高卒で日本電子材料に入れる?製造職の学歴要件と年収を確認

半導体検査部品メーカーの求人で応募資格と学歴要件を確認するイメージ

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先に結論を書きます。編集部が2026年8月23日に日本電子材料のキャリア採用求人を確認したところ、製造職3件はいずれも応募資格に学歴要件の記載がなく、うち2件は「未経験の方も安心してください」と明記されていました。必須条件は「普通自動車免許(AT限定可)」と「顕微鏡を使用する作業に抵抗がない方」の2つだけです。

雇用形態は正社員、想定年収380万円〜420万円(製造経験が必要な職種は420万円〜470万円)、年間休日は136日または188日。勤務地は熊本県菊池市、広島県東広島市、兵庫県尼崎市・三田市です。

この記事の答えは「入れるかどうか」ではなく「どの職種で、どこで、いくらで入れるか」まで書けます。個社記事としては珍しいケースです。以下、求人の中身を条件ごとに見ていきます。ただし新卒の側は事情が違うので、そこも正直に書きます。

結論:中途の製造職に、学歴要件の書かれていない正社員求人があります

日本電子材料株式会社は、半導体検査部品「プローブカード」を製造する東証スタンダード上場のメーカーです。プローブカードは、半導体ウエハー上のチップを測定するときにウエハーと検査装置をつなぐ部品です。設立1960年4月、資本金92億529万円、本社は兵庫県尼崎市西長洲町。従業員842名(単体、2026年3月31日現在)、売上高293億円(2026年3月決算実績)。

同社のキャリア採用ページに掲載されていた製造部門の3職種を並べます。

項目 PC製造(熊本) PC製造(広島) MEMS製造
仕事内容 プローブカードの製造修理。顕微鏡を使った精密作業(針並べ、半田作業、位置調整) 広島工場に常駐し、プローブカードの修理・メンテナンス プローブカードの製造(レジスト塗布・パターニング・めっき加工・研磨・レジスト剥離)
学歴要件 記載なし 記載なし 記載なし
必須条件 普通自動車免許(AT限定可)/顕微鏡を使用する作業に抵抗がない方 同左 なにかしらの製造職現場で働かれた経験のある方(業界や製品の種類は問いません)
未経験 (入社後は基礎から段階的に学べる環境) (同左) 製造職経験が必要
雇用形態 正社員 正社員(試用期間3ヶ月) 正社員(試用期間3ヶ月)
想定年収 380万円〜420万円 380万円〜420万円 420万円〜470万円
勤務地 熊本県菊池市七城町蘇崎 広島県東広島市吉川工業団地内 兵庫県尼崎市西長洲町または三田工場(兵庫県三田市大原)

出典:日本電子材料 キャリア採用求人(HRMOS掲載)。2026年8月23日に確認。

「学歴不問」と大書されているわけではありません。書かれていないだけです。それでも、必須条件の欄に学歴が一切現れないことには意味があります。この会社が中途で見ているのは、免許と、顕微鏡作業への適性と、製造現場の経験だからです。

シフト・休日・手当まで、条件が具体的に書かれています

求人票の価値は、応募資格より労働条件の欄にあります。3職種の条件を続けます。

項目 PC製造(熊本・広島) MEMS製造
勤務形態 シフト制/4勤2休。日勤8:00〜17:30または夜勤20:00〜翌5:30 シフト制/3勤3休。(1)8:00〜20:15 (2)20:00〜8:15
平均残業 月20時間程度 月10時間程度
年間休日 136日 188日
年間有給休暇 11日〜20日 11日〜20日
昇給・賞与 昇給 年1回(4月)/賞与 年2回(6月・12月)※前年実績5.3ヶ月分相当 同左
諸手当 家族手当、通勤手当(上限5万円/月)、単身赴任手当、深夜勤務手当、変則勤務手当 同左

出典:同上。2026年8月23日確認。

年間休日136日は、一般的な完全週休2日制(年間休日120日前後)より多い水準です。4勤2休のシフトは、土日固定の休みではない代わりに休日数そのものが増える働き方です。MEMS製造の3勤3休は年間休日188日で、1年の半分以上が休日になります。交替勤務の経験がある読者なら、この数字の意味はすぐわかるはずです。

賞与「前年実績5.3ヶ月分相当」も、募集要項に書かれている数字です。求人票に賞与の実績月数が明記されている会社は多くありません。書いてあること自体が、応募前に確認できる情報が多い会社だという手がかりになります。

