.2%減り、有効求職が5.0%増えています。新規求人は16.3%減、新規求職は14.6%増です。求人と求職が逆方向に動く両面の転換が起きているというのがこの統計から読める形です。

理由はこの統計だけでは分かりません。原因を断定せず、事実として置きます。

ハローワークの有効求人50,307人に対し、就職件数は461件でした

同じ月の実数です。有効求人50,307人・紹介件数6,313件に対して、就職に至った件数は461件でした。有効求人に対する就職件数の比率は0.92%です(編集部の算出)。職業計は就職件数114,632件÷有効求人2,073,013件で5.53%(同)ですから、6分の1ほどの水準です。

ここから言えるのは、この職業の採用は、ハローワークの外側でほとんど決まっているということです。求人倍率を語るときは、この統計がIT系の採用のごく一部しか捉えていないことを添える必要があります。

経路C・Dを選ぶなら、ハローワークだけで探すと見える求人が偏ります。求人サイト・スカウトサービス・エージェントを併用する理由が、ここに数字で出ています。

受理地別と就業地別は、別の数え方です

有効求人倍率には、求人を受け付けた場所で数える系列と、実際に働く場所で数える系列があります(厚生労働省の地域別の図の表題「地域(受理地)別有効求人倍率の推移」と、政府統計の総合窓口〈e-Stat〉の統計表一覧に「都道府県(就業地)別」「都道府県(受理地)別」の表が並んでいることを、2026年9月24日に編集部が確認。e-Statは問いの形を変えて2回照会)。

本記事が使った職業別の数値を就業地別に組み替えた公表表には、編集部は到達できませんでした。探し当てられなかっただけで、無いと確かめたわけではありません。地域別の数値と職業別の数値を、同じ物差しとして並べないでください。

「IT系」でひと括りにしない|職業別の倍率は0.89倍から4.77倍まで分かれています

同じ「IT系」の中で、求人の出方は5倍以上違います。厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)が職業ごとに掲載する有効求人倍率を並べました。

職業(job tagの区分) 有効求人倍率(令和6年度)
ITコンサルタント 0.89倍
プログラマー 0.94倍
ITヘルプデスク 1.79倍
ITシステム設計技術者 2.28倍
システムエンジニア(受託開発・Webサービス開発) 2.57倍
ITシステム運用管理者 2.73倍
通信ネットワーク技術者 3.22倍
システムエンジニア(組込み、IoT) 4.77倍

出典:厚生労働省 job tag 各職業詳細ページ(有効求人倍率は令和6年度のハローワーク求人統計にもとづく旨が各ページに記載)。2026年7月29日に編集部が確認した内容として記録されているものを使用しています。

ここで注意が2つあります。1つは、job tagの平均年収・平均年齢・就業者数が、複数の職業で同じ値を共有していることです。ソフトウェア開発系の6職業はいずれも平均年齢37.1歳・平均年収578.5万円・就業者数389,760人で一致します。

この数値を職業間の年収差の根拠に使えません。個別に集計されているのは有効求人倍率と月額求人賃金だけです。

もう1つは、倍率が高い職業が良い職業とは限らないことです。倍率の高さは、人手が集まりにくいことの裏返しでもあります。採用されやすさの指標であって、賃金や働き方の良さを示すものではありません。

未経験の入口になりやすいと業界内で言われているのは、ヘルプデスクや運用監視の周辺です。ただしこれを裏づける公的統計を、編集部は確認できていません。参考までに、ITヘルプデスクの月額求人賃金28.3万円は、同じ区分群の6職業の中で最も低い水準です(令和6年度・job tag)。

製造の職種の内側で同じ分解をした記事もあります。IT以外の移り先を同じ物差しで比べた記事では、金属加工の職種の中だけで倍率がどこまで開くかを見ています。移り先をIT系に絞る前に、他の選択肢も並べてみてください。

