中卒・高卒の転職

高卒1年目の転職|雇用保険の12か月と6か月で変わる判断

入社1年目で転職を考えながら給与明細を確認する高卒の若者のイメージ図
コロキャリア編集部

※本記事には広告(プロモーション)を含みます。編集部が転職サービスを勧める基準は編集方針ですべて公開しています。

高校を卒業して入った会社を1年未満で離れるとき、手元のお金が最初に動くのは、次の職場の給料ではなく雇用保険の受給資格のほうです。基本手当(いわゆる失業手当)は、離職の日以前2年間に被保険者期間が通算して12か月以上あることが原則です(雇用保険法13条1項)。この12か月が6か月に読み替えられるのは、特定受給資格者と特定理由離職者にあたる場合だけです(同条2項)。

この記事が扱うのは、高校を卒業して就職し、いまの会社での在職期間がまだ1年に満たない人だけです。2年目以降の年次は扱いません。辞めるか残るかを一般論で決める代わりに、在籍した月数によって制度の側で何が分かれるのかを、条文と公的統計で並べます。

結論:1年未満で辞める判断は、雇用保険の「12か月」と「6か月」のどちらに乗るかで変わります

基本手当を受け取れるかどうかは、勤めた期間の長さそのものではなく、離職の理由がどちらの枠に入るかで決まります。在籍12か月に届いていなくても、特定受給資格者または特定理由離職者にあたると判断されれば、必要な被保険者期間は6か月になります(雇用保険法13条2項)。

逆に、そのどちらにも当たらない自己都合の離職では、12か月に届いていない限り基本手当は出ません。在籍11か月と13か月では、同じ「早期離職」でも受け取れる金額がまるごと変わります。

この記事では、次の順で分岐を整理します。まず離職率の実数で現在地を確認し、次に受給資格の条文、被保険者期間の数え方、待期と給付制限の順に降ります。そのうえで、辞めさせる側と辞める側で根拠になる法律が違うことを示し、最後に書類の書き方と3つの分岐を置きます。

高校卒が入社1年目に離職する割合は17.9%です(令和4年3月卒)

新規高卒就職者が就職して1年目に離職した割合は17.9%でした(令和4年3月卒)。この記事で使う離職率は、この1つの数字だけです。厚生労働省が令和7年10月24日に公表した「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」の別紙2に載っている値です(資料出所=厚生労働省職業安定局集計。2026年9月24日に編集部が別紙2の原本を開いて確認)。

同じ別紙には2年目・3年目の値と、中学卒・短大卒・大学卒の値も載っています。ただし本記事はそこへ降りません。在籍1年未満という区切りに必要なのは1年目の値だけで、年次の推移や学歴の比べ方は別の主題だからです。なお同資料は、合計の離職率が四捨五入の関係で1年目・2年目・3年目の合計と一致しないことがある、と注記しています。

2年目・3年目まで含めた推移と、大学卒との比べ方は本記事では扱いません。1年目・2年目・3年目に分けた離職率を学歴ごとに並べた記事に内訳の表があります。

基本手当の受給資格は、離職前2年間に被保険者期間が通算12か月以上です(雇用保険法13条1項)

条文は「勤続1年」ではなく「被保険者期間が通算して十二箇月以上」と書いています。この言い方の違いが、あとで効いてきます。

基本手当は、被保険者が失業した場合において、離職の日以前二年間(当該期間に疾病、負傷その他厚生労働省令で定める理由により引き続き三十日以上賃金の支払を受けることができなかつた被保険者については、当該理由により賃金の支払を受けることができなかつた日数を二年に加算した期間(その期間が四年を超えるときは、四年間)。第十七条第一項において「算定対象期間」という。)に、次条の規定による被保険者期間が通算して十二箇月以上であつたときに、この款の定めるところにより、支給する。

(引用:雇用保険法〈昭和49年法律第116号〉13条1項/2026年9月24日に編集部がe-Gov法令APIで原文を確認)

読者向けの説明も同じです。厚生労働省の「ハローワークインターネットサービス」は、受給要件を「離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上あること」と説明しています。条文と行政の説明は、ここでは一致しています。