日本電子材料の製造職3求人の応募条件を比較した図

新卒の側は、院卒と大卒だけです

入口が中途側に偏っていることは、正直に書きます。同社が公開している新卒採用の実績は次のとおりです。

院卒 大卒 合計
2026年 3名 8名 11名
2025年 5名 7名 12名
2024年 2名 4名 6名
2023年 0名 2名 2名

出典:同社が新卒採用サイトに掲載した採用データ。2026年8月23日確認。

4年分すべてが院卒と大卒で、高校卒・専門卒・短大卒の区分がありません。新卒の募集職種として挙がっているのはMEMS開発・MEMS製造技術・MEMS製造・経理・メカ(設計・開発・技術)・エレキ(設計・開発)・設備技術・購買で、勤務地は兵庫県・神奈川県・熊本県です。

なお、同社の新卒採用サイトの募集要項ページは2026年8月23日時点で「準備中です。今しばらくお待ちください。」の表示で、新卒求人情報サイト側も「現在、応募受付を停止しています」となっていました。したがって新卒の応募資格の学歴列挙そのものは確認できていません。確認できたのは採用実績の学歴内訳だけです。ここは推測で埋めません。

この構造は、実は読者にとって有利です。新卒の枠は年10名前後しかありませんが、中途の製造職は求人票に条件が明記されて公開されています。「新卒で入れなかった会社」ではなく「中途で入る会社」として見ればいいということです。

有価証券報告書で見る、この会社の賃金水準

求人票の想定年収と、会社全体の平均年収は別物です。両方を並べます。

項目 第67期 有価証券報告書の記載(2026年3月31日現在)
従業員数(提出会社) 842名(連結1,234名)
セグメント別 半導体検査用部品関連事業784名/全社共通58名
平均年齢 39.7歳
平均勤続年数 12.6年
平均年間給与 6,417千円(基準外賃金及び賞与を含む)
男女の賃金の差異 全労働者79.1%

出典:日本電子材料 第67期有価証券報告書(2026年6月24日提出)「従業員の状況」。2026年8月23日に同社IRサイト掲載のPDFで確認。

平均年間給与641万7千円に対して、製造職の想定年収は380万〜470万円です。この差をごまかさずに読むと、次のようになります。

  • 平均は平均年齢39.7歳・平均勤続年数12.6年の在籍者全体の数字です。中途入社直後の水準ではありません
  • 想定年収380万〜420万円は入口の提示額です。前年実績5.3ヶ月分相当の賞与を含んだ提示であることが求人票に書かれています
  • 勤続12.6年という定着の長さは、入ったあとに積み上がる余地があることを示唆します(編集部の読み方であり、個人の昇給を保証するものではありません)

想定読者の年収と比べてみてください。当サイトが想定している読者像は「工業高校卒・地方の中小メーカーで9年目・年収330万円・交替勤務」です。この求人の入口提示額380万円は、その水準を50万円上回ります。しかも交替勤務の経験は、4勤2休や3勤3休のシフトにそのまま接続します。いま持っているものが、そのまま条件になる求人だということです。

応募する前に、確認しておくべきこと

求人票に書いていないことは、面接前に確認先を作ってください。理由は法律の作りにあります。

募集にあたって明示が義務づけられている事項は職業安定法5条の3第1項が定め、その中身は同法施行規則4条の2第3項が9項目を列挙しています。業務内容(変更の範囲を含む)・契約期間・試用期間・有期契約の更新基準・就業の場所(変更の範囲を含む)・始業終業の時刻や休憩休日・賃金の額・社会保険と労働保険の適用・募集者の氏名等の9つです。

この9項目に学歴は入っていません。だから求人票を法律どおりに作っても、学歴をどう扱うかは書かれないままになります。ここから2つのことが言えます。

  • 「学歴不問と書いていないから応募できない」は成り立ちません。書く義務がない項目だからです
  • 「学歴不問と書いてあるから学歴を見ない」も成り立ちません。同じ理由です

そのうえで、入社後に条件が違ったときに使える条文も先に渡しておきます。労働基準法15条2項は「前項の規定によつて明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。」と定めています。求人票と労働条件通知書は必ず手元に残してください。

そのうえで、この求人に応募する場合に確認しておくことを、具体的に並べます。求人票に書かれていない、あるいは自分の生活に直結する項目です。

  1. 配属先の工場と、転居の要否。熊本県菊池市・広島県東広島市・兵庫県尼崎市/三田市のどこになるかで生活が変わります。単身赴任手当の記載はありますが、支給条件は面接で確認してください
  2. シフトの回り方。4勤2休・3勤3休は、日勤と夜勤がどの周期で入れ替わるかで体への負担が変わります。求人票のシフト表記だけでは決まりません
  3. 想定年収380万円〜420万円の内訳。基本給と賞与の比率、深夜勤務手当・変則勤務手当がどこまで含まれた提示かを確認してください
  4. 試用期間の労働条件。PC製造(広島)とMEMS製造は試用期間3ヶ月と明記されています。期間中の条件が本採用と同じかを確認してください
  5. 未経験の場合の教育期間。「基礎から段階的に学べる環境」が具体的に何ヶ月で、その間の賃金がどうなるかは求人票に書かれていません

