学歴の悩み

高卒と大卒の違い|賃金の差が開く時期を年齢階級で追う

自分の給与明細と学歴別・年齢階級別の賃金表を並べて現在地を確かめているイメージ
コロキャリア編集部

※本記事には広告(プロモーション)を含みます。編集部が転職サービスを勧める基準は編集方針ですべて公開しています。

高卒と大卒の違いを調べると、初任給と生涯賃金の比較がまず出てきます。この記事は、その違いを「いくら違うか」ではなく「いつ違ってくるか」で並べ直します。先に、この記事が使う2つの数字を出します。新規学卒者の初任給の差は月55,000円、高校卒と大学卒の賃金の差が最大になるのは55〜59歳で月197,000円です(厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査の概況」第10表・第3表。いずれも男女計、差は編集部算出)。

読者として想定しているのは、中卒・高卒で今働いている人と、働いていた人です。在学中の方と、進学するかどうかを決める前の方には向いていません。

進学・高卒認定・通信制高校の話は書きません。公務員試験の対策と日程も扱いません。当サイトが扱うのは、いま働いている場所から先の話です。読み終わると、自分の給与明細を年齢階級の表のどこに置けばいいかが分かります。

結論:入口の差は55,000円、55〜59歳の差は197,000円です

入口で開いている差は、社会に出た直後よりも、40代から50代にかけて大きくなります。そして60代に入ると縮みます。まず、この記事で確認した数字の一覧です。

確認したこと 数値 出典
新規学卒者の初任給の差(高校卒と大学卒) 月55,000円 賃金構造基本統計調査 第10表(差は編集部算出)
20〜24歳の賃金の差 月38,700円 同 第3表(差は編集部算出)
55〜59歳の賃金の差(最大) 月197,000円 同 第3表(差は編集部算出)
60〜64歳の賃金の差 月133,500円 同 第3表(差は編集部算出)
新規学卒就職者の3年以内離職率(高卒/大卒) 37.9%/33.8% 新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒)
従業員1,000人以上の事業所の3年以内離職率(高卒/大卒) 26.3%/27.0% 同上
課長級と非役職者の賃金の差 月218,700円 賃金構造基本統計調査 第8表(差は編集部算出)

いずれも2026年9月24日に編集部が原典を開いて確認したものです。原典は千円単位で公表されており、本記事では円に換算して示しています。

ここから編集部が読み取ったことは3つです。

  • 差は「入口で開いて、そのまま」ではありません。20代のあいだはほとんど動かず、30代から加速し、50代後半で最大になり、60代で縮みます(20〜24歳から55〜59歳で約5.1倍。編集部算出)
  • 辞める割合の学歴差は4.1ポイントしかありません。しかも1年目を過ぎると、2年目・3年目は大学卒のほうが高くなります
  • 同じ調査の中に、学歴差より大きい差が別の軸にあります。役職が1段違うだけで、55〜59歳の学歴差を上回る差が付いています
高校卒と大学卒の年齢階級別賃金の2本の折れ線と、その差が55〜59歳で最大になり60代で縮む形を示したグラフ

この記事が使う「賃金」の中身も先に書きます。同調査の「賃金」は、2025年6月分として支払われた所定内給与額の平均で、時間外・深夜・休日出勤・宿日直・交替の各手当を差し引いた額です(同概況「主な用語の定義」。2026年9月24日に編集部が原典で確認)。残業代と賞与は入っていません。

差が動き出すのは30〜34歳です|5歳階級ごとの増え方を計算しました

20代のあいだ、差はほとんど動きません。20〜24歳で38,700円だった差は、25〜29歳でも44,700円で、5年かけて6,000円しか広がっていません。動き出すのは30〜34歳からです。

年齢階級 高校卒 大学卒 差 前の階級からの増え方
20〜24歳 225,200円 263,900円 38,700円 —
25〜29歳 251,700円 296,400円 44,700円 +6,000円
30〜34歳 276,200円 340,300円 64,100円 +19,400円
35〜39歳 296,600円 382,200円 85,600円 +21,500円
40〜44歳 309,000円 425,300円 116,300円 +30,700円
45〜49歳 322,200円 458,400円 136,200円 +19,900円
50〜54歳 335,100円 494,900円 159,800円 +23,600円
55〜59歳 332,100円 529,100円 197,000円 +37,200円
60〜64歳 286,700円 420,200円 133,500円 −63,500円
65〜69歳 250,900円 367,500円 116,600円 −16,900円