ポイントは「通算」です。同じ会社で続けて働いた期間だけを数えるのではなく、前の職場の被保険者期間も、要件を満たせば合算できます。高校を卒業してから1社しか経験していない場合は、合算する相手がいません。ただし、在学中のアルバイトで雇用保険に入っていた人は、この点をハローワークで確かめる価値があります。

基本手当の受給資格を原則12か月と例外6か月の2本の帯で比べた模式図

「被保険者期間1か月」は、暦の1か月ではありません(雇用保険法14条1項)

賃金の支払の基礎になった日数が11日以上ある月だけが、1か月として数えられます。欠勤や休業が多い月は、在籍していても1か月として計算されないことがあります。

条文は、被保険者でなくなった日から1か月ずつさかのぼって各期間を区切ります。そのうち賃金の支払の基礎となった日数が11日以上のものだけを1か月として計算すると定めています(雇用保険法14条1項)。さらに同項にはただし書があります。最初の区切りまでの期間が15日以上あり、賃金支払基礎日数も11日以上あるときは、その期間を2分の1か月として計算します。

日数で足りない場合の受け皿もあります。同条3項は、計算した被保険者期間が12か月(読み替えが適用される場合は6か月)に満たないときの数え直しを置いています。この場合は「賃金の支払の基礎となつた時間数が八十時間以上」の月も1か月として数えます(2026年9月24日に編集部がe-Gov法令APIで原文を確認)。シフト制で出勤日数が少ない働き方をしていた場合、この3項で救われることがあります。

つまり「1年働いたから12か月ある」とは限りません。入社した月から数えて、賃金の支払の基礎になった日数が11日以上あった月がいくつあるかを、給与明細で数えるのが確実です。

賃金支払基礎日数11日以上の月だけを数えて被保険者期間を求める仕組みの模式図

特定受給資格者と特定理由離職者は、6か月で足ります(雇用保険法13条2項・3項)

この2つに当たると、算定の期間が2年間から1年間に、必要な被保険者期間が12か月から6か月に読み替えられます。条文は、13条1項の「二年間」を「一年間」、「二年に」を「一年に」、「十二箇月」を「六箇月」と読み替える形で書かれています(同13条2項)。

特定受給資格者は、倒産や解雇などで離職した人を指します。その範囲は雇用保険法23条2項と同法施行規則36条にあります。特定理由離職者は13条3項が定義しており、省令の側(雇用保険法施行規則19条の2)が具体的な理由を2つ挙げています。

区分 根拠の条 中身
特定受給資格者 雇用保険法23条2項/同法施行規則36条 倒産・事業の縮小廃止によるもの、解雇その他省令で定める理由によるもの
特定理由離職者(1) 同法13条3項/同法施行規則19条の2第一号 期間の定めのある労働契約の期間が満了し、更新を希望したのに更新の合意が成立しなかったこと
特定理由離職者(2) 同法13条3項/同法施行規則19条の2第二号 法33条1項の正当な理由(=正当な理由のある自己都合による離職)

出典:e-Gov法令検索 雇用保険法・同法施行規則。施行規則19条の2の柱書は「法第十三条第三項の厚生労働省令で定める者は、次のいずれかの理由により離職した者とする。」で、号は2つです(2026年9月24日に編集部が原文を確認)。

「正当な理由のある自己都合」の中身は、厚生労働省の「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」が類型を挙げています。編集部が2026年9月24日に同ページで確認した範囲では、次の6つが並んでいました。

  • 体力の不足、心身の障害などによるもの
  • 妊娠・出産・育児などによるもの
  • 父母の死亡・疾病などによる扶養のため
  • 配偶者や扶養すべき親族との別居を続けることが困難になったこと
  • 通勤が不可能または困難になったこと
  • 希望退職者の募集に応じたこと

どの区分に当たるかを判断するのはハローワークで、当サイトでは判定できません。離職票に記載された事業主側の離職理由と、本人の申し立ての両方をもとに判断されます。在籍1年未満で離職を考えるなら、この区分に当たる可能性を、辞める前に窓口で確かめてください。

自己都合で辞めると、7日の待期のあとに給付制限が入ります(雇用保険法21条・33条1項)