IT系8職業の有効求人倍率を0.89倍から4.77倍まで比較した横棒グラフ

求人50件の見出しを数えました|「未経験」31件・「研修」26件・「学歴」0件

検索条件に「高卒」を入れて出てきた求人でも、一覧に並ぶ見出しに学歴の語は出てきませんでした。2026年9月24日に編集部が、大手転職サイトのエンジニア向け求人検索結果ページ(勤務地=東京都、職種=ITエンジニア、キーワード=「高卒」)の見出し50件を抽出し、語の出現数を数えたものです。

見出しに含まれる語 件数 割合
未経験 31件 62.0%
研修 26件 52.0%
資格 3件 6.0%
学歴・高卒・大卒のいずれか 0件 0.0%

出典:編集部の独自集計。排他的な4区分で検算しました。未経験と研修の両方を含む23件、未経験のみ8件、研修のみ3件、どちらも含まない16件で、合計は50件です。

この集計で数えたのは見出し(一覧に表示されるキャッチコピー)だけで、応募資格欄の記載を1件ずつ確認したものではありません。割合を計算して業界全体に一般化することはしません。1つのサイトの、1つの検索条件の、1時点の結果です。

募集する側が見出しに置いていたのは、学歴ではなく「未経験」と「研修」でした。そして研修の長さは、1か月から3か月までの範囲で見出しに書かれています。

ここから読めるのは、入ってから育てる前提で採用枠が作られているということです。裏を返せば、育てる期間に何をするのか、育てたあとにどこへ配属されるのかが、選考の前に確かめる項目になります。

見出しに出てこない条件は、募集要項の応募資格の欄に書かれています。

見出しではなく応募資格欄のほうを読む手順は、別の記事にまとめてあります。応募資格欄の外側に何が書かれていないかを確かめる手順と本記事の集計を合わせると、見出しで目を引く語と、法律が書かせている欄との距離が分かります。

募集要件を現場と詰める席から見えていたこと

未経験の枠を作るとき、現場と決めていたのは学歴ではなく、入ってから何か月で何ができるようになってほしいかでした。編集部には、Webマーケティングの部署でマネジメントをしながら、採用する側と育てる側の両方に関わってきた者がいます。ここから先は、その席から見えていたことです。

技術職の募集要件を詰める場では、出発点は「いま誰が何に手が回っていないか」でした。そこから逆算して入社後に任せたいことを決め、応募資格の欄に何を書くかは最後でした。学歴の行は、先に決まっていた条件ではありませんでした。

これは1つの職場で起きていたことで、他社に当てはめられる性質のものではありません。数字としては扱いません。それでも使える点が1つあります。「いま何に手が回っていないのか」を面接で聞くと、その求人が本当に育てる前提なのかが見えてきます。

入った先が客先常駐になるとき、確かめるのは指揮命令の位置です

誰の指示で働くのかは、契約の名前ではなく実態で決まります。IT系では、自社ではなく取引先の事業所で働く形(客先常駐)が広く使われており、未経験の入口になる求人にも含まれます。

職業安定法施行規則4条2項は、労働者を提供して他人の指揮命令を受けて働かせる者について、次のように定めています。

労働者を提供しこれを他人の指揮命令を受けて労働に従事させる者(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号。以下「労働者派遣法」という。)第二条第三号に規定する労働者派遣事業を行う者を除く。)は、たとえその契約の形式が請負契約であつても、次の各号の全てに該当する場合を除き、法第四条第八項の規定による労働者供給の事業を行う者とする。

(引用:職業安定法施行規則4条2項の柱書/2026年9月24日にe-Gov法令APIのv2・v1の2経路で取得し、文面が一致することを確認。同条は全6項)

各号は4つです。1号は作業の完成について事業主としての財政上・法律上のすべての責任です。2号は作業に従事する労働者の指揮監督、3号は使用者として法律に規定されたすべての義務です。4号は、自ら提供する機械・設備・器材や材料を使うか、企画または専門的な技術・経験を必要とする作業を行うもので、単に肉体的な労働力を提供するものでないことです。