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査の概況」(3)学歴別にみた賃金・第3表「学歴、性、年齢階級別賃金及び対前年増減率」(一般労働者・男女計・2025年6月分の所定内給与額)。差の列と増え方の列は、同表の値から編集部が算出しました。

増え方の列だけを見ると、この記事の主題がはっきりします。25〜29歳の+6,000円に対して、55〜59歳は+37,200円と、開く速さが6倍以上になりました。20〜24歳から55〜59歳までの増え方を全部足すと158,300円で、両端の差197,000円から38,700円を引いた額と一致します(編集部算出)。

なお、統計によって学歴の区分名が違います。賃金構造基本統計調査は「高校」「大学」、後で使う新規学卒就職者の離職状況は「新規高卒就職者」「新規大卒就職者」です。本記事はそれぞれの原典の呼び方に合わせ、読者を指す箇所だけ「高卒」「大卒」と書きます。

20代で差が動かないのは、4年ぶんの昇給が乗っているからです

初任給の差は55,000円で、20〜24歳の差38,700円より大きくなっています。高校卒の初任給は207,300円、大学卒は262,300円です(同概況 第10表・男女計。差は編集部算出)。

理由は年齢のずれにあります。18歳で就職した場合、高校卒の20〜24歳という階級は働き始めて3年目から7年目にあたります。22歳で就職した大学卒なら、同じ階級は1年目から3年目です(いずれも編集部の目安)。高校卒は初任給から20〜24歳の平均まで17,900円上がっているのに対し、大学卒は1,600円しか上がっていません(編集部算出)。

ただし、55,000円と38,700円を引き算することはしません。第10表は新規学卒者だけを取り出した集計、第3表は一般労働者全体を年齢で割った集計で、対象者が違うためです。別々の集計なので、2つを並べて形を見るところまでにします。

30代以降に本当は何が起きているのかは、この記事の後半で役職のデータを使って扱います。30代の5年ごとの中身は30代を前半と後半に割って賃金差を追った記事で別に分解しました。差がまだ小さい時期については学歴差が小さいうちの年代を統計の刻みで扱った記事にまとめてあります。

197,000円がピークです|60〜64歳では133,500円まで戻ります

差は開き続けるわけではありません。55〜59歳の197,000円が最大で、60〜64歳では133,500円、65〜69歳では116,600円に縮みます(同 第3表。差は編集部算出)。

縮む理由は、両方の下がり方が違うことにあります。

  • 高校卒:55〜59歳332,100円 → 60〜64歳286,700円。45,400円の減少(13.7%減)
  • 大学卒:55〜59歳529,100円 → 60〜64歳420,200円。108,900円の減少(20.6%減)

減少額と減少率はいずれも編集部算出です。高い位置まで上がった側のほうが、落ちる幅も大きくなっています。

ここは「年収が逆転する」という意味ではありません。60〜64歳でも大学卒のほうが133,500円高く、順序そのものは全年齢階級で変わっていません。変わるのは差の大きさだけです。

学歴による賃金の差が55〜59歳で最大になり、60代で縮むことを示した棒グラフ

入口の差は男性36,300円・女性45,800円|差の形は男女で違います

入口の差は女性のほうが大きく、中年期の差は男性のほうが大きくなっています。同じ第3表を男女別に読み直すと、差のカーブは2本に分かれます。

年齢階級 男・高校卒 男・大学卒 男・差 女・高校卒 女・大学卒 女・差
20〜24歳 231,100円 267,400円 36,300円 214,600円 260,400円 45,800円
35〜39歳 315,900円 405,900円 90,000円 248,500円 332,400円 83,900円
40〜44歳 336,300円 452,800円 116,500円 246,800円 363,700円 116,900円
50〜54歳 371,700円 528,800円 157,100円 263,600円 386,300円 122,700円
55〜59歳 367,400円 556,300円 188,900円 261,000円 416,200円 155,200円

出典:同 第3表(男・女)。5つの年齢階級を抜き出したものです。差の列は編集部算出で、太字は各系列のピークを指します。

読み取れることを3つ書きます。

  1. 入口では女性のほうが差が大きい。20〜24歳の差は男性36,300円、女性45,800円です
  2. 中年期では男性のほうが差が大きい。55〜59歳の差は男性188,900円、女性155,200円です
  3. 女性の高校卒の賃金は、途中で一度下がります。35〜39歳の248,500円から40〜44歳の246,800円へ1,700円下がっており、年齢とともに単調に上がる形にはなっていません

