中卒・高卒の転職

高卒の転職で年収アップ?賃金が増えた人40.8%・減った人31.0%

転職の前に、いまの賃金の1割がいくらかをメモ用紙で計算しているイメージ
コロキャリア編集部

※本記事には広告(プロモーション)を含みます。編集部が転職サービスを勧める基準は編集方針ですべて公開しています。

転職した人のうち、前の勤め先より賃金が増えたのは40.8%、減ったのは31.0%です。厚生労働省「令和7(2025)年雇用動向調査結果の概況」の表6にある数字で、転職した本人の回答を集計したものです(2026年8月31日公表)。増えた人のほうが多い一方で、3割は減った側にいます。

表6が数えているのは金額ではなく、前の賃金と比べて何割動いたかという刻みです。1割以上動いた人は増えた側と減った側を合わせて50.1%で(編集部算出)、動いた人の多くは小さな幅では動いていません。この記事では、その分布を読んだうえで、自分がどの刻みに入りそうかを動く前に見積もる手順まで書きます。

数字は全学歴・全産業の計で、高卒に限った集計ではありません。賃金の額(相場)は扱わず、在学中の就職活動・進学・公務員試験も対象の外に置いています。

結論:賃金が増えたのは40.8%、減ったのは31.0%でした

上がった人のほうが多く、それでも3割の人は下がっています。表6の計の行を、増加・変わらない・減少と不詳に分けると次のとおりです。

前の勤め先と比べた賃金 令和7(2025)年
増加 40.8%
変わらない 25.5%
減少 31.0%
不詳(編集部算出) 2.7%
増加−減少 9.8ポイント

出典:厚生労働省「令和7(2025)年雇用動向調査結果の概況」表6(15ページ)。表の注2は、計に賃金変動状況の不詳を含むと断っています。不詳の2.7%は、計100.0から3つの割合を引いて編集部が算出しました。

増えた人は減った人を9.8ポイント上回っています。ただしこれは、1年間に転職した人をまとめた割合です。1人の転職がどちらに転ぶかを、この差から言い当てることはできません。

この記事は、上がった人の割合だけを並べる書き方をしません。読者が自分の側を見積もるには、下がった人の割合も同じ大きさで要るからです。当サイトが会社ごとに高卒の採用枠を調べたときも、入口が見つからなかった28社まで実名で載せた記事にしています。

表6の単位は、賃金が動いた幅を5つに刻んだ階級です

表6の階級は、前の勤め先の賃金を基準にした増減の幅で決まっています。この記事では、これを「刻み」とも呼びます。刻みは次の5つで、金額の欄はありません。

  • 1割以上の増加
  • 1割未満の増加
  • 変わらない
  • 1割未満の減少
  • 1割以上の減少

どの刻みに入るかは、転職した人が自分で答えています(概況「利用上の注意」6)。給与明細を突き合わせて判定した数字ではなく、本人の申告をそのまま数えたものです。

数えられている人にも限りがあります。表6の注1によると、対象は転職入職者のうち、前の職場で雇われていて、調査の時点で新しい職場に在籍していた人です。転職入職者とは、入職前の1年間に働いた経験があり、事業所に新しく採用された人を指します(同「主な用語の定義」)。自営業から移った人と、調査の前に新しい職場も辞めていた人は、この表に入っていません。

調査の対象は、5人以上の常用労働者を雇う事業所から選ばれた約15,000事業所で、産業は16の大産業に限られます。事業所調査の平均有効回答率は60.9%、集計した入職者は57,896人です(同「調査の概要」)。16の産業に公務と農業・林業・漁業は入っていないため、国や自治体の機関に採用された人は、この表の母集団に含まれません。その人たちの賃金は、雇用動向調査の16産業に入っていない公務の職場の賃金として別に扱っています。