注意が2つあります。1つは、この項が文言として名指ししているのは「請負契約」の形式である点です。もう1つは、同条1項が募集情報等提供の定義の規定で、区分の基準は2項だという点です。

IT系で広く使われている準委任契約への当てはめを、当サイトは断定しません。契約の名前ではなく実態で判断するという考え方が条文に現れている例として読んでください。

個別の求人が適法かどうかを当サイトで判定することはできません。応募の段階で確認できるのは、就業する場所と、日々の指示を誰から受けるかの2点です。面接でこの2つを聞き、答えが曖昧ならその理由も記録しておいてください。

取引の階層が下がるほど、条件が不利になりやすいという調査があります

公正取引委員会は令和4年6月に「ソフトウェア業の下請取引等に関する実態調査報告書」を公表しています。資本金3億円以下のソフトウェア業事業者21,000社に調査し、4,739社から回答を得たものです。取引上の立場は、元請40.4%・中間下請38.2%・最終下請21.3%に分かれていました。

同じ調査では、商流に形式的に関与するだけで実際には業務を行わない事業者の存在を「感じたことがある」という回答がありました。中間下請で29.2%、最終下請で33.5%です。

出典:公正取引委員会「ソフトウェア業の下請取引等に関する実態調査報告書」(令和4年6月公表)14〜15ページ。2026年7月29日に編集部がPDF本文で確認した内容として記録されているものを使用しています。

この数字は、客先常駐という働き方そのものを否定するものではありません。読み取るべきは、同じ「常駐」でも、取引の階層のどこに自分がいるかで条件が変わりうるという構造のほうです。

IT系の職業に学歴の条件を置いた法令は、編集部が探した範囲では見当たりません

探した範囲を先に書きます。編集部が2026年9月24日に当たったのは、情報処理技術者試験の根拠法である情報処理の促進に関する法律と、常駐の形を規律する職業安定法施行規則の2つです。この範囲では、IT系の職業に就くこと自体を学歴で制限する規定は見当たりませんでした。

「見当たらなかった」のであって、「存在しない」と確かめたわけではありません。

試験の根拠条文は次のとおりです。

経済産業大臣は、情報処理に関する業務を行う者の技術の向上に資するため、情報処理に関して必要な知識及び技能について情報処理技術者試験を行う。

(引用:情報処理の促進に関する法律26条1項/2026年9月24日にe-Gov法令APIのv2・v1の2経路で取得し、文面が一致することを確認。同条は見出しがなく全4項)

読み取れるのは、この試験が「技術の向上に資するため」に行われるものだということです。条文が挙げている目的はそれで、就業の可否を決めるという書き方はされていません。

では誰が条件を決めているのか。求人を出した会社です。応募資格の欄に学歴の行を置くかどうかは、募集する側に委ねられています。前の見出しで数えた50件に学歴の語が1件も出てこなかったのも、その裏返しです。

国が決めた条件は交渉できませんが、会社が決めた条件は会社ごとに違います。IT系の職種を検討するなら、探す範囲を広げたほうが合理的です。

職業の側から同じ問いを立てた記事もあります。営業や事務と並んでITエンジニアを置いた層では、免許が要る職業とそうでない職業を条文の文末の言い回しで分けています。本記事が扱うのは、そこから先の「では誰が条件を決めているのか」の側だけです。

学ぶ手段は独学・公的職業訓練・民間の講座の3つ|編集部は名前を挙げて勧めません

3つのうちどれが良いかを、当サイトは順位づけしません。理由を書きます。

当サイトは、転職サービスを紹介する基準を編集方針で公開しており、その基準を満たすと確認できた事業者しか記事に出しません。学習サービスについては、基準を満たす事業者を編集部はまだ1社も確定していません。名前を挙げることも、受講料が回収できると書くこともしません。