受給資格があっても、振り込みが始まるまでには待期と給付制限の2段があります。まず待期です。雇用保険法21条(見出し「待期」・単項)は、離職後に最初に公共職業安定所へ求職の申込みをした日を起点に置いています。そこから失業している日が通算して7日に満たない間は、基本手当は支給されません。

次に給付制限です。正当な理由がなく自己の都合によって退職した場合、条文は次のように定めています。

被保険者が自己の責めに帰すべき重大な理由によつて解雇され、又は正当な理由がなく自己の都合によつて退職した場合には、第二十一条の規定による期間の満了後一箇月以上三箇月以内の間で公共職業安定所長の定める期間は、基本手当を支給しない。

(引用:雇用保険法33条1項本文/2026年9月24日に編集部がe-Gov法令APIで原文を確認)

期間の長さは、法律では1か月以上3か月以内という幅で書かれています。実際に何か月になるかは、公共職業安定所長が定めます。そしてこの運用は最近変わりました。厚生労働省の職業安定分科会雇用保険部会(第197回・令和6年8月27日)資料1は、2025(令和7)年4月1日の施行分として次のように記載しています。

通達の改正により、原則の給付制限期間を2ヶ月から1ヶ月へ短縮する。ただし、5年間で3回以上の自己都合離職の場合には給付制限期間を3ヶ月とする。

(引用:厚生労働省 職業安定分科会雇用保険部会〈第197回〉資料1・3ページ/2026年9月24日に編集部が原本を確認)

同資料は、離職期間中や離職日前1年以内に自ら教育訓練を受けた場合には給付制限が解除されることも併せて示しています。

この2段を足すと、受給資格がある自己都合の離職でも、手当が入るまでに1か月以上の無収入期間が生まれます。在籍1年未満の読者は貯えが厚くないことが多いため、ここは辞める時期を決めるときの実際的な制約になります。

離職から基本手当の支給までに待期7日と給付制限が入る流れを示した模式図

辞めさせる側には30日、辞める側には2週間|日数の根拠は別の法律にあります

同じ「辞める」でも、会社から言われる場合と自分から言う場合とで、根拠になる法律が違います。ここを混ぜると、試用期間中の扱いを誤って読むことになります。

会社側から解雇する場合は、労働基準法20条1項が少なくとも30日前の予告か、30日分以上の平均賃金の支払いを求めています。そして試用期間中の人は、この20条の適用から外れています。労働基準法21条は、20条の規定を適用しない労働者として4つを挙げており、その第四号が「試の使用期間中の者」です。

ただし、同条にはただし書があります。

但し、第一号に該当する者が一箇月を超えて引き続き使用されるに至つた場合、第二号若しくは第三号に該当する者が所定の期間を超えて引き続き使用されるに至つた場合又は第四号に該当する者が十四日を超えて引き続き使用されるに至つた場合においては、この限りでない。

(引用:労働基準法〈昭和22年法律第49号〉21条ただし書/2026年9月24日に編集部がe-Gov法令APIで原文を確認。同条に条見出しは付いていません)

14日を超えて働いた時点で、試用期間中であっても解雇予告の規定は戻ってきます。「試用期間だから明日から来なくていい」という扱いが当然に通るわけではない、ということです。

自分から辞める側は、根拠が民法にあります。民法627条1項(見出し「期間の定めのない雇用の解約の申入れ」)は、期間を定めなかった雇用について、各当事者がいつでも解約の申入れをできるとしています。そして雇用は、申入れの日から2週間を経過することによって終了します。

就業規則が「退職は1か月前までに申し出ること」としている場合に、どちらが優先するのか。編集部が2026年9月24日に確認した範囲では、この優先関係を正面から定めた条文は見当たりませんでした。実務上は就業規則に沿って申し出るほうが引き継ぎの調整が進めやすく、編集部もそちらを勧めます。

申し出ても受け取ってもらえない状態が続く場合の相談先もあります。厚生労働省は「総合労働相談コーナー」を、各都道府県労働局と全国の労働基準監督署内など378か所に設置しています。解雇・雇止め・いじめ・嫌がらせなどあらゆる分野の労働問題が対象で、予約は不要、利用は無料です(2026年9月24日に編集部が同省の案内ページを確認)。

