中卒・高卒の転職

高卒の転職で東京に出るか|賃金と家賃の差で決める

地方の駅で2つの金額を見比べている転職希望者のイメージ
コロキャリア編集部

※本記事には広告(プロモーション)を含みます。編集部が転職サービスを勧める基準は編集方針ですべて公開しています。

東京へ出るかどうかは、求人の数ではなく、家賃で決まります。東京都の賃金は全国計より月77.7千円高い一方(厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」全国計340.6千円・東京都418.3千円。差は編集部の算出)、住居の物価は全国平均を29.8%上回ります(総務省「消費者物価地域差指数」2025年・東京都129.8、全国=100)。

どちらが大きいかは、借りる部屋が決まるまで確かめようがありません。この記事は、その計算に必要な数字を公的統計から集めて、読者が自分で差を出せる形にするところまでを扱います。

この記事でいう上京は、住民票を東京都内に移したうえで、東京都内の勤務地で働き始めることを指します。読者として想定しているのは、中卒・高卒でいま地方で働いている人です。東京都内の求人の探し方と、在学中の高校生の就職活動は、この記事では扱いません。

結論:東京都の賃金は全国計より月77.7千円高く、住居の物価は全国平均より29.8%高い

増える額と増える費用のどちらが大きいかは、借りる部屋が決まるまで計算できません。使う数字は3つだけです。順に並べます。

  1. 賃金|一般労働者の賃金は全国計340.6千円、東京都418.3千円。全国計を上回ったのは4都府県だけです(厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」)
  2. 物価|東京都の消費者物価地域差指数は総合104.2、家賃を除く総合102.2、住居だけ129.8(総務省・2025年結果、全国=100)
  3. 求人|東京都の有効求人倍率は、令和8年7月の同じ月に、就業地別1.06倍・受理地別1.69倍(厚生労働省「一般職業紹介状況」季節調整値)

この3つは別々の調査です。一方から他方を引いて「手取りの差」を出すことはしません。賃金の統計は事業所に払った額を聞いており、物価の統計は店頭と家賃の価格を調べており、求人の統計はハローワークの受理件数を数えています。母集団も集計の方法も違うため、引き算した数字を作ると、その時点で根拠のない数値になります。

代わりにこの記事は、3つを別々に見せたうえで、読者自身の2つの金額(いまの家賃と、東京で借りる部屋の家賃)で差を出す手順を置きます。統計が教えてくれるのは、差がどちらに傾きやすいかの目安までです。

賃金の差|全国計340.6千円を上回っているのは4都府県だけです

令和7年の賃金構造基本統計調査で、一般労働者の賃金は全国計340.6千円、東京都418.3千円でした。概況の「(11)都道府県別にみた賃金」は、全国計より賃金が高かったのは東京都・神奈川県・愛知県・大阪府の4都府県だと書いています。

(出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」(11)都道府県別にみた賃金/2026年9月24日に編集部が原文を確認)

東京都と全国計の差は月77.7千円、円に直すと7万7,700円です(いずれも編集部の算出)。全国計を100として東京都を指数にすると122.8になります(同じく編集部の算出)。残る43道府県は、全国計を上回っていません。多くの読者にとって、東京へ移ることは額面が上がる方向の移動になります。

ただし、この額には2つの限定が付きます。

  • 学歴で割った数字ではありません。都道府県別の集計は学歴計で、高校卒だけを取り出した額ではありません。本記事は都道府県の差だけを扱います
  • 月あたりの額です。この調査の「賃金」が何を含み、何を含まないのかは、本記事では定義しません

この調査の「賃金」が6月分の何を指しているのか、学歴で割るといくらになるのかは、学歴で割った月額のほうを1枚の表で確かめた記事で1つのセルまで降りて確かめました。本記事の都道府県別の額は学歴計なので、自分の学歴に近い額を知りたい場合はそちらを先に読んでください。

学歴による差は、場所の差とは別の軸で動いています。差がいつ開いていつ縮むのかは学歴による差を時点の側から並べ直した記事で年齢階級ごとに計算しました。場所を動かすか学歴の側を見るかで、読む資料が変わります。

もうひとつ、実際に払われた賃金と、求人に書かれた賃金は別の数字です。東京都の正社員求人の賃金は、下限の平均256,735円・上限の平均351,844円でした。47都道府県の中央値は下限221,176円・上限298,420円です。これは編集部が2026年8月4日に確認した内容として、当社の参照資料に記録されているものです(原典=厚生労働省 job tag 統計データ、2026年1〜3月)。