3を書き落とすと、女性の側のカーブを実際より滑らかに見せることになります。本記事は、図でもこの形を均さない指示にしてあります。

3年以内離職率は高卒37.9%・大卒33.8%|差がつくのは1年目だけです

辞める割合の学歴差は4.1ポイントで、賃金の差ほど大きくありません。令和4年3月卒の就職後3年以内離職率は、中学54.1%、高校37.9%、短大等44.5%、大学33.8%です(厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」令和7年10月24日公表。学歴差は編集部算出)。

学歴 1年目 2年目 3年目 3年以内の合計
中学 32.9% 13.0% 8.1% 54.1%
高校 17.9% 11.5% 8.5% 37.9%
短大等 19.3% 13.7% 11.5% 44.5%
大学 12.1% 11.9% 9.9% 33.8%

出典:同 別紙1・別紙2。同資料は「合計の離職率は、四捨五入の関係で1年目、2年目、3年目の離職率の合計と一致しないことがある」と注記しています。本記事では内訳を足し合わせた数字を作っていません。

内訳に割ると、学歴の差が出ているのは1年目だけだと分かります。

  • 1年目:高校17.9%、大学12.1%で、高校のほうが5.8ポイント高い
  • 2年目:高校11.5%、大学11.9%で、大学のほうが0.4ポイント高い
  • 3年目:高校8.5%、大学9.9%で、大学のほうが1.4ポイント高い

いずれも編集部算出です。入社してからの経過年数が同じになると、辞める割合の学歴差はほぼ消えます。「高卒は続かない」という言い方は、1年目の数字だけを3年分に引き伸ばしたものだと編集部は考えます。

中学卒の54.1%は母数が小さく、平均そのものより分岐の中身が重要です。その読み方は中学卒の3年以内離職率54.1%を母数から読み直した記事で扱いました。

従業員1,000人以上では高卒26.3%・大卒27.0%|規模のほうが9倍大きく効きます

同じ離職率の表を事業所規模で割り直すと、学歴の差より規模の差のほうがはるかに大きく出ます。そして500人以上の事業所では、高校卒のほうが低くなります。

事業所規模 高校 大学 差(高校−大学)
5人未満 63.2% 57.5% +5.7ポイント
5〜29人 54.6% 52.0% +2.6ポイント
30〜99人 45.2% 41.9% +3.3ポイント
100〜499人 36.7% 33.9% +2.8ポイント
500〜999人 29.9% 31.5% −1.6ポイント
1,000人以上 26.3% 27.0% −0.7ポイント
調査産業計 37.9% 33.8% +4.1ポイント

出典:同 別紙2・別紙3。差の列は編集部算出。

規模による開きを計算します。高校卒は5人未満の63.2%から1,000人以上の26.3%まで36.9ポイント、大学卒は57.5%から27.0%まで30.5ポイントの開きがあります(編集部算出)。調査産業計で見た学歴の差は4.1ポイントですから、規模による開きは学歴による差のおよそ9.0倍です(編集部算出)。

ただし、この9.0倍という数字を「学歴は9分の1しか関係ない」と読み替えることはしません。学歴別の離職率と規模別の離職率は、同じ母集団を別の軸で切った数字で、それぞれ別の要因が混ざっています。2つを1つの尺度に合算することもしません。言えるのは、同じ表の中で、学歴より大きく動く軸が確かに存在するということだけです。

そして、どの規模の会社に応募するかは、学歴と違って今日から変えられます。従業員1,000人以上の会社に高卒の入口があるかどうかは、従業員1,000人以上の会社の応募資格を実際に開いて確かめた記事で1社ずつ確認しました。規模で絞ったうえで実際にどう探すかは、高卒で応募できる求人の探し方をまとめた記事に手順を置いています。会社の規模は応募先を選ぶ段階で確認できる数少ない情報です。

事業所規模別の3年以内離職率で、500人以上では高校卒のほうが低くなることを示した棒グラフ

課長級529,200円と非役職者310,500円|役職1段の差は学歴差より大きい

同じ調査の中に、55〜59歳の学歴差197,000円より大きい差が、別の軸で存在しています。役職の軸です。

役職の表を出す前に、第3表の一番下の行も見ておきます。高校卒の平均年齢は46.8歳・平均勤続年数は14.2年、大学卒は41.8歳・12.2年です(同 第3表・男女計)。高校卒のほうが5.0歳上で、同じ会社に2.0年長くいる計算になります(編集部算出)。勤続年数の長さは、それ自体では有利にも不利にもなりません。