5つの階級に割ると、最も多いのは「1割以上の増加」の28.2%

動いた人の多くは、少しだけ動いたのではありません。5つの刻みで最も大きいのが1割以上の増加で、次いで変わらない、1割以上の減少の順です。

階級 令和7(2025)年
1割以上の増加 28.2%
1割未満の増加 12.6%
変わらない 25.5%
1割未満の減少 9.2%
1割以上の減少 21.9%

出典:同上・表6(15ページ)。計には不詳2.7%(編集部算出)が含まれるため、5つを足しても100になりません。

1割以上動いた人を増えた側と減った側で足すと50.1%、1割未満で動いた人は21.8%です(いずれも編集部算出)。1割以上の幅で動いた人は、1割未満の人の2倍を超えています。少しだけ上がるという動き方は、表の中では12.6%の側です。

減った側でも、1割以上の減少が21.9%と、5人に1人を超えています。上がる幅だけでなく、下がる幅も小さくはありません。

編集部は2026年9月28日に原典のPDFを開き、令和7年の表6と表7の17行すべてで、増加と減少の内訳の和が計と合うかを確かめました。7か所で0.1ポイントずれましたが、概況が四捨五入のため内訳の和と計は一致しないことがあると断っている範囲です(「利用上の注意」3)。桁や列の取り違えは見つかりませんでした。

転職した人の賃金の変化を5つの階級と不詳に分けた横帯グラフ

前の年と比べると、増えた人は増え、大きく増えた人は減りました

同じ表の中で、増加と1割以上の増加が反対の方向に動きました。増加は前年より0.3ポイント上がり、1割以上の増加は1.2ポイント下がっています。

階級 令和6(2024)年 令和7(2025)年 前年差(ポイント)
増加 40.5% 40.8% +0.3
うち1割以上の増加 29.4% 28.2% −1.2
うち1割未満の増加 11.2% 12.6% +1.4
変わらない 28.4% 25.5% −2.9
減少 29.4% 31.0% +1.6
うち1割未満の減少 7.6% 9.2% +1.6
うち1割以上の減少 21.7% 21.9% +0.2
増加−減少 11.1ポイント 9.8ポイント −1.3

出典:同上・表6(15ページ)。前年差は表に載っている値で、増加−減少の前年差(−1.3ポイント)だけは編集部算出です。

減少は1.6ポイント増え、内訳で伸びたのはおもに1割未満の減少(+1.6ポイント)です。変わらないは2.9ポイント縮み、増加と減少の差は11.1ポイントから9.8ポイントに狭まりました。

これは1年分の動きで、この先も同じ向きに進むとは書きません。当サイトのほかの記事で「増加40.5%」という数字を見かけた場合、それは令和6年の値です。

増加と減少の大小が入れ替わるのは、50〜54歳の行です

11ある年齢階級のうち、差がマイナスに転じる最初の行は50〜54歳です。45〜49歳までは増加が減少を上回り、50〜54歳から先は、すべての行で減少のほうが大きくなっています。

年齢階級 増加 減少 増加−減少(令和7年) 増加−減少(令和6年)
19歳以下 63.6% 15.4% +48.2 +36.9
20〜24歳 55.2% 17.5% +37.7 +33.7
25〜29歳 49.8% 23.9% +25.9 +17.1
30〜34歳 48.6% 29.0% +19.6 +21.9
35〜39歳 43.5% 23.9% +19.6 +21.2
40〜44歳 44.9% 27.4% +17.5 +16.9
45〜49歳 41.1% 30.1% +11.0 +22.6
50〜54歳 29.4% 42.0% −12.6 +10.8
55〜59歳 25.5% 38.9% −13.4 −9.2
60〜64歳 21.1% 54.3% −33.2 −47.3
65歳以上 22.2% 42.3% −20.1 −16.8

出典:同上・表6(15ページ)。増加と減少は令和7年の値で、差の単位はポイントです。

45〜49歳の+11.0から50〜54歳の−12.6へ、隣り合う2つの行で23.6ポイント落ちます(編集部算出)。令和6年は、符号が入れ替わるのが50〜54歳(+10.8)と55〜59歳(−9.2)の間でした。1年で、入れ替わる位置が5歳の階級1つぶん手前に来たことになります。