求人票の金額は「これから払う予定の幅」であり、統計の賃金は「実際に払われた額」です。片方が上がったからもう片方も上がる、とは読めません。同じ土俵で並べないでください。

物価の差|東京都は総合104.2、家賃を除くと102.2、住居だけ129.8

東京都で突出して高いのは住居であって、物価全体ではありません。2025年の消費者物価地域差指数(全国=100)で、東京都の値は次のとおりです。

指数の種類 東京都 全国
総合 104.2 100
家賃を除く総合 102.2 100
住居 129.8 100

(出典:総務省「消費者物価地域差指数—小売物価統計調査(構造編)2025年(令和7年)結果—」令和8年9月18日公表・別表1/2026年9月24日に編集部が原文を確認)

全国平均との開きは、総合で4.2、家賃を除くと2.2まで縮みます(いずれも全国=100との差。編集部の算出)。家賃を外しただけで指数が2.0下がる、ということです(104.2−102.2。編集部の算出)。同じ資料の表2は、10大費目のうち都道府県間の開きが最も大きいのは住居で1.64倍(東京都÷岡山県)だと書いています。岡山県の住居は79.1でした。

つまり、東京で生活費が上がる理由のほとんどは住居に集中しています。食料や交通・通信の差は、賃金の差(全国計=100として122.8)に比べれば小さい範囲に収まります。移動の損益を左右するのは、家賃をいくらに抑えられるかです。

この1.64倍は、資料が並べた10大費目の中で最大の開きです。費目を1つだけ選んで先に調べるなら、住居がその1つになります。逆に言えば、食料や日用品の価格差を細かく比べても、移動の損益の結論はほとんど動きません。

この指数を読むときに外せない注記が2つあります。

  • 「総合」と「住居」は、持家の帰属家賃を含みません(資料の注記。持ち家に住んでいる人が仮に家賃を払ったとみなす金額のこと)。実家で暮らしている読者の住居費は、この指数に映っていません
  • 編集部が読み取れたのは東京都と岡山県の値までです。47都道府県ぶんの読み取りは2回目の照合と食い違ったため、本記事では2県だけを載せます。自分の県の値は、上の出典の別表1を開いて確認してください
東京都の賃金と物価の上振れを全国平均=100で並べた横棒グラフ

家賃そのものの水準も置いておきます。令和5年住宅・土地統計調査では、借家(専用住宅)の1か月当たり家賃は全国で59,656円、民営借家(木造)54,409円、民営借家(非木造)68,548円でした。この全国の実額に、上の地域差指数を掛けて東京都の家賃を出すことはしません。調査が違い、時点も違うためです。

東京都の有効求人倍率は、同じ月の同じ統計で1.06倍にも1.69倍にもなります

令和8年7月の東京都は、就業地別で1.06倍、受理地別で1.69倍でした。同じ月、同じ統計、同じ季節調整値です。違うのは集計の基準だけで、東京都だけで0.63ポイントの開きがあります(編集部の算出)。

集計の基準 全国 東京都 最高 最低
就業地別 1.18倍 1.06倍 福井県・山梨県 1.69倍 大阪府 0.95倍
受理地別 1.18倍 1.69倍 東京都 1.69倍 神奈川県 0.84倍

(出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年7月分)について」令和8年8月28日公表・報道発表資料 第6表-1および第6表-2。いずれも季節調整値/2026年9月24日に編集部が原文を確認)

受理地別は、求人を受け付けたハローワークがどこにあるかで数えます。就業地別は、実際に働く場所がどこかで数えます。東京都に本社を置く会社が東京のハローワークへ求人を出し、勤務地は別の県、ということが起こるため、2つの数字はずれます。

この表からは、逆向きの動きも読み取れます。神奈川県は受理地別では47都道府県で最も低い0.84倍ですが、就業地別の最低は大阪府の0.95倍なので、神奈川県の就業地別はそれより上にあるはずです(編集部の読み取り)。首都圏では、求人を受け付ける場所と働く場所が大きく分かれています。

編集部の参照資料には、東京都の有効求人倍率(就業地別)が1.08倍・47都道府県中40位(2026年1〜3月)と記録されています。これは2026年8月4日に編集部が確認した内容として記録されているもので、原典は厚生労働省 job tag の統計データです。時点も集計の周期も上の表とは違いますが、勤務地で数えると東京都が全国の上位ではないという形は、両方の時点で共通しています。