事実の整理までは書けます。

  • 独学——費用は教材代のみ。進み方は自分で管理します
  • 公的職業訓練——国と都道府県が職業訓練を行うことは、職業能力開発促進法15条の7が定めています(2026年9月24日にe-Gov法令APIで編集部が取得。同条は全4項で、見出しは「国及び都道府県の行う職業訓練等」)。コースの内容・期間・受講料・給付金の要件は制度と時期で変わるため、金額は書きません。いまの条件はハローワークの窓口で確認してください
  • 民間の講座——料金も内容も事業者ごとに違います。教育訓練給付の対象になる講座もありますが、対象かどうかも給付の割合も講座ごとに変わるため、ここでも金額を書きません

順番について1つだけ書きます。学ぶ手段を先に決めるより、経路AからDのどれを取るかを先に決めるほうが、学ぶ内容が絞れます。経路Aなら自社の業務システムの周辺、経路Cならいまの業界の業務知識と組み合わせられる範囲、と対象が変わるからです。

4本の経路を、動かす変数の数で並べ直す

動かす変数が少ないほど、合わなかったときに戻せる場所がはっきりします。最初に確かめることの順で並べ直します。

経路 動かす変数 最初に確かめること
A 社内でIT寄りの職務へ 0個 社内公募の制度と、業務システムの保守の担当
C 業界を固定して職種をITへ 1個(職業) 同じ業界の社内SE・運用の求人の応募資格
B 職種を固定して情報通信業へ 1個(産業) 所定外労働16.5時間・出勤18.8日と現職の比較
D 産業も職業も動かす 2個 就業する場所と、日々の指示を誰から受けるか

優先するものが違えば、勧める経路も変わります。

入ったあとに原因を切り分けられることを優先するなら、変数が1つ以下のAかCから当たってください。

入口の広さを優先するなら、Dです。未経験可の求人が最も多いのもここです。ただし研修の期間と配属先、就業する場所と指示を出す相手の4点は、応募の前に確かめてください。確認できない求人を、当サイトは勧めません。

本記事は高等学校を卒業している読者を前提にしています。最終学歴が中学校卒業の場合は、応募できる枠の数そのものが変わります。

応募資格の欄に置かれた学歴の1行をどう読むかは、中学校卒業の学歴でIT系の職種を目指す場合の前提にまとめてあります。中学校卒業の学歴で応募できる枠がどこに残るのかを、条文の側から整理した記事です。

いまの職種の経験が長い場合は、完全に別の職種へ飛ぶ前に検討する順番があります。隣接する職種から先に当たるという順番の話にまとめてあります。年齢の側の条件が気になる場合は、30代に入ってから職種を変えるときに効いてくる年齢の条件もあわせて確認してください。

転職サービスの使い方と、当サイトに入る紹介料

お金の流れを先に開きます。この記事から転職サービスの申し込みが成立すると、当サイトは紹介料を受け取ります。この構造を隠したまま「中立です」と書くことはしません。

読者の側に費用は発生しません。人を採る会社がエージェントに手数料を払う仕組みだからです。転職エージェントは法律上の有料職業紹介にあたり、求職者から手数料を取ることは職業安定法32条の3第2項で原則として禁止されています。例外は同法施行規則20条2項に限られており、個別の求人が例外に当たるかまで当サイトでは判定できないため、費用の有無は事業者の案内で確認してください。

この構造から、使い方が決まります。

  • 求人の情報、応募書類の直し、面接の練習、相場の見立ては、こちらが料金を負担せずに使える範囲です
  • 一方で、担当者の助言には報酬の出どころが影響します。経路をどれにするかは、助言を聞いたうえで自分で決めてください
  • 担当者から届く一覧は、市場に出ている求人の全部ではありません。手数料の取り決めがある会社の分だけが並びます

経路Dなら、未経験の受け入れ実績がある総合型のエージェントから当たるほうが選考の対策を受けやすくなります。経路B・Cなら、いまの職種や業界に詳しい特化型のほうが経験を職務経歴書に翻訳しやすい、というのが編集部の見方です。スカウトサービスは、登録して値札を測るだけでも使えます。