ただし、年齢の行は1年で大きく動くことがあります。19歳以下の増加は48.8%から63.6%へ、50〜54歳の減少は28.2%から42.0%へと、どちらも前年から10ポイント以上動きました。入れ替わる位置がこの先も同じだとは書けません。

20〜24歳の行は、賃金の変化が不詳の人が7.4%いて(編集部算出)、11の年齢階級で最も多い行です。高校を卒業して2〜6年ほどの人が入る階級なので、55.2%という増加の割合は、その分を含んだ母数の中の値として読んでください。

もう1つ、この表の割合は、実際に転職した人を分母にしています。その年齢で働く人のうち何人が転職したかとは、別の数字です。この違いは、30代の記事の転職する人の割合と、賃金が増えた人の割合は分母が違うという指摘で先に整理しました。50〜54歳でも、転職した人の29.4%は賃金が増えています。

年齢階級別に賃金の増加と減少の差を令和6年と令和7年で比べた折れ線グラフ

就業形態を変えずに移った人でも、差は7.0から17.2ポイントまで割れます

表7は、前の職場と同じ就業形態のまま移った人だけを並べた表です。表の注が、就業形態が前職と異なる転職入職者を除くと断っています。ここでいう就業形態は、パートタイム労働者(1日の所定労働時間が一般の労働者より短い人など)か、それ以外の一般労働者かの区別です。

前職→現職(令和7年) 増加 うち1割以上 変わらない 減少 うち1割以上 増加−減少
一般労働者→一般労働者 42.0% 29.5% 25.0% 31.5% 21.8% 10.5
うち雇用期間の定めなし→定めなし 44.5% 30.5% 25.0% 29.0% 18.7% 15.5
パートタイム労働者→パートタイム労働者 39.0% 21.9% 34.2% 21.8% 11.4% 17.2
雇用期間の定めなし→定めなし 45.1% 30.3% 25.3% 28.3% 18.9% 16.8
雇用期間の定めあり→定めあり 34.9% 23.5% 31.1% 27.9% 18.6% 7.0

出典:同上・表7(16ページ)。「雇用期間の定めなし」は期間を定めずに雇われている人、「定めあり」は1か月以上の期間を定めて雇われている人です(同「主な用語の定義」)。差の単位はポイントです。

5つの行で差がいちばん大きいのはパートタイム労働者どうしの17.2ポイント、いちばん小さいのは雇用期間の定めがある人どうしの7.0ポイントです。7.0は、表6の計の9.8ポイントを下回っています。一般労働者どうし(10.5ポイント)も、期間の定めのない雇用どうしに絞ると15.5ポイントに開きます。

差が大きい行ほど大きく上がっている、とは読めません。パートタイム労働者どうしは、1割以上の増加が21.9%で5つの行の中で最も低く、変わらないが34.2%で最も高い行です。減った人が21.8%と5つの行で最も少なく、そのぶん差が開いている形です。

期間の定めのない雇用を、そのまま正社員と読み替えることもできません。概況の用語の定義は雇用期間の有無で分けていて、正社員という区分は使われていません。期間の定めのない雇用から期間の定めのある雇用へ移った人は、表7の行としては出てきません。

この2つの表は、金額を1円も持っていません

割合に金額を掛けて、転職後の自分の賃金を出すことはできません。表6と表7にあるのは前の賃金に対する向きと幅の刻みだけで、円の欄が1つもないからです。

同じ1割以上の増加でも、前の賃金が違えば増えた額は違います。しかも1割以上の刻みには上限がないため、1割を少し超えた人と、それよりずっと大きく上がった人が同じ行に入っています。

表の「賃金」が月の額なのか年間の額なのかも、概況には定義が載っていません。編集部が2026年9月28日に「主な用語の定義」(4〜5ページ)を開いた範囲では、賃金の項目は見当たりませんでした。調査票での尋ね方までは確かめていないため、この記事は「年収」と言い換えず、原典どおり「賃金」と書いています。

賃金の額を扱う別の統計と掛け合わせることもしません。賃金構造基本統計調査のような額の統計は、母集団も調べ方も表6と違い、掛け合わせるとどちらの統計の数字でもないものになります。

