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高卒は仕事がないのか|探す人と探していない人を統計で分ける

働いている、仕事を探している、どちらでもないの3つの状態を扉で表したイメージ
コロキャリア編集部

※本記事には広告(プロモーション)を含みます。編集部が転職サービスを勧める基準は編集方針ですべて公開しています。

最終学歴が高校の人を国勢調査の3つの区分に分けると、働いている人が100人あたり約61人、仕事を探している人が約3人、どちらでもない人が約36人でした(2020年10月1日時点の15歳以上。労働力状態が不詳の人を除いた編集部の算出)。働いているか仕事を探している人(労働力人口)のうち、仕事が見つかっていない人の割合(完全失業率)は4.5%です(同)。大学卒の2.9%より高く、中学校卒の6.4%より低い値です。

「高卒は仕事がない」という言葉が指すものは、この3つのどこに自分がいるかで変わります。この記事では、3つの区分の定義と人数、学歴別の率を並べ、どの区分にいる人が次に何を確かめればよいかを整理します。想定している読者は学校を出た人で、高校に在学している人の就職活動はこの記事の範囲に入れていません。

「仕事がない」人は、国勢調査では完全失業者と非労働力人口に分かれて数えられます

国勢調査は15歳以上の人を、2020年9月24日から30日までの1週間(調査週間)に何をしていたかで、3つの区分に分けています。仕事をしていなかった人は、仕事を探していたかどうかで、完全失業者と非労働力人口のどちらかに入ります。

区分 国勢調査の用語の解説にある定義(逐語)
就業者 調査週間中,賃金,給料,諸手当,営業収益,手数料,内職収入など収入(現物収入を含む。)を伴う仕事を少しでもした者
完全失業者 調査週間中,収入を伴う仕事を少しもしなかった者のうち,仕事に就くことが可能であって,かつ,ハローワーク(公共職業安定所)に申し込むなどして積極的に仕事を探していた者
非労働力人口 調査週間中,収入を伴う仕事を少しもしなかった者のうち,休業者及び完全失業者以外の者
労働力状態「不詳」 未回答などにより労働力状態が判定できない場合

(出典:総務省統計局「令和2年国勢調査 調査結果の利用案内 -ユーザーズガイド- Ⅲ 国勢調査の結果で用いる用語の解説」印字34ページの「区分」「内容」の表。2026年9月29日に編集部が原文を確認)

3つを分けているのは、収入のある仕事を少しでもしたかと、仕事を積極的に探していたかの2点です。就業者と完全失業者を合わせた人たちは「労働力人口」と呼ばれ、このあと出てくる完全失業率は、この人たちを分母にした割合です。

国勢調査の労働力状態を、仕事をしたか・仕事を探していたかの2つの問いで就業者・完全失業者・非労働力人口に分ける流れ図

この記事の「高卒」は、最終卒業学校が「高校・旧中」の人です

この記事の「高卒」は、国勢調査で最終卒業学校の区分が「高校・旧中」(旧制中学を含む)だった人を指します。中途退学した人はその前に卒業した学校で数えられるため、高校を卒業してから大学や専門学校を中退した人も、「高校・旧中」に含まれます(同じ用語の解説の教育の節)。いま学校に通っている人は「在学者」という別の区分になり、「高校・旧中」の数字には入っていません。

最終学歴が高校の人のうち、仕事を探していた人は100人あたり約3人です

労働力状態が分かる高校・旧中の15歳以上37,381,526人のうち、完全失業者は2.9%、就業者は60.8%、非労働力人口は36.3%でした(編集部の算出)。人数では、完全失業者が1,070,550人、就業者が22,732,600人、非労働力人口が13,578,376人です。労働力状態が「不詳」の人も463,530人いて、割合はこの人たちを除いて計算しています。

年齢で区切ると、割合は次のとおりです。

年齢 就業者 完全失業者 非労働力人口 労働力状態「不詳」
15歳以上(全体) 60.8% 2.9% 36.3% 463,530人
15〜64歳 81.6% 4.1% 14.3% 267,927人
15〜24歳 81.6% 7.3% 11.1% 222,100人
25〜34歳 82.4% 5.6% 12.0% 6,469人