名前を挙げる前に、編集部は厚生労働省の人材サービス総合サイトで許可・届出を照合します。照合できない事業者は記事に出しません。

申し込む日を当サイトが指定することはしません。動く時期は読者の側の事情で決まるものです。

登録を後回しにできる3つの場合

次のどれかに当てはまるなら、先に社内と手元を一周するほうが早くなります。

  • いまの会社に情報システムの担当や業務システムの保守の役割があり、社内公募や異動の仕組みがある人——経路Aは応募も退職もせずに試せます
  • いまの業界の業務知識が5年以上積み上がっている人——経路Cのほうが経験を持ち込めます。いまの業界の会社が出している社内SEの応募資格を1件読んでみてください
  • IT系のどの職種に行きたいかがまだ決まっていない人——本記事の8職業の倍率表から、気になる職業を先に絞ってください

よくある質問

Q:高卒でもITエンジニアになれる?

なれます。IT系の職業に就くこと自体を学歴で制限する法令は、編集部が当たった範囲では確認できませんでした。条件を置いているのは求人を出す会社の側です。ただし「なれるか」と「どこから入るか」は別の問いで、本記事は後者を4本の経路に分けて扱っています。

Q:高卒でITのエンジニアになると年収はいくらですか?

学歴とIT系の職業を掛け合わせた公的な年収の統計に、編集部は到達できていません。近い数字は産業の情報通信業の所定内給与40万6,000円(2025年6月分・一般労働者の男女計)ですが、全学歴・全年齢の平均で、高卒に限定した値ではありません。職業情報提供サイトの平均年収は、複数の職業が同じ値を共有しているため、職業間の差の根拠には使えません。

Q:高卒でIT関係の職種は?

本記事では職種を序列化しません。有効求人倍率は職業によって0.89倍から4.77倍まで開いています(令和6年度・job tag)。いまの経験を持ち込めるか、入ってからの研修の期間と配属先が確認できるか、の2点で絞ってください。

Q:高卒でIT系の仕事は何がいいですか?

「何が」より先に「どの経路で」を決めるほうが、選ぶ範囲が絞れると編集部は考えます。社内で移るのか、業界だけ変えるのか、職種だけ変えるのか、両方変えるのか。経路が決まると、見る求人の種類も、確かめる統計も決まります。

Q:高卒でも入れるIT企業はどこですか?

当サイトは特定企業の募集を並べません。代わりに手順を渡します。応募資格の欄に学歴の行があるかどうかを1社ずつ確認し、行がある場合はどの区分まで開いているかを見てください。

まとめ

  • IT業界に移ること(産業)と、ITの職種に就くこと(職業)は別の動きです。国の統計も「情報通信業」と「情報処理・通信技術者」に分かれています
  • 経路は動かす変数の数で4本に分かれます。変数が2つになる経路Dは入口が最も広い一方、入ったあとに原因を切り分けられなくなります
  • 産業側の材料は、所定内給与40万6,000円・離職率10.2%・所定外労働16.5時間・出勤18.8日(時点は本文の各表のとおり)
  • 職業側の材料は、有効求人倍率1.39倍(令和8年3月)。有効求人50,307人に対し就職件数は461件で、この職業の採用はハローワークの外側でほとんど決まっています
  • 「IT系」の内側で倍率は0.89倍から4.77倍まで分かれます。ひと括りにしないでください
  • 求人の見出し50件に学歴の語は0件、「未経験」は31件、「研修」は26件でした(2026年9月24日・編集部の独自集計)
  • IT系の職業に学歴の条件を置いた法令は、編集部が探した範囲では見当たりませんでした。条件を決めているのは求人を出した会社です