水準の側から高校卒の賃金を見るなら、賃金を動いた幅ではなく水準で読む記事が別の調査でまとめています。そちらは賃金構造基本統計調査が出どころで、表6とは母集団も調べ方も違うため、2つの数字は掛け合わせないでください。

自分がどの階級に入りそうかを、動く前に見積もる

先に決めるのは金額ではなく、いまの賃金に対する比です。表6の刻みは前の賃金との比で決まるので、同じ物差しを自分の賃金に当てれば、表のどこを見ればいいかが決まります。

  1. 比べる「いまの賃金」を1つに決める。月の額か年間の額か、残業代・手当・賞与を含めるかを決めます。あとで比べる提示額も、同じ決め方にそろえます
  2. その額を100と置き、110と90に線を引く。110以上なら1割以上の増加、90以下なら1割以上の減少の刻みです
  3. 表6で自分の年齢の行を開く。その行の割合が、同じ年齢で転職した人の分かれ方です
いまの賃金を100としたときの転職後 表6の階級
110以上 1割以上の増加
100を超え110未満 1割未満の増加
100 変わらない
90を超え100未満 1割未満の減少
90以下 1割以上の減少

この対応は、表6の刻みの名前を編集部が比に置き直したもので、調査の定義として示されたものではありません。回答した人が残業代や賞与を含めて比べたのか、どの程度の差までを「変わらない」と答えたのかも、表からは分かりません。

決め方をそろえないと、入る刻みがずれます。たとえば交替勤務の手当や残業代が多い職場から日勤だけの職場へ移ると、基本の額が同じでも、手当まで含めて比べた賃金は下がる側に入りえます。

年齢の行は、自分の結果の予想ではなく、分かれ方の見本として読んでください。20代から40代の行を5つの刻みまで開くと、次のとおりです。

年齢階級(令和7年) 1割以上の増加 1割未満の増加 変わらない 1割未満の減少 1割以上の減少
20〜24歳 44.2% 11.0% 19.9% 7.3% 10.2%
25〜29歳 34.2% 15.6% 25.0% 7.4% 16.5%
30〜34歳 32.8% 15.8% 20.8% 9.9% 19.0%
35〜39歳 32.8% 10.7% 28.1% 7.8% 16.1%
40〜44歳 29.9% 15.1% 24.6% 9.8% 17.6%
45〜49歳 30.0% 11.1% 28.0% 14.0% 16.1%

出典:同上・表6(15ページ)。ほかの年齢階級の行も同じ表にあります。

6つの行のどれでも最も多いのは1割以上の増加ですが、1割以上の減少も10.2%から19.0%あります。どちらの側に入るかを決めるのは、その先で出てくる提示額です。

動く月によって求人がどう変わるかは、求人の出方を暦の月ごとに追った記事で扱っています。表6は1年分をまとめた数字なので、どの月に動くかの違いはこの表からは読み取れません。

提示額は、いまの賃金で割ってから表6の行と並べます

提示額は、円のままでは表6のどの刻みにも当てはめられません。いまの賃金と同じ決め方にそろえてから割り、どの刻みに入るかを先に確かめます。

  • 決め方をそろえる。提示額が月額なら月額どうし、年額なら年額どうしで比べます。見込みの残業代や賞与を含む額かどうかも、いまの賃金の側とそろえます
  • 割って刻みを出す。提示額をいまの賃金で割り、1.1以上なら1割以上の増加、1.0を下回れば減少の側です
  • 同じ年齢の行と並べる。その刻みに入った人が、表6の自分の年齢の行で何%いるかを見ます

提示額が幅で示されたときは、幅の下の端で割った刻みを、その提示の刻みとして扱ってください。上の端で割った刻みは、条件がそろったときの上限として別に控えておきます。

1割に届かない提示なら、届くまでの差額が、条件を確かめたり相談したりするときの具体的な数字になります。ただし、届くかどうかを決めるのは相手の会社で、この記事が約束できることではありません。