出典:総務省統計局「令和2年国勢調査 就業状態等基本集計」第12-1表(2020年10月1日現在・原数値。最終卒業学校が高校・旧中の男女計)を加工して作成。割合は労働力状態「不詳」を除いた編集部の算出。15〜24歳と25〜34歳は、5歳階級の人数を足した編集部の算出

全体で非労働力人口が36.3%と大きいのは、65歳以上の人が多く含まれるためです。高校・旧中の非労働力人口13,578,376人のうち、10,306,995人(75.9%)が65歳以上でした(年齢の総数から15〜64歳を引いた編集部の算出)。15〜64歳に絞ると、非労働力人口は14.3%まで下がります。

最終学歴が高校の人100人を就業者・完全失業者・非労働力人口に分けたドット図(15歳以上と15〜64歳)

表の値は、互いの足し算が合うことを確かめてから使っています。高校・旧中の行では、就業者と完全失業者の合計が、労働力人口の23,803,150人とちょうど同じでした。そこに非労働力人口と不詳を加えると、15歳以上の37,845,056人になります(2026年9月29日に編集部で検算)。

働いている22,732,600人がどの職業に就いているかは、この表では分けられていません。就業者に入る高卒の人が多い仕事の区分は、同じ2020年の国勢調査の職業の表から数えられています。

働いているか探している人のうち、見つかっていない人の割合は高校・旧中で4.5%です

完全失業率は労働力人口に占める完全失業者の割合で、高校・旧中は4.5%でした(完全失業者1,070,550人÷労働力人口23,803,150人。編集部の算出)。国勢調査の用語の解説には完全失業率の説明が見当たらないため、労働力調査の定義(「労働力人口」に占める「完全失業者」の割合)と同じ式で計算しました(2026年9月29日に編集部が確認)。国勢調査の統計表は割合を出すときに分母から不詳を除くとしており、この記事の率も同じ扱いです。

学歴ごとの値を表にまとめました。

最終卒業学校 完全失業者 労働力人口 完全失業率
中学校 264,796人 4,158,101人 6.4%
高校・旧中 1,070,550人 23,803,150人 4.5%
短大・高専 336,841人 10,520,266人 3.2%
大学 461,247人 15,835,802人 2.9%
大学院 31,087人 1,852,730人 1.7%
卒業者の計 2,263,073人 58,588,785人 3.9%

出典:総務省統計局「令和2年国勢調査 就業状態等基本集計」第12-1表(2020年10月1日現在・原数値・15歳以上の男女計)を加工して作成。完全失業率は編集部の算出。卒業者の計には、小学校を卒業した人と、最終卒業学校が「不詳」の人を含む

最終卒業学校が中学校から大学院へ上がるほど、率は低くなっていました。ただし、この並びをそのまま学歴の効果と読むことはできません。学歴ごとに年齢の構成や住んでいる地域、働いてきた産業が違い、この表はそれらを分けていないためです。

最終卒業学校ごとの完全失業率を比べた横棒グラフ(高校・旧中は4.5%)

また、卒業者のうち最終卒業学校が「不詳」の人が15,059,305人いて、学歴別の率はこの人たちを含まない数字です。編集部は、4.5%を「高卒だから仕事が見つからない」ことの証拠としては使いません。この数字から言えるのは、働いているか探している高卒の人100人のうち4〜5人が、調査週間に仕事を探していたという規模までだと考えます。

15〜24歳の高校・旧中は8.2%で、25〜34歳の6.4%より高くなります

高校・旧中の完全失業率は、15〜24歳で8.2%、25〜34歳で6.4%でした(5歳階級の人数を足して出した編集部の算出)。比べるために、卒業者の計と大学の率を並べます。

年齢 高校・旧中 卒業者の計 大学
15〜24歳 8.2% 7.1% 4.4%
25〜34歳 6.4% 4.7% 3.5%
15〜64歳 4.8% 4.0% 2.9%

出典:総務省統計局「令和2年国勢調査 就業状態等基本集計」第12-1表を加工して作成。完全失業率は編集部の算出。15〜24歳・25〜34歳は5歳階級の人数の和から、15〜64歳は表に再掲されている人数から計算