在籍1年未満の職歴を、書類のどこにどう書くか

在籍が短い人の職務経歴に、実績を書こうとしなくて構いません。ここからは統計ではなく、採用側で書類を読んできた経験として書きます。編集部の運営メンバーは、事業会社の中途採用で書類選考と面接を担当してきました。

その範囲での実感です。在籍1年未満の書類で読み手が困るのは、期間が短いことそのものより、「この人が何をどこまでできるのか」が1行も書かれていないときでした。成果の数字を出せる在籍期間ではないので、無理に実績らしく書こうとすると、かえって中身が薄くなります。

編集部が勧める書き方は3つです。順番も、この順にしてください。

  1. 担当した工程の名前を書く——「製造」ではなく「◯◯の組立工程のうち、部品の取り付けと外観検査」のように、工程の名前まで降ろす
  2. ひとりでできるようになった作業の数を書く——教わりながらの段階なのか、単独で回せる段階なのかが、読む側の知りたいところです
  3. まだ任されていない範囲を書く——できないことを先に書いても不利にはなりません。むしろ、任せる側が育成の見通しを立てやすくなります

これは一事業会社での経験であり、業界・企業規模・職種によって事情は異なります。統計として一般化はできません。それでも、短い在籍期間を隠すよりも、その期間に何がどこまで進んだかを書いたほうが読まれた、という傾向は繰り返し見てきました。

なお、職歴を書かない・在籍期間を偽るといった手口を、当サイトは記事にしません(→経歴詐称を扱わないという運営者の宣言)。

高校を卒業してから3年以内であれば、新卒の採用枠に応募できる場合もあります。その枠の根拠と使い方は卒業後3年以内なら新卒枠に応募できる場合があるという扱いを整理した記事にまとめました。中途の枠だけが選択肢ではない、という点は押さえておいてください。

収入・心身・説明のしやすさ|3つのうちどれを先に置くかで動き方が変わります

辞めるか残るかを一般論で決めることはできませんが、何を先に置くかを決めれば、次にやることは決まります。編集部の判断を、優先したいものの順に書きます。

収入が途切れない状態を守るなら、在職のまま応募することを勧めます。ここまで見てきたとおり、在籍1年未満の自己都合の離職では基本手当の受給資格が無いことが多く、あっても待期7日と給付制限を挟みます。無収入の期間を自分で埋められる見込みが無いなら、辞める順番を先にしない、というのが編集部の立場です。

心身の消耗を止めることを先に置くなら、受給資格の有無を待たずに離れる側に倒してください。編集部は、改善の見込みが示されないまま在籍の月数を稼ぐことを勧めません。ハラスメントを受けている場合や、健康を削る長時間労働が常態化している場合は、なおさらです。その場合も、離職の理由が特定受給資格者・特定理由離職者の区分に当たる可能性があるため、辞める前にハローワークで確認してください。

次の選考での説明のしやすさを重く見るなら、退職日を決める前に、被保険者期間が何か月あるかを数えてください。数えたうえで節目の月を選ぶのは、手続き上の判断です。ただしこれは「節目まで我慢する」という意味ではありません。上の2つ目に当たる状況なら、節目より先に離れる側が優先します。

現職と比べるべき項目も、この3つに対応させて整理できます。手取りの月額、休日と実際の労働時間、そして職場で消耗しているかどうか。この3点は求人票の記載だけでは判断できないため、応募前に面接で確認する項目にしてください。

状況が近い記事もあります。辞めたあとに働いていない期間を挟む可能性があるなら、働くことに悩みを抱える人向けの公的な相談窓口をまとめた記事を先に読んでおくと、無料で使える窓口が分かります。数年働いてから動く場合に統計の区分が変わる地点は、22歳を過ぎてから動く場合に何が変わるかを書いた記事で扱っています。