読者の側での使い道は1つです。求人の件数や倍率を根拠にした説明に出会ったら、その数字が受理地別か就業地別かを確かめてください。同じ東京都でも、どちらを引くかで0.63ポイント動きます。勤務地を東京都内に固定して働きたいのであれば、見るべきは就業地別のほうです。

受理地別と就業地別で東京都の有効求人倍率が分かれる仕組みを示した模式図

受理地と就業地がずれた先は、求人票の「就業の場所の変更の範囲」の欄です

勤務地がどこまで動きうるかは、法律が求人の側に明示を求めている事項のひとつです。募集をする側には労働条件等を明示する義務があり(職業安定法5条の3第1項)、明示すべき事項の中身は同条4項の委任を受けた同法施行規則4条の2第3項が定めています。その第3号はこうです。

三 就業の場所に関する事項(就業の場所の変更の範囲を含む。)

(引用:職業安定法施行規則4条の2第3項3号/2026年9月24日に編集部がe-Gov法令APIで原文を確認)

括弧の中の「変更の範囲」は2024年4月1日から加わった部分で、雇い入れた直後の勤務地だけでなく、その契約の期間中にどこまで変わりうるかを指します。東京都内の求人に応募する読者にとって、ここは住む場所の決定に直結する欄です。

  • 勤務地が「東京都内」と書かれていても、変更の範囲が「当社が指定する場所」であれば、地理的な区切りがありません
  • 逆に、変更の範囲が具体的な事業所名や都県名で区切られていれば、引っ越しの範囲を先に見積もれます

地理的な区切りのない書き方そのものを、編集部は違法だと断定しません。確認すべき論点として提示するにとどめます。応募前に、この欄の書き方を読んでおいてください。

区切りが書かれていなかった場合にできることは、応募をやめることだけではありません。範囲がどこまでかを、応募前の問い合わせで聞けばよいだけです。過去に何か所へ配属された実績があるかを尋ねれば、書面の言葉よりも実態が見えます。東京都内の勤務を前提に引っ越す読者にとって、ここを確かめないまま契約するのは、住居費の見積もりを白紙のまま出すのと同じことになります。

なお、本記事の法令の記述は一般的な情報です。個別の求人や契約がどう扱われるかは、専門家または公的機関へ確認してください。

この3号のほかにも、法律が求人に載せさせている欄があります。本記事は勤務地に関わる欄だけを取り出しており、ほかの欄は受動喫煙の措置まで含めた法定の事項の表で確かめられます。

上京の損益は、増える月給から増える住居費を引いて考えます

この引き算に使ってよいのは統計の平均値ではなく、読者自身の2つの金額です。統計は平均しか教えてくれませんが、実際に払うのは平均ではなく、契約した1件の家賃だからです。

編集部が整理した6つの欄を置きます。これは法律が定めた項目ではなく、編集部が計算のために並べたものです。

# 調べる欄 出どころ
1 いまの手取り月額 直近の給与明細
2 応募先の月額(賃金の欄) 求人票
3 いまの住居費(家賃・駐車場・水道光熱の差) 直近の支払い
4 東京で借りる部屋の家賃 実在の賃貸物件を2件
5 引っ越しの初期費用(敷金・礼金・運送・家具) 見積もり
6 帰省の回数と1回あたりの交通費 自分の予定

1と2の差から、3と4の差を引きます。残った額が月あたりの損益で、そこから5を割って回収にかかる月数を出します。6は年単位で足します。4は実在の物件で調べてください。統計の平均家賃で計算すると、実際に住める広さや通勤時間と合わない額になります。

編集部が2026年9月24日に確認した範囲では、引っ越しの初期費用の全国的な目安を示す公的統計には到達できませんでした。到達できなかったのであって、存在しないという意味ではありません。5は見積もりで埋めてください。

埋め方の見本として、編集部が作った計算例を1つ置きます。仮の数字であり、実在の人物の家計でも統計の平均値でもありません。

  • いまの手取り月額22万円、応募先の月額28万円。差は+6万円
  • いまの家賃4万円、東京で借りる部屋の家賃9万円。差は−5万円
  • ここまでの月あたりの損益は+1万円
  • 帰省が年4回で1回1万5,000円なら年6万円。月あたりにならすと5,000円
  • 差し引きの損益は月+5,000円。引っ越しの初期費用が40万円なら、回収に80か月(6年8か月)かかります