役職 賃金 平均年齢 平均勤続年数 非役職者=100とした指数
部長級 635,800円 53.1歳 22.6年 204.8
課長級 529,200円 49.5歳 20.9年 170.4
係長級 399,200円 45.4歳 17.5年 128.6
非役職者 310,500円 41.8歳 10.8年 100.0

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査の概況」(8)役職別にみた賃金・第8表「役職、性別賃金、対前年増減率及び役職・非役職間賃金格差」(一般労働者のうち雇用期間の定めのない者・男女計)。指数は同表の公表値です。

課長級と非役職者の差は218,700円です(編集部算出)。55〜59歳の学歴差197,000円より21,700円大きくなっています。

この2つの数字を足したり引いたりはしません。学歴別の表は一般労働者全体を年齢で割ったもの、役職別の表は雇用期間の定めのない者を役職で割ったもので、母集団が重なっているうえに切り方が違います。並べて大きさの桁を見るところまでにします。

そのうえで、編集部が注目しているのは金額ではなく年齢のほうです。課長級の平均年齢は49.5歳、部長級は53.1歳でした。学歴差が最大になる55〜59歳という年齢帯と、役職に就く年齢が重なっています。そして非役職者の平均勤続年数は10.8年、課長級は20.9年です。

35歳を境に、書類の読み方が変わりました

ここから先は、公的統計ではなく、選考する側にいたときの見え方です。編集部には、一般企業で中途の書類選考と面接を担当していた者がいます。

その席で感じていたのは、応募者の年齢が上がるほど、学歴欄を見る時間が短くなっていくということです。20代の書類では、学歴欄と職歴の期間を続けて見ていました。一方、35歳を超えた応募者の書類で先に探していたのは、直近5年で何人を見たか、どこまでの決裁を持っていたかのほうです。学歴欄に視線が戻ることはほとんどありませんでした。

見てきたのは1社ぶんの選考であり、業界や企業規模が変われば事情も変わります。数字として一般化するつもりはありません。それでも、書類の中で学歴欄が効く時間には終わりがあるという感覚は、上の役職別の表と矛盾しないと考えています。書類選考で実際に何が読まれているかは、書類選考で実際に読まれている欄を採用側の視点で書いた記事でも扱いました。

編集部の見方:197,000円は学歴の値段ではなく、20年動かなかったことの値段です

ここからは編集部の判断です。月197,000円という差が、高校卒と大学卒の能力の差だとは考えていません。

根拠は2つあります。1つ目は、差が入口ではなく途中で開くことです。20代のうちは6,000円しか動かず、30代から加速します。学歴そのものが原因なら、差は最初から大きく、その後は一定のはずです。

2つ目は、同じ調査の中で役職1段の差が学歴差を上回ることです。そして役職に就く平均年齢(49.5歳・53.1歳)は、学歴差が最大になる年齢帯と重なっています。

編集部は、197,000円の中身を「学歴で分かれた初期配置のまま、20年以上その場所に置かれ続けたこと」の合計だと見ています。どの業界の、どの職種で、どこまでの仕事を任される場所に置かれたか。それが20年積み上がった結果が、55〜59歳の197,000円という形で出ている、という見方です。この調査は差の理由まで示していないため、これは統計の結論ではなく編集部の解釈です。

だからこそ、当サイトは学歴を取り直すことを勧めません。学歴を書き換えても、変わるのは入口の初期値だけです。初期配置を動かさなければ、取り直した学歴のまま同じカーブに乗ります。197,000円をつくったのが「動かなかった年数」の側なら、手を入れるべきは年数の使い方のほうです。

学歴を取り直さずに動かせるのは、職種ではなく身を置く業界です

学歴を書き換えるより先に、いまの職種を持ったまま業界を選び直すほうが早い——これが編集部の立場です。職種を変えると実務経験がリセットされますが、業界だけを変えるなら経験を持ち込めます。

進め方は3つです。

  1. いまの職種名を、求人サイトの職種分類の言葉に置き換える。「現場のライン作業」なら「製造オペレーター」「生産設備オペレーター」のように、検索に乗る名前へ翻訳します
  2. 同じ職種名のまま、いまと違う業界の求人を10件並べる。賃金額と応募資格を横に並べ、現職との差を出します
  3. 応募先の事業所規模を、応募の前に確認する。本記事の離職率の表が示すとおり、規模は学歴より大きく動く軸です