会社側のデータを見る道具もあります。労働施策総合推進法27条の2第1項は、常時雇用する労働者の数が300人を超える事業主に、中途採用比率の公表を義務づけています。公表の頻度と対象期間は同法施行規則9条の2第1項が「おおむね一年に一回以上、公表した日を明らかにして、直近の三事業年度について」と定めています。厚生労働省のしょくばらぼでも検索できます。

学歴の差は、どこに出るのか

この会社に入れるかどうかとは別に、学歴の差そのものの形を知っておいてください。厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査の概況」の学歴別の表(男女計・所定内給与額)は次のようになっています。

年齢階級 高校卒 大学卒 差(編集部算出)
20〜24歳 225,200円 263,900円 38,700円
40〜44歳 309,000円 425,300円 116,300円
50〜54歳 335,100円(高校卒のピーク) 494,900円 159,800円
55〜59歳 332,100円 529,100円(大学卒のピーク) 197,000円

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査の概況」(3)学歴別にみた賃金・第3表(2025年6月分の所定内給与額)。差の列は同表の数値から編集部が算出しました。

入口の差は38,700円ですが、55〜59歳では197,000円まで開きます。約5.1倍です(編集部算出)。高校卒の賃金は50〜54歳でピークを迎えて下がり始め、大学卒のピークは5年遅い55〜59歳です。不利は入口ではなく途中に出るということです。初任給の相場は高卒初任給の実額推移で確認できます。

同じ調査から、性質の違う差をもう2つ取れます。

差の種類 年齢計の差(編集部算出) 本人が変えられるか
学歴(大学卒−高校卒) 99,100円 変えられない
雇用形態(正社員−正社員以外) 117,100円 変えられる
企業規模(大企業−小企業) 79,500円 変えられる

出典:同概況の第3表・第6-1表・第4表。差はいずれも編集部算出。企業規模の区分は常用労働者1,000人以上が大企業、100〜999人が中企業、10〜99人が小企業(同概況「用語の解説」)。

3つは別々の集計で、母集団が重なっています。だから足し算はできません。それでも並べる意味はあります。学歴の差と同じかそれ以上の差が、自分の行動で変えられる軸にも存在しているからです。今回のような正社員求人は、まさに「変えられる軸」の話です。

製造業を母集団の中心に置く根拠もあります。高卒で就職した人の41.6%は製造業に入り、その3年以内離職率は28.6%で、調査産業計の37.9%より9.3ポイント低いという構造です(厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」より「新規高卒就職者の産業別離職状況」令和4年3月卒。構成比・離職率は原典の実数から編集部が算出)。実際に大手へ移った人の経路は高卒で大手企業への転職を成功させた事例まとめ、同じ計測機器メーカーで学歴条件を確認した例は共和電業の中途採用の学歴条件と初任給を確認した記事、高卒の入口が開いている大手の例は高卒からトヨタは勝ち組?リアル年収・出世・将来性にまとめました。

転職サービスの位置づけと、登録しなくていい人

先に構造を書きます。転職エージェント(有料職業紹介)の報酬は、紹介先の企業が支払う成功報酬です。求職者は原則として無料で使えます。書類添削・面接対策・相場のフィードバックは先払いで提供されるものなので、遠慮なく受け取って構いません。一方で、どの会社に行くか、いつ動くかの判断だけは自分で持ってください。提案される求人は「世の中の求人」ではなく、そのエージェントと契約している企業の在庫だからです。事業者が国の許可・届出を受けているかは、厚生労働省の人材サービス総合サイトで確認できます。当サイトは、許可・届出を確認できない事業者を勧めません。

そのうえで、次に当てはまる人は、いま登録しなくて構いません。

  • いまの職種の経験を積み増している最中で、賃金にも労働時間にも不満がない人
  • 社内で異動・昇格の話が具体的に進んでいる人。先に結果を見てからで遅くありません
  • 転居できるかどうかが決まっていない人。今回の求人はいずれも勤務地が特定の工場に固定されています。ここが決まらないと比較になりません

よくある質問

Q:高卒で日本電子材料に入れますか?