この例では、月給が6万円上がっても、手元に残る増分は月5,000円まで縮みます。賃金の差だけを見て決めると、帰省の費用と初期費用の2行が計算から抜け落ちます。同じ求人でも、東京の家賃を7万円に抑えられれば損益は月2万5,000円になり、回収の期間は16か月まで短くなります(いずれも編集部の試算)。動かせるのは求人の側ではなく、住む部屋の側です。

採用の席から見て、応募書類の住所欄が効いた場面と効かなかった場面

数字の話はここまでにします。中途で採る人の配属先を決める会議に、当サイトの運営メンバーが出ていたことがあります。そこで見えていたことを1つだけ書きます。

住所の欄が効いていたのは、遠さそのものではなく、いつから通えるかが読めないときでした。県外からの応募でも、入社日と転居の時期が書いてあれば、書類の段階で落ちることはほとんどありませんでした。逆に、住所だけが県外で、いつ動けるのかが読めない応募は、配属の話が具体化した段階で後回しになりやすい印象がありました。

1社の、それも限られた期間の話です。業界も規模も違えば同じようには進まないはずで、数として広げて語れるものではありません。それでも、移る意思を持っている人ほど、その意思を日付で書いたほうが伝わるという点は、いまでも読者に勧められると考えています。

東京に出ないほうが計算の合う3つの条件

移らないという結論は、負けでも妥協でもありません。次の3つに当てはまる場合、編集部は東京へ移ることを勧めません。

  1. いま実家で暮らしていて、住居費がほとんど出ていない場合。上の地域差指数は都道府県の家賃の水準を比べたものなので、いま家賃を払っていない読者には当てはまりません。この場合、家賃は29.8%上がるのではなく、ゼロから発生します
  2. いまの職種の求人が、勤務地で数えた倍率の高い県に集まっている場合。就業地別の最高は福井県と山梨県の1.69倍で、東京都の1.06倍を上回ります(令和8年7月・季節調整値)
  3. 月給の増分が、家賃の増分を下回ることが先に見えている場合。上の6つの欄を埋めて差がマイナスなら、移らない判断のほうが数字に合っています

3つ目には、帰省の費用が乗ります。実家や家族が地元にある場合、東京へ移ったあとの交通費は毎年かかり続けます。この費用は賃金が上がっても自動的には消えないため、月あたりにならして損益に入れてください。

東京に出ないまま職場を変える手はあります。学歴を取り直すことでも、住む場所を変えることでもありません。いまの職種を持ったまま身を置く業界を選び直すほうを、当サイトは勧めています。この進め方は転職しないという答えも含む総論にまとめています。

東京に出る側と、いまの県で動く側で、次に調べるものが違います

同じ「高卒で東京」でも、住むところを動かすかどうかで最初に開く資料が変わります。状況ごとに、先に読む記事を分けておきます。

移る先が東京とは限りません。大阪を検討している場合は、数え方で0.95倍と1.12倍に分かれる求人倍率を扱った記事が別にあります。賃金と住居の指数は府県ごとに違うため、行き先を変えれば損益も変わります。

製造業が集まる地域へ移る選択肢もあります。愛知県を検討している場合は製造品出荷額は全国1位で求人倍率は31位という並びを参照してください。職種を変えずに場所だけを動かす場合、行き先の産業構成が損益を左右します。

転職サービスに聞くのは求人の数ではなく、勤務地と転勤の範囲です

広告費の出どころは、転職サービスの側です。記事を読んだ人がサービスに登録した時点で、コロキャリアに紹介料が入ります。そのうえで、使うときに聞くことと、いま登録しなくていい場合を並べます。

転職エージェントは有料職業紹介、転職サイト・スカウトサイトは募集情報等提供で、法律上の位置づけが違います。求職者が支払う費用は原則としてありません。紹介の手数料を負担するのは、採用した側の企業だからです。この仕組みがあるので、求人票に書かれていない勤務地の運用を代わりに確認してもらえます。

移動を伴う転職で聞くべきことを3つ挙げます。

  • 就業の場所の変更の範囲が、実際にはどこまで運用されているか(過去の配属実績)
  • 入社日と転居の時期をずらせるか。引っ越しの初期費用を月給の入金後に回せるかどうかで、必要な貯えが変わります
  • 住宅手当・社宅の有無と、その金額。上の6つの欄の4を直接動かします