そのうえで、年齢と学歴では制度上の扱いが違う点も押さえておくと、求人の読み方が変わります。詳しくは年齢と学歴で法律の扱いが違うことを条文で確かめた記事にまとめました。

業界を選び直すときに、受験に学歴の条件が付かない資格が手がかりになることがあります。どの資格に学歴の条件が付かないかは学歴の条件が付かない資格を整理した記事で条文まで確認しました。

職種そのものを選び直す場合は、学歴ではなく資格の有無で道が分かれる職業があります。看護師と介護福祉士で禁じられていることの違いを、職業ごとに確かめた記事が別にあります。

手元に資格を持たないまま選考に進む場合は、職業経験・訓練経験を重く見た42.3%の事業所という数字から準備を考えてください。資格の有無とは別に、選考で読まれる欄があります。

アルバイトを続けている中卒の人は、職種の翻訳の前に職務経歴の書き出しから始めるほうが早く進みます。書き出す中身は期間から数字までの4つを埋める型にあります。

なお本記事は差の側だけを扱っており、高卒の年収そのものの額には踏み込んでいません。額を確かめたい場合は高卒の平均年収を額そのもので確かめた記事をご覧ください。

転職サービスは、差を測る道具として使う

この記事にも広告が入っています。読者が転職サービスに登録すると、当サイトに収益が入る仕組みです。だから、勧める基準と、使わなくていい場合を先に書きます。

まず、報酬の出どころです。エージェントの手数料は、採用が決まった時点で紹介先の企業から支払われます。求職者は原則として手数料を負担しないため、書類の添削も面接の対策も、費用をかけずに受け取れます。

ただし、そこで並ぶ求人は世の中の求人ではありません。そのエージェントが契約を持っている会社のぶんだけです。どこへ行くかの判断まで預けないことを勧めます。

呼び名の違いも押さえておくと役に立ちます。転職エージェントは有料職業紹介、転職サイト・スカウトサイトは募集情報等提供にあたり、法律上の扱いが別です。許可・届出の有無は厚生労働省の人材サービス総合サイトで誰でも調べられます。番号を突き合わせられない事業者は、当サイトの紹介対象に入れていません。

先に測るだけでいい人

登録が要るかどうかは、状況で変わります。次に当てはまる場合、いま登録する必要はありません。

  • 現職の賃金が、本記事の年齢階級の表で自分の階級より明確に上で、労働時間と休日にも不満がない場合
  • 半年以内に役職や異動の話が具体的に進んでいる場合(本記事の役職別の表のとおり、1段の差は大きく、結果を見てから測っても遅くありません)
  • 何を最優先にするかが決まっていない場合(この場合も、表に自分の給与明細を当てる作業だけは先に済ませてください)

登録の時期を当サイトが決めることはしません。決めるのは読者の側です。

よくある質問

Q:高卒と大卒どっちが稼げる?

全年齢階級で大学卒のほうが高く、その差は年齢で大きく変わります。20〜24歳では月38,700円、55〜59歳では月197,000円、60〜64歳では月133,500円です(令和7年賃金構造基本統計調査の概況 第3表・男女計。差は編集部算出)。平均の話であり、個人の額を決めるものではありません。この記事の後半で見るとおり、同じ調査の中には学歴より大きく動く軸があります。

Q:大卒と高卒の月給はどれくらい違う?

2つの数字があります。新規学卒者の初任給で比べると月55,000円(高校卒207,300円・大学卒262,300円)、20〜24歳の平均で比べると月38,700円です(同概況 第10表・第3表。差はいずれも編集部算出)。前者は新規学卒者だけの集計、後者は一般労働者を年齢で割った集計で、対象者が違います。2つを引き算した数字は作れません。

Q:高卒と大卒では年収は逆転しますか?

編集部が確認した範囲では、賃金の平均が逆転する年齢階級は見当たりません。〜19歳から65〜69歳までのどの階級でも、大学卒のほうが高くなっています(同 第3表)。ただし差は一定ではなく、55〜59歳の197,000円を最大に、60〜64歳では133,500円まで縮みます。縮む理由は、55〜59歳から60〜64歳にかけての減少が大学卒で20.6%、高校卒で13.7%と、上がっていた側のほうが大きく下がるためです(編集部算出)。

Q:なぜ大卒は高卒よりも給料が高いのでしょうか?