3つの列のどれでも、15〜24歳の率が25〜34歳より高くなっています。15〜24歳の高校・旧中では労働力状態が「不詳」の人が222,100人いて、この年齢の高校・旧中の10.9%を占めます(編集部の算出)。率を読むときは、この人たちが分母に入っていないことも頭に置いてください。

男女別では、年齢を区切らない高校・旧中の率は男性5.1%、女性3.7%でした(編集部の算出)。女性は非労働力人口に入る人の割合が男性より高く(男性24.5%、女性46.5%。不詳を除いた編集部の算出)、率の低さはそのまま仕事の見つけやすさを表しません。

2025年の労働力調査は、高卒だけを切り出せず、失業の数え方も違います

毎月の完全失業率を公表している総務省の労働力調査にも、学歴別の表があります。国勢調査の数字とは、次の4点が違います。

比べる点 令和2年国勢調査 第12-1表 労働力調査(詳細集計)2025年平均 第I-2表
調べ方 全ての調査票を集計した結果 標本調査(詳細集計は主に約1万世帯の特定調査票から集計)
時点 2020年10月1日現在(調査週間は9月24〜30日) 2025年の1年間の平均
仕事を探していた期間 調査週間中(完全失業者) 調査週間を含む1か月間(失業者)
学歴の区分 中学校と高校・旧中は別の区分 小学・中学・高校・旧中で1つの区分

(出典:総務省統計局「令和2年国勢調査 就業状態等基本集計結果 結果の概要」、同「労働力調査の概要」、同「労働力調査 用語の解説」。2026年9月29日に編集部が確認)

2025年平均では、最終学歴が小学校・中学校・高校(旧制中学を含む)の人の労働力人口2,960万人のうち、失業者は98万人で、割合は3.3%でした(失業者÷労働力人口。編集部の算出)。同じ計算で、卒業者全体は2.8%、大学は2.2%です。詳細集計の失業者は基本集計の完全失業者より広く、2025年平均では失業者194万人のうち完全失業者が176万人でした。

そのため、この3.3%を国勢調査の率と並べて、5年間で上がった・下がったと比べる使い方はできません。2025年平均の詳細集計の46表には高校だけを切り出した区分が見当たらず、調査票の教育の選択肢も「小学・中学・高校・旧中」の1つにまとまっています(2026年9月29日に編集部が確認)。

仕事を探しているのに見つからない人は、完全失業者の区分に入ります

仕事を辞めて再就職先を探している人も、学校を出てから初めての仕事を探している人も、調査週間に積極的に探していれば完全失業者の区分に入ります。2020年の国勢調査では、この区分の高校・旧中の人は1,070,550人で、うち15〜34歳が308,807人でした(15〜34歳は5歳階級を足した編集部の算出)。15〜24歳に限れば、働いているか探している高校・旧中の人のおよそ12人に1人が、調査週間に仕事を探していたことになります(完全失業率8.2%からの編集部の換算)。

前の勤め先を辞めてから探している人は、雇用保険から受け取れるお金があるかどうかも確かめておいてください。辞める前に雇用保険に入っていた月数と基本手当の関係を、入社1年目の転職の記事が条文から説明しています。

国勢調査の定義は、探し方の例として「ハローワーク(公共職業安定所)に申し込む」ことを挙げています。どこで探すかを決めかねているなら、統計が「積極的に探している」状態の例に挙げたこの窓口を、候補から外さずにおいてください。

応募できる求人を、実際より狭く数えていないかも見直してみてください。「高卒可」と書かれた求人だけを数えたときの見落としは、求人の記事がよくある質問の中で取り上げています。

非正規で働いている高卒の人は、統計では就業者に入ります

パートやアルバイトでも、調査週間に収入のある仕事を少しでもしていれば、国勢調査では就業者として扱われます。高卒で非正規の仕事をしている人は、統計の上では「仕事がない」側に入っていません。この記事が使った第12-1表は就業者を正規と非正規に分けていないため、非正規で働く高卒の人の数はここでは出せません。

非正規で働く人にとっての課題は、仕事の有無より、雇われ方によって開く賃金の差のほうにあると編集部は見ています。その差の大きさは、学歴の差と雇用形態の差を同じ年齢で比べた賃金の数字で示されています。