当サイトの運営メンバーのもとには、いまも転職サービスのスカウトが届き、その中には提示額が書かれたものもあります。編集部は、そうした額を見たら先にいまの賃金との比に直すことを勧めています。スカウトの話はこの段落だけにとどめます。運営メンバーの職種も経歴も読者とは違い、届く額の水準を比べる材料にはならないからです。

表6は、何を替えて動いたのかを分けていません

表6の行は年齢だけで、移る前後で産業や職業を替えたかどうかでは分かれていません。表7が分けているのも、就業形態と雇用期間の定めまでです。

そのため、次の問いには表6と表7だけでは答えられません。

  • 同じ職種のまま業界を替えた人と、職種ごと替えた人とで、賃金の動き方は違うのか
  • 大きな会社から小さな会社へ、またはその逆へ移った人はどうだったのか
  • 高校卒の人に限ると、分かれ方はどう変わるのか

学歴については、調査の項目に最終学歴が入っています(同「調査の概要」)。それでも、賃金の変化を学歴で分けた表は、概況の全22ページの中には見当たりませんでした。

学歴による違いは、高卒と大卒の違いを年齢の刻みで見た記事が扱っています。表6は全学歴をまとめた数字なので、学歴ごとの違いはこの表の中には出てきません。

e-Statには、賃金変動の区分を産業・企業規模・入職経路・離職期間などと掛け合わせた統計表があります。2026年9月28日に表題を確認しましたが、この記事では数値を使っていません。上の問いに答えられる表かどうかは、中身を開いて確かめる必要があります。

移ったあとの伸び方も、この表には入っていません。入職者への調査は、1〜6月に入職した人には同じ年の7〜8月に、7〜12月に入職した人には翌年の1〜2月に行われています(同「調査の概要」)。表6の答えは入ってから1年に満たない時点のもので、その後の昇給は含まれていません。

当サイトは「職種はそのまま、身を置く業界を選び直す」動き方を勧めていますが、その動き方が表6のどの行に入っているかも、この表からは読み取れません。勧める根拠は賃金の水準を扱う別の統計の側にあり、表6はその裏づけにも反証にもなっていないと編集部は考えます。

移る理由が賃金以外にある場合は、同じ雇用動向調査の別の表が手がかりになります。困りごとの中身から、次に何を替えるかを決める記事は、前の勤め先を辞めた理由の表(表5)を使っています。

手数料の公表内容を見てから、転職サービス経由の提示額を聞く

年収が上がるという話が広まるほど、転職サービスを使う人は増え、そのサービスを記事で紹介しているコロキャリアにも得が出ます。上がる側の数字だけを並べる書き方は、その意味で当サイトに都合のいい書き方です。この記事が減った側の31.0%を最初に出したのは、その都合を割り引いて読んでもらうためです。

転職エージェント(有料職業紹介事業者)については、手数料に関する事項などを外から確かめられるよう、法律が情報の提供を求めています。

有料職業紹介事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、当該有料職業紹介事業者の紹介により就職した者の数、当該有料職業紹介事業者の紹介により就職した者(期間の定めのない労働契約を締結した者に限る。)のうち離職した者(解雇により離職した者その他厚生労働省令で定める者を除く。)の数、手数料に関する事項その他厚生労働省令で定める事項に関し情報の提供を行わなければならない。

(引用:職業安定法32条の16第3項/2026年9月28日に編集部がe-Gov法令APIで原文を確認)

この条にもとづいて各事業者が出した情報を、厚生労働省は人材サービス総合サイトにまとめています。手数料が採用された人の賃金に対する率で決まる事業者なら、提示額が上がるほど事業者の受け取りも増えます。提示額を上げる方向の助言にはその利害が重なりうる、という前提で聞いてください。報酬の流れが助言にどう影響するかは、エージェントの提案に利害が乗る理由を説明した記事が先に書いています。

提示額の見込みを聞いたら、月額か年額か、残業代や賞与を含む額かを、その場で確かめてください。いまの賃金を100とした線が手元にあれば、どの刻みに入るかはすぐに出ます。

1割の線を引くまでは、面談の予約は要りません

次のどれかに当てはまる場合は、申し込みより先に、この記事の見積もりを済ませてください。

  • いまの賃金に残業代や賞与を含めるかどうかが、決まっていない人
  • 表6で、自分の年齢の行の増加と減少を見比べる前の人
  • 減る側の刻みに入る提示を受けるかどうかの線が、自分の中で引けていない人

よくある質問

Q:転職すると年収はいくらくらいアップしますか?