編集部が2026年8月23日に確認した範囲では、キャリア採用の製造職3件(PC製造〈熊本〉・PC製造〈広島〉・MEMS製造)に学歴要件の記載はありませんでした。必須条件は普通自動車免許(AT限定可)と顕微鏡作業への適性、またはなにかしらの製造職経験です。ただし「学歴要件の記載がない」は「高卒歓迎と明記されている」とは違います。実際の選考で学歴がどう扱われるかは公開情報からは判断できません。求人は入れ替わるため、同社の公式採用サイトで最新の募集をご確認ください。

Q:未経験でも応募できますか?

PC製造(熊本)とPC製造(広島)は「入社後は基礎から段階的に学べる環境なので、未経験の方も安心してください」と求人票に明記されています(2026年8月23日確認)。MEMS製造は「なにかしらの製造職現場で働かれた経験のある方(業界や製品の種類は問いません)」が必須条件で、業界も製品も問われません。座学研修と2ヶ月間のマンツーマン指導があるとの記載もあります。

Q:日本電子材料の年収はいくらですか?

第67期有価証券報告書の「従業員の状況」に記載された提出会社の平均年間給与は6,417千円です(2026年3月31日現在、基準外賃金及び賞与を含む。従業員842名、平均年齢39.7歳、平均勤続年数12.6年)。一方、キャリア採用の製造職の想定年収は380万円〜470万円と求人票に記載されています。平均は在籍者全体の数字であり、中途入社直後の水準ではありません。特定の個人に約束される金額でもありません。

Q:新卒で高卒採用はありますか?

同社が公開している新卒採用実績は2023年から2026年まですべて院卒・大卒で、高校卒の区分はありません(2026年8月23日確認)。なお新卒採用サイトの募集要項ページは同日時点で「準備中です。」の表示で、応募資格の学歴列挙そのものは確認できていません。確認できたのは採用実績の内訳だけです。新卒の入口を探すより、条件が明記されている中途の製造職を見るほうが早いというのが編集部の見方です。

Q:シフト勤務がきついのではないですか?

求人票に書かれている条件で判断してください。PC製造は4勤2休で年間休日136日、平均残業月20時間程度。MEMS製造は3勤3休で年間休日188日、平均残業月10時間程度です(2026年8月23日確認)。土日固定の休みではない代わりに、休日数そのものは一般的な完全週休2日制(年間休日120日前後)を上回ります。深夜勤務手当・変則勤務手当も明記されています。合うか合わないかは生活の組み立て方によるため、家族の生活時間と重なるかを先に確認してください。

まとめ

  • 日本電子材料のキャリア採用の製造職3件に、学歴要件の記載はありません(2026年8月23日に同社キャリア採用求人で確認)。必須条件は普通自動車免許と顕微鏡作業への適性、またはなにかしらの製造職経験です
  • PC製造(熊本)・PC製造(広島)は未経験可と求人票に明記。想定年収380万円〜420万円、正社員、年間休日136日、4勤2休
  • MEMS製造は製造職経験が必要で想定年収420万円〜470万円、3勤3休、年間休日188日。勤務地は兵庫県尼崎市または三田工場
  • 新卒側は2023〜2026年の採用実績がすべて院卒・大卒で、高校卒の区分はありません。募集要項ページは「準備中」の表示で応募資格の学歴列挙は確認できませんでした
  • 第67期有価証券報告書の平均年間給与は6,417千円(2026年3月31日現在、平均年齢39.7歳・平均勤続年数12.6年)。求人票の想定年収は入口の提示額であり、平均とは別の数字です
  • 求人票の法定明示9項目に学歴は入っていません(職業安定法5条の3第1項+同法施行規則4条の2第3項)。「学歴不問と書いていない=応募不可」は成り立ちません

編集部の結論を書きます。この会社は、当サイトの読者にとって珍しく「条件がそろって公開されている」相手です。職種・勤務地・シフト・年間休日・賞与実績・手当まで求人票に書かれており、応募前に比較できる材料が多い。収入を最優先するなら、想定年収の下限380万円といまの年収を並べ、転居できるかどうかを先に決めてください。そこが決まらないと、条件がどれだけ良くても判断になりません。現職で経験が積み上がっていて、賃金にも労働時間にも不満がない人は、いま動く必要はありません。

今日やることは1つです。求人票の「必須条件」の欄を開いて、そこに学歴が書かれているかを見てください。書かれていなければ、あなたが外れる理由は少なくとも応募資格の段階には存在しません。

日本電子材料の応募条件を他社と比較するための企業一覧で、ほかの企業の学歴要件も確認できます。

※本記事は一般的な情報提供であり、各社の採用方針・募集内容は変更されることがあります。応募を検討する場合は必ず各社の公式採用ページで最新の募集要項をご確認ください。個別の労働条件・制度の適用については、都道府県労働局・労働基準監督署・ハローワークなどの公的窓口へご確認ください。


参考・出典