探していない人は非労働力人口で、「ニート」とは範囲が違います

仕事をしておらず、調査週間に探してもいなかった人は、非労働力人口に数えられます。国勢調査の用語の解説は、その内訳として家事・通学・その他を挙げ、その他の例に乳幼児のほか高齢や病気を示しています。

第12-1表は非労働力人口をこの内訳に分けていないため、高校・旧中の中で家事の人と病気の人がそれぞれ何人いるかは数えられません。15〜34歳の高校・旧中の非労働力人口は579,838人で、ここには家事をしている人なども含まれます(5歳階級を足した編集部の算出)。

この人数は、いわゆる「ニート」の人数とは別のものです。ニートに近い統計用語の対象年齢と範囲は、高卒ニートの就職の記事が説明しています。

よくある質問

Q:高卒の無職率は?

2020年の国勢調査で最終学歴が高校・旧中の15歳以上のうち、仕事をしていない人は、探していた人(完全失業者)が2.9%、探していなかった人(非労働力人口)が36.3%でした(労働力状態が不詳の人を除いた編集部の算出)。15〜64歳に絞ると、それぞれ4.1%と14.3%です。国勢調査の用語の解説を全文で探しても「無職」という区分の名前は出てこないため、この記事では2つを分けて示しています(2026年9月29日に編集部が確認)。

Q:25歳で高卒で無職の人は何をすればいいですか?

最初にすることは、この1週間に仕事を探す行動をしたかどうかで、自分が完全失業者と非労働力人口のどちらに入るかを分けることです。2020年の国勢調査では、25〜34歳の高校・旧中の人のうち、完全失業者は5.6%、非労働力人口は12.0%でした(労働力状態が不詳の人を除いた編集部の算出)。年齢で動きにくくなるのかが気になるなら、20代の前半と後半で転職して入職する人の割合を比べた統計も材料になります。

まとめ

  • 国勢調査は15歳以上の人を、調査週間に収入のある仕事をしたか、仕事を探していたかで、就業者・完全失業者・非労働力人口に分けている
  • 最終学歴が高校・旧中の15歳以上は、就業者60.8%・完全失業者2.9%・非労働力人口36.3%(2020年。不詳を除いた編集部の算出)。非労働力人口の75.9%は65歳以上
  • 高校・旧中の完全失業率は4.5%で、15〜24歳は8.2%、25〜34歳は6.4%(編集部の算出)。学歴別の率の差には、年齢や地域などの違いが混ざりうる
  • 2025年の労働力調査は、学歴の区分と失業の定義が国勢調査と違うため、国勢調査の率と並べて比べられない
  • パートやアルバイトで働く人は就業者、探していない人は非労働力人口に数えられる

この1週間に仕事を探していた読者へ。見つからない理由を学歴に決める前に、職種・地域・働き方のうちどれを動かせるかを先に決めることを勧めます。学歴別の率には年齢や地域の違いが混ざりうるうえ、この3つは本人が選び直せる条件だからです。

この1週間に収入のある仕事をしていた読者へ。統計の区分は就業者で、探す対象は「仕事」ではなく「次の雇われ方」になります。手元の雇用契約に期間の定めがあるかと、あるならその期間がいつ終わるかを、先に見ておいてください。

働いてもおらず、探してもいなかった読者へ。探し始めた時点で、統計の区分は完全失業者の側に移ります。どちらの区分に入るかを分けているのは学歴ではなく、探す行動をしたかどうかです。

手帳かスマートフォンの予定表を開き、直近の7日間に、収入のある仕事をした日と仕事を探す行動をした日があったかを確かめてください。働いた日があれば就業者、働いた日が無く探した日があれば完全失業者、どちらも無ければ非労働力人口の側です(国勢調査の定義を編集部が簡略化した当てはめ)。区分が決まったら、この記事でその区分を扱った節を読み直してください。

※本記事は、総務省統計局の国勢調査と労働力調査の公表データにもとづく一般的な情報です。数値は国勢調査が2020年10月1日現在、労働力調査が2025年平均の値で、2026年9月29日に編集部が確認しました。仕事探しや雇用保険の個別の状況は、ハローワークなどの公的機関にご確認ください。


参考・出典

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