表6は金額の欄を持たないので、いくらという形では答えられません。分かるのは前の賃金に対する刻みで、令和7年は1割以上の増加が28.2%、1割未満の増加が12.6%でした。額に直したい場合は、いまの賃金に0.1を掛けて、自分にとっての1割を先に出してください。

Q:転職で年収は何パーセントアップする?

表6には、上がった率の平均は載っていません。載っているのは1割以上か1割未満かという刻みで、増加した40.8%のうち28.2ポイント分が1割以上の側です。平均の率ではなく、自分の提示額がどの刻みに入るかで考えるほうが、表の使い方に合っています。

Q:45歳で転職すると年収は下がりますか?

表6の45〜49歳の行では、増加41.1%が減少30.1%を上回っています(令和7年・全学歴計)。ただ、次の50〜54歳の行では減少42.0%が増加29.4%を上回り、大小が入れ替わります。前年の45〜49歳は差が22.6ポイントあり、1年で11.0ポイントまで縮みました。

Q:転職で年収が下がる許容範囲は?

どこまで下がってよいかを、統計が決めることはありません。表6の刻みでは、1割未満の減少が9.2%、1割以上の減少が21.9%です。賃金を最優先にするなら、減少の刻みに入る提示は見送ることを編集部は勧めます。時間や通勤を最優先にするなら、減った分と引き換えに何が手に入るかを先に書き出してください。

Q:転職で年収300万円アップは可能でしょうか?

表6からは、その額で可能かどうかは答えられません。1割以上の増加という刻みは上限を持たないので、どこまで上がった人がいたかは表から読めないからです。いまの賃金に対して何割にあたる額かを出したうえで、その上がり方がどんな条件で起きうるかは、個々の求人の中身で確かめる必要があります。

まとめ

  • 令和7年に転職した人の賃金は、40.8%が増え、31.0%が減り、25.5%が変わりませんでした(表6。全学歴・全産業計)
  • 5つの刻みで最も多いのは1割以上の増加の28.2%で、1割以上動いた人は増減合わせて50.1%です(編集部算出)
  • 前年と比べると増加は0.3ポイント上がり、1割以上の増加は1.2ポイント下がりました
  • 増加と減少の大小が入れ替わるのは50〜54歳の行で、前年の55〜59歳から年齢の区分1つぶん手前に来ました(1年分の動きです)
  • 就業形態を変えずに移った人でも、差は7.0〜17.2ポイントに割れます(表7)
  • 表6と表7は金額を持たず、「賃金」の定義も概況には載っていません

上がる幅を取りにいくなら、提示額をいまの賃金で割り、1.1に届くかどうかを応募の前に確かめてください。表6で最も多い刻みは、この線から上にあります。

下がる幅を小さく抑えたいなら、いまが期間の定めのない雇用の一般労働者である場合、次も同じ形の候補を先に比べてください。表7では、その移り方で1割以上減った人が18.7%で、一般労働者どうし全体の21.8%より少なくなっています。それでも2割近くは1割以上減っているので、提示額の比は毎回自分で出してください。

いまの月の賃金に0.1を掛けた額を、メモに残してください。表6の「1割」という刻みを、自分の賃金の大きさに置き直した額です。次に届く提示額は、このメモと並べて読みます。

※本記事は公的統計にもとづく一般的な情報で、数値は2026年9月28日に編集部が原典を確認したものです。雇用動向調査の年間の結果は1年ごとに公表され、新しい年の結果が出ると数字は入れ替わります。個別の労働条件や賃金の扱いは、ハローワーク・都道府県労働局・労働基準監督署などの公的機関にご確認ください。