この調査は理由を示していないため、断定はできません。編集部が手がかりにしているのは、差が20代ではほとんど動かず30代から加速することです。加えて、第8表では課長級と非役職者の差が218,700円あり、その課長級の平均年齢は49.5歳でした。学歴そのものより、役職に就くまでの経路の違いが金額に出ている、というのが編集部の見方です(母集団の切り方が違うため、2つの数字は並べるだけにとどめています)。

Q:高卒と大卒の20代の年収は?

月額の平均で答えます。20〜24歳は高校卒225,200円・大学卒263,900円、25〜29歳は高校卒251,700円・大学卒296,400円です(同 第3表・男女計)。年収の形では出しません。この調査の「賃金」は6月分の所定内給与額の平均で、賞与と残業代を含まないため、12倍しても年収にはならないからです。

Q:地方公務員の給料は高卒と大卒でどのくらい違いますか?

自治体ごとに条例で決まるため、全国共通の一本の額はありません。国家公務員の側は人事院勧告で学歴区分ごとの初任給が示されており、その中身と、自分の自治体の額にたどり着く手順は学歴で入口が2本に分かれる給料表を扱った記事にまとめました。試験の日程と対策は当サイトでは扱いません。

Q:高卒と大卒では人間性に違いはありますか?

編集部が確認した範囲では、人間性の違いを学歴で説明する公的なデータは見当たりません。持っていないものについて、当サイトは意見を書きません。この記事で扱っているのは賃金・離職率・役職という、公的統計で測れる範囲だけです。「大卒だから」「高卒だから」という形の人物評価を、編集部は記事の中で使いません。

まとめ

  • 高卒と大卒の賃金の差は、入口ではなく途中で開きます。20〜24歳の38,700円から55〜59歳の197,000円まで、約5.1倍に広がります(令和7年賃金構造基本統計調査の概況 第3表。差と倍率は編集部算出)
  • 20代のあいだ、差はほとんど動きません。25〜29歳までの5年で広がるのは6,000円だけで、加速するのは30〜34歳からです
  • 差は開き続けません。55〜59歳の197,000円がピークで、60〜64歳には133,500円まで縮みます。上がっていた側のほうが下げ幅が大きいためです
  • 3年以内離職率の学歴差は4.1ポイント(高校37.9%・大学33.8%)。内訳に割ると差が出るのは1年目だけで、2年目・3年目は大学卒のほうが高くなります
  • 同じ離職率の表を事業所規模で割ると、高校卒で36.9ポイントの開きが出ます。学歴差4.1ポイントのおよそ9.0倍です。500人以上の事業所では、高校卒のほうが離職率が低くなります
  • 同じ調査の第8表では、課長級と非役職者の差が218,700円で、55〜59歳の学歴差を上回ります。課長級の平均年齢は49.5歳です

軸を2つに分けて、編集部の立場を書きます。収入の伸びを最優先するなら、職種を持ったまま業界と事業所規模を選び直すことを勧めます。本記事の表で動いている軸は、学歴ではなくそちらだからです。

一方、いまの職場での働きやすさを最優先するなら、当サイトは動くことを積極的には勧めません。規模の大きい会社ほど離職率は低く出ますが、離職率の低さは働きやすさそのものではありません。人間関係や通勤の条件は、この記事のどの表にも表れないためです。

応募する前に確認しておくことは、本記事の範囲では3つです。応募先の事業所規模、同じ職種の求人10件の賃金額、そして現職の直近3年の昇給額。現職と比べるべきは、この3つと自分の給与明細です。サービスを使う場合は、スカウトサービス1社で相場を定点観測し、そのうえでエージェントに在庫との照合と裏取りをさせる形が、編集部の基本の勧め方です。

動くかどうかを決める前に、位置だけ確かめてください。残業代と賞与を除いた月額を、本記事の年齢階級の表の自分の行に重ねる。そこまでは、動く気がなくても今日できます。

※本記事は公的統計に基づく一般的な情報で、数値は2026年9月時点で確認したものです。賃金構造基本統計調査と新規学卒就職者の離職状況は、いずれも毎年公表されます。最新の数値は厚生労働省の公表資料をご確認ください。

※個別の賃金・労働条件・制度の適用については、勤務先の就業規則や、都道府県労働局・ハローワークなどの公的機関へご確認ください。


参考・出典

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