相手が有料職業紹介の許可を持っているかどうかは、厚生労働省の人材サービス総合サイトで番号から引けます。番号を確かめられない相手は、当サイトでは扱いません。サービス名を挙げた推奨も、この記事では行いません。編集方針で定めた選定基準を満たす形で確認を終えたサービスが、まだ1つも無いためです。

先に家賃だけ調べれば足りる人

  • 家賃を払っていない状態で暮らしている人。移動の損益は住居費でほぼ決まるため、先に東京の賃貸物件を2件だけ見るほうが早く答えが出ます
  • 半年以内に社内で異動・昇格の話が具体的に進んでいる人。移動の費用を払わずに条件が動く見込みがあるなら、結果を待ってからで間に合います
  • 東京以外にも行き先の候補がある人。候補が複数あるうちは、先に候補地を絞るほうが順番として早くなります

いつ動くかは、家計と家族の事情で決まる話です。記事の側から期限を切ることはしません。

よくある質問

Q:上京しない方がいい人は?

住居費がいま出ていない人と、月給の増分が家賃の増分を下回ることが先に見えている人です。東京都の物価は、家賃を除けば全国平均より2.2高いだけです(2025年の地域差指数・家賃を除く総合102.2。全国=100との差は編集部の算出)。生活費の上振れは住居に集中しているため、実家住まいから東京の賃貸へ移る場合、その差がそのまま毎月の支出になります。

Q:上京して転職するにはいくら必要ですか?

編集部が2026年9月24日に確認した範囲では、上京の費用の目安を示す公的統計には到達できませんでした。到達できなかったのであって、存在しないという意味ではありません。代わりに、家賃の水準だけは統計で確かめられます。令和5年住宅・土地統計調査では、借家(専用住宅)の1か月当たり家賃は全国で59,656円でした。敷金・礼金・運送費は実際の見積もりで埋めてください。

Q:上京転職は厳しいですか?

求人の数という意味では、数え方で印象が変わります。令和8年7月の東京都の有効求人倍率は、受理地別では47都道府県のうち最も高い1.69倍ですが、就業地別では1.06倍で、全国の1.18倍を下回ります(いずれも季節調整値)。「東京は求人が多い」という言い方の根拠が、どちらの数字なのかを確かめてください。厳しさの中身は、応募先の数ではなく、移動の費用を回収できるかどうかに出ます。

Q:上京するデメリットは?

住居費が上がることと、移動の費用がいったん出ていくことです。東京都の住居の地域差指数は129.8で、10大費目のうち都道府県間の開きが最も大きい費目でした(2025年結果・最大は東京都÷岡山県の1.64倍)。加えて、引っ越しの初期費用と帰省の交通費は、賃金が上がっても自動的には戻りません。

Q:地方から上京して転職した理由は?

理由を集計した公的な調査に、編集部は到達できていません。数字で言えるのは、東京都の賃金が全国計を月77.7千円上回っていること(令和7年賃金構造基本統計調査・差は編集部の算出)と、全国計を上回る都府県が4つしかないことです。額面が上がる方向の移動であることは統計から言えますが、手元に残る額が増えるかどうかは、家賃を入れないと決まりません。

まとめ

この記事で確かめたことを並べます。

  • 東京都の賃金は全国計より月77.7千円高く、47都道府県のうち全国計を上回るのは4都府県だけです(令和7年賃金構造基本統計調査)
  • 東京都の物価は総合104.2ですが、家賃を除くと102.2まで縮み、住居だけが129.8です(2025年の消費者物価地域差指数・全国=100)
  • 東京都の有効求人倍率は、同じ月に就業地別1.06倍・受理地別1.69倍と分かれます(令和8年7月・季節調整値)
  • 勤務地がどこまで動くかは、求人票の「就業の場所の変更の範囲」の欄で確かめられます(職業安定法施行規則4条の2第3項3号)

最後は、何を優先するかで答えが割れます。割れ方を先に書いておきます。

  • 手元に残る額を基準にするなら、東京へ移るかどうかは家賃で決まります。月給の増分より家賃の増分が大きければ、移らないほうが数字に合います。いま家賃を払っていない読者はとくに、移った時点でゼロから発生する住居費を先に見積もってください
  • 職種の選択肢の幅を基準にするなら、移る価値が出ることがあります。ただし勤務地で数えた倍率は東京都が全国上位ではないため、「どの職種の求人がどこに出ているか」を先に調べてから行き先を決めてください

引っ越す前に、いまの家賃と、東京で借りる部屋の家賃を1件ずつ調べてください。その2つの差が出るまで、求人は見なくて構いません。


参考・出典

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