退職日を決める前に、転職サービスで相場だけ先に測る

当サイトは転職サービスの紹介で収益を得ています。先にお金の流れを書いたうえで、使わなくていい場合も続けて書きます。

転職エージェント(有料職業紹介)の報酬は、紹介先の企業が支払う成功報酬です。求職者は原則として無料で使えます。この構造から言えることは2つあります。

求人情報・書類の添削・面接対策・相場のフィードバックは先払いで提供されるので、遠慮なく受け取って構いません。一方で、どの会社に行くか、いつ動くかの判断には報酬構造の影響が乗ります。そこだけは自分で持ってください。

在籍1年未満の段階では、応募より先に「いまの自分にどの求人が回ってくるか」を見るだけでも意味があります。回ってくる求人の条件と、いまの給与明細を並べれば、辞める価値があるかどうかの材料になります。登録を急がせる書き方はしません。動く時期を決めるのは読者で、紹介する側ではないからです。

紹介事業者が国の許可や届出を得ているかどうかは、厚生労働省の人材サービス総合サイトで誰でも調べられます。許可・届出を確認できない事業者は、当サイトの紹介対象から外しています。

転職サービスを使わなくていい場合

全員に勧めるサービスは、誰のためのものでもありません。次に当てはまる場合は、いま登録しなくて構いません。

  • 入社してまだ数か月で、担当している作業が1つ目から増えていない場合。職務経歴として書ける材料がそろってから測っても遅くありません
  • 上司や先輩に相談していない場合。配置や工程の変更で解決する不満かどうかは、相談しないと分かりません
  • いまの職場の条件に、労働時間・休日の面で不満が無い場合。手取りだけを理由に動くなら、先に社内で交渉する余地があります

3つ目に触れておきます。測った市場価値は、転職しない場合でも使えます。辞めずに社内で条件を交渉する材料にもなるという考え方は、当サイトのピラー記事で扱っています。

入社2年目以降と、辞めたあとの状況は別の記事で扱います

この記事は在職1年未満という区切りだけを扱いました。同じ早期離職でも、在籍の月数が変われば制度上の扱いも、選考での読まれ方も変わります。

2年目以降の年次については本記事では触れていません。辞めたあとに働いていない期間が長くなった場合や、アルバイトを挟んだ場合も、それぞれ別の主題です。該当しそうな場合は、コロキャリアの状況別の記事をあわせて確認してください。

2年目に入ったあとは、同じ「早期離職」でも見られ方が変わります。入社2年目から5年目までを年次順にまとめた記事で、年次ごとに分けて書いています。

よくある質問

Q:新卒で半年で退職したら失業手当はもらえますか?

原則としては受け取れません。基本手当は、離職の日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上あることが要件だからです(雇用保険法13条1項)。ただし、特定受給資格者または特定理由離職者にあたると判断された場合は、離職の日以前1年間に通算6か月以上で足ります(同条2項)。

どちらに当たるかを判断するのはハローワークです。離職票を持って窓口で確認してください。

Q:会社を半年で退職できますか?

期間の定めのない雇用であれば、いつでも解約の申入れができます。民法627条1項により、雇用は申入れの日から2週間を経過することによって終了します。就業規則が1か月前までの申し出を求めている場合は、引き継ぎの調整がしやすいため、まずはその期日に沿って申し出ることを編集部は勧めます。

Q:半年で退職するのは迷惑ですか?

迷惑かどうかは、当サイトでは判定しません。編集部が書けるのは制度の側だけです。退職の申入れには民法627条1項という根拠があり、申入れから2週間で雇用は終了します。

実務としては、担当している工程と、引き継ぎに必要な手順を書き出して渡すところまでをやれば十分だと編集部は考えます。在籍の長さで判断の正しさが決まるわけではありません。

Q:入社1年目で退職する人はどれくらいいますか?