参考・出典

  • 厚生労働省「令和7(2025)年雇用動向調査結果の概況」(令和8年8月31日公表。15ページ 表6 転職入職者の賃金変動状況別割合〈令和7年の計・年齢階級別11行、令和6年の行、前年差。注1=転職入職者のうち前職雇用者で調査時在籍者についてみたもの・自営業からの転職入職者を含まない/注2=転職入職者の賃金変動状況不詳を含む〉、16ページ 表7 就業形態・雇用形態別転職入職者の賃金変動状況〈注=就業形態が前職と異なる転職入職者は除く〉、1〜2ページ「調査の概要」〈16大産業・約15,000事業所・調査の時期・調査事項・集計入職者数57,896人・平均有効回答率60.9%〉、3ページ「利用上の注意」3・6、4〜5ページ「主な用語の定義」。ページ番号は各ページ下部の印字で、表番号は各ページの表題と下部の印字で確認しました。2026年9月28日に編集部が原典のPDFを開いて確認): https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/26-2/dl/gaikyou.pdf
  • 厚生労働省「雇用動向調査」(調査の一覧ページ): https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/9-23-1.html
  • e-Stat(政府統計の総合窓口)「雇用動向調査」の統計表の検索結果(表題に「賃金変動」を含む表=11 転職入職者の年齢階級別賃金変動状況/13-1 産業(中分類)、企業規模(GT.E)、性、年齢階級、就業形態・雇用形態・前従業上の地位、賃金変動区分別入職者数/13-2 性、年齢階級、就業形態・雇用形態・前従業上の地位、賃金変動区分別入職者数及び構成比/14 産業(大分類)、企業規模(GT.E)、性、入職経路、離職期間、賃金変動区分別入職者数。2026年9月28日に表題だけを確認し、数値は使っていません): https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&query=%E8%B3%83%E9%87%91%E5%A4%89%E5%8B%95%E7%8A%B6%E6%B3%81&layout=dataset&toukei=00450073
  • e-Gov法令検索「職業安定法」(昭和22年法律第141号。有料職業紹介事業者の情報提供=32条の16第3項〈同条の見出し「事業報告等」・全3項〉。2026年9月28日に法令API v2 ?elm=Article_32_16 へ問いの形を変えて3回照会し、引用した第3項の文面が一致することを確認): https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141
  • 厚生労働省「人材サービス総合サイト」(職業安定法32条の16第3項にもとづく事業者ごとの情報の掲載先。掲載先であることは、当サイトの参照資料に2026年7月27日の確認として記録されている内容の転記です。2026年9月28日は編集部の取得経路から接続できず〈HTTP 403〉、掲載内容を開き直していません): https://jinzai.hellowork.mhlw.go.jp/
  • コロキャリア編集部の独自集計(2026年9月28日に再計算。いずれも上記の表6・表7の公表値から算出したもので、厚生労働省の公表値ではありません):①不詳の割合(表6の計2.7%/年齢階級別=19歳以下2.8・20〜24歳7.4・25〜29歳1.3・30〜34歳1.6・35〜39歳4.5・40〜44歳3.1・45〜49歳0.8・50〜54歳1.9・55〜59歳2.6・60〜64歳0.4・65歳以上2.1/表7の5行=1.5・1.5・5.0・1.3・6.1。四捨五入の誤差を含む) ②1割以上の増減の合計50.1%と、1割未満の増減の合計21.8% ③45〜49歳と50〜54歳の差の落差23.6ポイント ④増加−減少の前年差−1.3ポイント ⑤令和7年の表6・表7の17行について、増加と減少の内訳の和と計の照合(0.1ポイントのずれが7か所=表6の計の減少・30〜34歳の減少・40〜44歳の増加・50〜54歳の増加と減少、表7の雇用期間の定めなし→定めなしの増加・一般労働者のうち定めなし→定めなしの減少。いずれも四捨五入の範囲) ⑥表6の刻みを「いまの賃金=100」の比に置き直した対応表(調査の定義ではなく編集部の整理)
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