最初の材料は、求人票ではなく自分の職場にあります。いま毎日触っている業務システムの名前を1つ書き出してください。4本のどの経路でも、そこが出発点です。

※本記事は一般的な情報提供であり、個別の労働条件・制度の適用については、勤務先の就業規則や、都道府県労働局・ハローワークなどの公的窓口へご確認ください。


参考・出典

  • e-Gov法令検索「情報処理の促進に関する法律」(昭和45年法律第90号。情報処理技術者試験の実施根拠=26条1項・全4項・見出しなし。2026年9月24日に法令API v2 https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/345AC0000000090?elm=Article_26 と v1 https://laws.e-gov.go.jp/api/1/articles;lawId=345AC0000000090;article=26 の2経路で取得し、第1項の文面が一致することを編集部が確認): https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000090
  • e-Gov法令検索「職業安定法施行規則」(請負契約の形式でも4号すべてに該当しない場合は労働者供給の事業を行う者とする=4条2項・柱書と1〜4号。同条は全6項。2026年9月24日に法令API v2 https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/322M40002000012?elm=Article_4 と v1 https://laws.e-gov.go.jp/api/1/articles;lawId=322M40002000012;article=4 の2経路で取得し、柱書と各号の文面が一致することを編集部が確認): https://laws.e-gov.go.jp/law/322M40002000012
  • e-Gov法令検索「職業能力開発促進法」(国及び都道府県の行う職業訓練等=15条の7・全4項。2026年9月24日に法令API v2 https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/344AC0000000064?elm=Article_15_7 で編集部が取得): https://laws.e-gov.go.jp/law/344AC0000000064
  • e-Gov法令検索「職業安定法」(求職者からの手数料徴収の原則禁止=32条の3第2項): https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141
  • 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年3月分及び令和7年度分)」参考統計表(情報処理・通信技術者の有効求人倍率1.39倍・有効求人50,307人・有効求職36,127人・紹介件数6,313件・就職件数461件。2026年4月28日公表): https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/001695527.pdf (公表ページ: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_72811.html )
  • 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年3月分及び令和6年度分)」参考統計表(令和7年3月の実数): https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/001479029.pdf
  • 厚生労働省 job tag(職業情報提供サイト)各職業詳細ページ(ITコンサルタント・プログラマー・ITヘルプデスク・ITシステム設計技術者・システムエンジニア各種・ITシステム運用管理者・通信ネットワーク技術者の有効求人倍率〈令和6年度〉と月額求人賃金): https://shigoto.mhlw.go.jp/
  • 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査の概況」第5-1表(産業別・情報通信業の所定内給与40万6,000円・平均年齢40.2歳・平均勤続12.3年。2026年3月24日公表・数値は2025年6月分): https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2025/dl/14.pdf
  • 厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」表4-2・付属統計表(情報通信業の入職率11.2%・転職入職率7.4%・離職率10.2%。2025年8月26日公表): https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/25-2/dl/gaikyou.pdf
  • 厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025年分結果確報」第2表・第3表(情報通信業の総実労働時間160.5時間・所定内144.0時間・所定外16.5時間・出勤18.8日、パートタイム労働者比率4.90%。2026年2月25日公表): https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r07/25cr/25cr.html
  • 公正取引委員会「ソフトウェア業の下請取引等に関する実態調査報告書」(令和4年6月公表。元請40.4%・中間下請38.2%・最終下請21.3%、中抜き事業者の存在を感じたことがある割合): https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2022/jun/220629_sw_03.pdf
  • 厚生労働省「令和6年版 労働経済の分析」コラム2-4-②図「地域(受理地)別有効求人倍率の推移」(図の表題に「受理地」が明示されていることを2026年9月24日に編集部が確認): https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/roudou/24/backdata/column02-04-02.html
  • 政府統計の総合窓口(e-Stat)「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」統計表一覧(「都道府県〈就業地〉別」と「都道府県〈受理地〉別」の表が別々に存在することを2026年9月24日に編集部が2回照会して確認): https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00450222&tstat=000001020327
  • マイナビ転職エンジニア求人サーチ「東京都/ITエンジニア/『高卒』を含む求人」(2026年9月24日に編集部が求人の見出し50件を抽出し、語の出現数を集計した対象ページ): https://tenshoku.mynavi.jp/shutoken/list/p13/o16/kw%E9%AB%98%E5%8D%92/
  • 厚生労働省「人材サービス総合サイト」(有料職業紹介・募集情報等提供事業者の許可・届出の確認): https://jinzai.hellowork.mhlw.go.jp/
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