新規高卒就職者のうち17.9%です(令和4年3月卒。厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」別紙2。令和7年10月24日公表)。同じ資料には学歴別・年次別の内訳も載っていますが、本記事では1年目の値だけを使っています。

まとめ

  • 基本手当は、離職の日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上あることが原則です(雇用保険法13条1項)。特定受給資格者・特定理由離職者にあたる場合だけ、1年間に通算6か月以上へ読み替えられます(同条2項・3項、同法施行規則19条の2)
  • 被保険者期間の1か月は暦の1か月ではありません。賃金の支払の基礎になった日数が11日以上ある月だけを数えます(同14条1項)。12か月または6か月に満たない場合は、賃金支払基礎時間数80時間以上でも数え直せます(同14条3項)
  • 受給資格があっても、待期7日(同21条)と給付制限(同33条1項・法律上は1か月以上3か月以内)を挟みます。2025年4月1日以降の離職は、通達の改正により原則1か月です(厚生労働省 職業安定分科会雇用保険部会 第197回 資料1)
  • 試用期間中でも、14日を超えて働いていれば解雇予告の規定は適用されます(労働基準法21条4号・ただし書)。自分から辞める側の根拠は民法627条1項で、申入れから2週間です
  • 新規高卒就職者が1年目に離職する割合は17.9%です(令和4年3月卒)

編集部の判断を、優先したいものの順に書きます。収入が途切れない状態を守るなら、在職のまま応募してください。心身の消耗を止めることを先に置くなら、受給資格の有無を待たずに離れてください。次の選考での説明のしやすさを重く見るなら、退職日を決める前に被保険者期間を数えてください。

辞める・辞めないを決める前に、数えられるものが1つあります。入社した月から今月までのうち、賃金の支払の基礎になった日数が11日以上あった月がいくつあるか。給与明細を並べれば、今日のうちに数え終わります。

※本記事は一般的な情報提供であり、個別の労働条件・制度の適用については、勤務先の就業規則や、ハローワーク・都道府県労働局などの公的窓口へご確認ください。


参考・出典

  • e-Gov法令検索「雇用保険法」(昭和49年法律第116号。受給資格=13条1項/読み替え=13条2項/特定理由離職者の定義=13条3項/被保険者期間=14条1項・3項/待期=21条/給付制限=33条1項。2026年9月24日に法令API v2 ?elm=Article_13 ?elm=Article_14 ?elm=Article_21 ?elm=Article_33 で原文を確認): https://laws.e-gov.go.jp/law/349AC0000000116
  • e-Gov法令検索「雇用保険法施行規則」(昭和50年労働省令第3号。法13条3項の厚生労働省令で定める者=19条の2第一号・第二号。2026年9月24日に法令API v2 ?elm=Article_19_2 で原文を確認): https://laws.e-gov.go.jp/law/350M50002000003
  • e-Gov法令検索「労働基準法」(昭和22年法律第49号。解雇の予告=20条1項/適用除外と14日のただし書=21条4号。2026年9月24日に法令API v2 ?elm=Article_20 ?elm=Article_21 で原文を確認): https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049
  • e-Gov法令検索「民法」(明治29年法律第89号。期間の定めのない雇用の解約の申入れ=627条1項。2026年9月24日に法令API v2 ?elm=Article_627 で原文を確認): https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
  • 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」(各都道府県労働局・全国の労働基準監督署内など378か所に設置/予約不要・無料/あらゆる分野の労働問題が対象。2026年9月24日に編集部が確認): https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html
  • 厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)を公表します」(令和7年10月24日公表。報道発表本文): https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00010.html
  • 厚生労働省「新規高卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」別紙2(新規高卒就職者の1年目の離職率17.9%。資料出所=厚生労働省職業安定局集計。2026年9月24日に編集部が原本を開いて確認): https://www.mhlw.go.jp/content/11805001/001318972.pdf
  • 厚生労働省 ハローワークインターネットサービス「基本手当について」(受給要件=離職の日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上/特定受給資格者・特定理由離職者は1年間に6か月以上でも可): https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_basicbenefit.html
  • 厚生労働省 ハローワークインターネットサービス「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」(正当な理由のある自己都合による離職の類型): https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_range.html
  • 厚生労働省 職業安定分科会雇用保険部会(第197回)資料1「令和6年雇用保険制度改正(令和7年4月1日施行分)について」(令和6年8月27日。給付制限期間の原則を通達の改正により2か月から1か月へ短縮・5年間で3回以上の自己都合離職は3か月・教育訓練による解除。3ページ): https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/001293213.pdf
  • 厚生労働省「人材サービス総合サイト」(有料職業紹介・募集情報等提供事業者の許可・届出の確認): https://jinzai.hellowork.mhlw.go.jp/
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